
秋葉原にあるマウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップにおいて、店舗の入口に設置されたサイネージでVTuberが通行人にリアルに呼びかけ、お店へ誘客する「ぶいわーく!」が6月28日と6月29日の2日間実施された。
この「ぶいわーく!」は来場者に新たなエンタメ体験を提供するサービスとして、東京タワーのアミューズメント施設などを運営するRED MAKERが手がけているサービスで、これまで現場の従業員が行なっていた呼び込みを遠隔地にいるVTuberがすることによる新たな効果が期待される。今回はその初日の様子を取材してきた。
10人呼び込みを目標にした音咲りんかさん
今回の取り組みでは2日間で6名のVTuberが交代で店頭に立ち(!?)、ショップ内に誘客。ショップ内ではマウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップの店員が対応することで専門的な相談ができる二段構えとなっている。そのトップバッターとなったのがVTuberの音咲りんかさん。
今回は初めての試みということで、スタート直後は画面がフリーズするというアクシデントもあったが、ほどなく「ぶいわーく!」がスタート。音咲さんは「10人は呼び込みたい」と目標を掲げて通行人に呼びかける。
これまでもサイネージにキャラクターを表示し、施設やイベントをインタラクティブに紹介する仕掛けはあったが、そのキャラクターとリアルタイムで対話できることが大きく違う。しかし、さまざまなサイネージが店頭を飾っている秋葉原では、映し出されている音咲さんを単なる映像と思ってしまう人が多いようだった。
サイネージ上部にあるカメラはかなり画角が広く、およそ150度くらいの範囲は音咲さんのほうで見えていたようで、カメラの範囲に移った通行人に「お話ししませんか?」と呼びかけるが、ほとんどの男性は反応がなかった。急に女性に呼びかけられても自分のことではないと思う男性が多いのかもしれない。そんな中で最初に音咲さんの反応したのは男女のカップルで、最初に反応したのは女性だった。
その後も女性が反応し、同行している男性が続いて話をするというシーンが多かった。音咲さんは2時間で交代するまでに8人を店舗へ呼び込み、そのうち1人がPC購入成約を果たすという実績を残した。お昼過ぎのため通行人がやや少ない時間であったにも関わらず、この成績はなかなかの結果だったのではないだろうか。
狐なのにマウスコンピューターの宣伝をする狐白かえでさん
続いて2番手で登場したVTuberは狐白かえでさん。「狐なのにマウスコンピューターの宣伝をしています~。お話ししませんか?」と呼びかける狐白さんは初めての試み少し緊張気味。開始直後に通行人が少なかった音咲さんよりも早く通行人にアプローチできていた。
時間の関係で最初の部分しか取材できなかったが、狐白さんもやはり女性がまず反応するシーンが見られた。取材前は男性がターゲットと考えていたので、この結果は非常に興味深かった。
ずっと現場にいたわけではないので、全体の効果はわからなかったが初めての試みということで少し課題も見受けられた。まずは単なるサイネージ映像ではなく、リアルタイムで対話ができることが瞬間的に認識しづらいこと。VTuberが「お兄さん、お姉さん」と話しかけるといった工夫はしていたが、通行人が自分のことと捉えていない様子もあり、どう話しかけるのがもっとも効果的なのかを検討していく必要を感じた。
また、店舗に設置されたサイネージを使うため、その位置を動かすのが難しく、通行人との目線が合いづらい。話を始めてもVTuberの目線は話してる人のほうを向かないので、目線の高さを合わせられると違う結果になったかもしれない。
秋葉原という場所の特性もあり、道行く外国人がとても多く、日本語での呼びかけに反応しないことも。実施する場所によっては外国語での呼びかけ、対話ができると違う展開が期待できる。
こうした発展途上の要素はもちろんあるが、VTuberと直接話ができることや、さまざまな要因で外に出られない人が在宅で仕事をすることが可能なこと、対人でのコミュニケーションが苦手な人でもサイネージ越しなら話せるかもしれないこと、お店側は集客に必要な人手を確保できることなど、さまざまなメリットが考えられる「ぶいわーく!」。今後の進化が楽しみなサービスだ。
なおマウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップでは7月24日まで「夏のボーナスSALE」を開催中。ゲーミングPCをはじめとしたコンピューターをリーズナブルに購入できるセールなので、ぜひのぞいてみてほしい。

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