コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、26歳の社会人女子が大学に通うために上京して年下男子と出会う作品が面白いと「26歳社会人女が大学に入ったら、ハタチのヤバい男と出会った話」をピックアップ。なお、本作はカドコミで連載中で単行本化されている「青は難く春は易し」(KADOKAWA)第1巻の第1話からの抜粋である。

【漫画】本エピソードを読む

作者である榎木りかさんが2025年5月21日にX(旧Twitter)に投稿したところ、6500件を超える「いいね」が寄せられてXでは、「尊い」「好きな漫画見つけちまった」「何気ない普段の会話が小気味?良くていい」「深ときりこさんの関係がなんとも言えない」という反響が寄せられた。本記事では、榎木りかさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

■大学初日に人混みで迷子になるきりこ

きりこは26歳、東北在住実家暮らしで社会人歴8年、高校卒業後カフェのバイトをはじめ店を任される店長になったが、その店が潰れ失職へ。ある日、自室でテレビの中継で大学生の「自分探し中」という言葉を耳にし、4年の猶予期間に魅力を感じて大学に入学した。大学初日に人混みに迷って怪しい勧誘をうける事態になったが、現れた若者の男子が勧誘者を追い返す。親切に大学に行く道筋を教えてくれ無事大学についたが、そこに先ほどの若者が。

大学初日の帰り、昼呑み居酒屋に入るかどうか迷っているところに、先の若者が現れて自分はハタチになったので飲めるというと、きりこは乗り気に。そこで若者の名が深(しん)と知る。きりこは1度進学を家庭の事情であきらめた事を深に吐露し、そこから自分が何がしたいのか、考えるのをやめてずるずると大人になりずっとこのままなのかと、酔っぱらいながら告白する。ふと気づくと、きりこは深とラブホテルの一室に。記憶がないきりこに昨日酔っぱらい過ぎて帰り道を言えず深がホテルに連れて行った。しかし、朝から深のラブロマンスの求めに応じて、ずるずると流されるきりこだった。

年下ハタチの男子・深ときりこの出会いと恋の始まりを予感させる青春ラブストーリーの本作には、「潤う」「好き」「癒される」「流されるーって感じ」など、X(旧Twitter)やブックレビューでも大きな共感や反響の声が寄せられている。

■「ここぞ!というところではきりこが“大人のお姉さん力”を出して深の方が翻弄されるように意識しました」作者・榎木りかさんが語る創作の裏側とこだわり

――「青は難く春は易し」作品全体のモチーフ・テーマはどのようにして生まれたのでしょうか。

「青春のやり直し」というテーマに興味があって、自分ならどんな「やり直し」を描くかなと、いろいろ考えていくうちに社会人大学生のきりこが生まれました。昔から、地方と東京のコントラストが印象的な作品が好きでよく見ていたので、そういった部分も描けたらいいなと思いながら、キャラクターや舞台を考えています。私自身、地方出身で現在は東京に住んでいるので、きりこと同じ目線で物語を描けているのではないかと思います。

――きりこの無邪気さと、ロマンスに積極的な深のキャラクター、二人の性格のギャップを描く際、表現を工夫された点をお教えください。

きりこは26歳の大人ですが、あまり“お姉さん”になりすぎないように描いています。地方でのんびり暮らしてきた素朴さを残しつつ…。深は、都会で育った、少し大人びた雰囲気の経験値高そうな若者、という感じで描いていまして、二人の対比を意識しました。

――「青は難く春は易し」第1話において榎木さんがこだわった点がございましたら、教えてください。

基本的には深がきりこを助けたり、翻弄したりする感じではあるのですが、ここぞ!というところではきりこが“大人のお姉さん力”を出して深の方が翻弄されるように意識しました。といっても1話だとそこまでお姉さん力を出せてもないので今後にご期待ください!

――本エピソードで、榎木さんお気に入りのセリフやシーンなどがございましたら教えてください。

きりこが酔っ払っているシーンがお気に入りです。私はお酒で羽目を外すことが出来ないタイプなのですが、そのせいか酔った勢いでの“やらかし”にどこか憧れを感じていまして…。友人たちの酔っ払いエピソードを聞くのが好きで、当人達は大変だろうと思うのですが、自由でいいなあ!といつも楽しく聞かせてもらっています(もうだいぶ大人なので最近はあまり聞きませんが…)。そんな奔放なイメージで酔っ払いきりこを描きました。

――本作で読者に注目してほしい点などがありましたら、お聞かせください。

大学生活ならではの青春だったり、危なっかしい恋愛の感じだったりを描いていけたらな、と思っているので、そのあたりを楽しんでいただけたら嬉しいです。あと、毎話二人の服は何を着せようか悩みつつも楽しんで描いているので、そこも注目していただけたら!

――榎木さんの今後の抱負や希望をお聞かせください。

なにはなくとも「青は難く春は易し」をしっかり描いていきたいです!

――最後に、本作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

きりこの「職を失ったから社会人入学」という行動はけっこう大胆だと思うのですが、大学進学に限らず、何か「やってみたい」と思ったときに「ちょっとやってみようかな」と思えるような、前向きな気持ちになれる作品になればいいなと思って描いています。読んでいてよかった、と思ってもらえるような作品になるように頑張りますので、今後も応援よろしくお願いします!

「ずるずる大人になった」26歳女子が上京して大学へ…年下イケメンとの青春リバイバルに「潤う」と大反響/(c)Enoki Rika 2025