
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで7月4日から7月10日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
【動画はこちら】デビュー前から完成した演奏力、B&ZAI「First Beat」ライブ映像
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングでは、当連載で先週取り上げたORANGE RANGEの「イケナイ太陽(令和ver.)」が1位へとランクアップ。またこの影響を受けて、33位に「おしゃれ番長 feat.ソイソース」、54位に「イケナイ太陽」、60位に「上海ハニー」と過去曲のMVもトップ100圏内にランクインする結果に。そんな
25位には
30位にランクインしたのは、
平成のヒット曲のランクインが目立った今週は、下記の3曲をピックアップする。
B&ZAI「First Beat」ライブ映像
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場49位
B&ZAIの武器であるバンド編成でのパフォーマンスを存分に楽しめるこの曲。ライブ映像から伝わる演奏力や歌唱力は、デビュー前でありながらすでに完成しているように思う。なんと言ってもこの楽曲からは、彼らの絆や、覚悟を持って歩いていく強い意志が感じられる。アイドルらしいキラキラした面だけでなく、ストイックな熱さを持つこのグループが、今後どのように大成していくのか楽しみだ。
※本高克樹の「高」ははしご高が正式表記。川崎星輝の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記
Creepy Nuts「Mirage」Shibuya Scramble Crossing
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場59位
59位にランクインしたのは、7月3日19:00に東京・渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンにてゲリラ的に公開された、
「Mirage」はナイジェリア発祥の音楽ジャンル、アフロビートを大胆に取り入れたトラックと、「よふかしのうた」2期のストーリーを落とし込んだリリックが話題に。YouTubeのコメント欄では「アフロビートのアニソンなんて人生で初めて聴いたから衝撃がすごい」「よふかしのうた2期の雰囲気にハマりすぎて悶える」など、サウンドのクオリティやアニメとの親和性の高さを絶賛する声が多数上がっている。
7月15日には同曲のMVも公開され、こちらも渋谷スクランブル交差点の映像に迫る勢いで再生数が急上昇中。MVは幻想や幻影を意味する「Mirage」の名が示すように、2人のR-指定が対峙するシーンや、着物姿の集団が登場する場面など、異世界を思わせる不思議な映像になっている。
HALVES「嫌々」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場61位
HALVESはTikTokを中心に活動している双子のアーティスト。弟のりょうまが作詞・作曲・編曲を担当し、兄のみらいがキャラクターアニメーションを手がけている。「嫌々」は2024年1月にリリースされた楽曲で、TikTokを中心に話題となり、その年の12月にストリーミングで1000万再生、YouTubeで300万再生を突破。リリースから1年半以上経過した今もその伸びは止まることなく、ここにきて再生数が急激にペースアップした結果、今回YouTubeウィークリーミュージックビデオランキングで61位に初登場した。
「嫌々」は「間違った罪悪感 残酷な心電図」「望まれていない問題 存在は失敗作」「現実は不満ばっか 理想像とのスキル格差」といったリリックで、自己嫌悪や自己卑下、社会に対する不満など、曲中の主人公が“嫌”な気持ちをこれでもかと吐き出す描写が印象的。ダークな歌詞とは対照的にポップでリズミカルなサウンドに心地よさを覚える、非常に中毒性が高い楽曲だ。
今年6月にクリエイティブレーベル・KAMITSUBAKI STUDIO所属のバーチャルシンガー・
なお「嫌々」だけでなく、2024年4月に発表した「ウェルテル」をはじめとしたHALVESのその他のMVも再生数が伸びているので、こちらも合わせてチェックいただきたい。

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