
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガンが監督を担い、スーパーヒーローの原点にして頂点を新たに映画化した『スーパーマン』が公開中だ。7月11日に公開を迎え、日本では初日3日間の興行収入が3億7000万円、アメリカでは3日間で1億2200万ドルを記録。全世界を含めた興行収入は2億1700万ドル(7月14日時点)を突破し、夏映画の“本命”として注目を浴びている。そんな新生『スーパーマン』は映画ファンからどのように受け止めているのか?公式Xで展開している感想投稿キャンペーンに寄せられたコメントをピックアップし、見どころや惹かれたポイントに迫っていきたい。
【写真を見る】やんちゃなところもかわいい、スーパードッグのクリプト
■「最初から最後までずっと楽しかった」「“誰かを助けること”こそが世界を救う」…ヒーローとしての在り方を追求した新たなスーパーマン像を絶賛!
惑星クリプトン出身のスーパーマンことクラーク・ケントは赤ん坊の頃に地球に飛来し、農場を経営するケント夫妻のもとで愛情深く育てられた。大人になったクラークは大手メディア「デイリー・プラネット」の記者として働きながら、平和のために戦う正義のヒーロー、スーパーマンとして活躍。しかし、そんな彼の前に宿敵レックス・ルーサーが立ちはだかる。天才的な頭脳を持つルーサーはあの手この手でスーパーマンを翻弄。アメリカ政府や世論を扇動しながら、スーパーマンに対して危険な侵略者というレッテルを貼って排除しようとする。肉体的、精神的にも追い詰められるスーパーマンに勝機はあるのか!?
「目の前の人を助けようとする人間らしさにあふれていて登場人物みんなかっこいい!最初から最後までずっと楽しかった」
「人助けのシーンをとても丁寧に描いていたのがなによりもよかった。ただ敵を倒すだけじゃなく、“誰かを助けること”こそが世界を救うんだとまっすぐに伝えてくれる」
「正義とか強さって人間っぽさのなかにあるんだと思う。最高だった」
「ヒーロー映画を観に来たのに、ロマンスも家族愛もコメディも全部観た感じがしてすごい満足感」
冒頭からいきなり、謎の敵ハンマーに圧倒され、南極の雪原にスーパーマンが墜落する衝撃シーンから幕を開ける。この始まりに度肝を抜かれつつも、そこへ颯爽と駆けつけるクリプトの存在に癒されたと思えば、ルーサーが差し向ける刺客や巨大な怪獣、陰謀ともスーパーマンは戦わなければならず怒濤の展開で観る者を飽きさせない。そして、迫力あるバトルシーンも描きながら、命を助けるというヒーローの原点に立ち返ったようなスーパーマンの在り方にも絶賛の声が集まっている。
■「“ザ・ヒーロー”感が好きすぎる」「スーパーマンが見せる人間性にグッときた」…未熟だけどより共感できるスーパーマン
新たにスーパーマンを演じたのは、『Pearl パール』(22)、『ツイスターズ』(24)などに出演してきたデヴィッド・コレンスウェット。ドラマシリーズの主演を務めた経験はあるが、ハリウッド大作のしかもスーパーマン役となれば本人にとっても大きなサプライズだったに違いない。そんな次世代スターである彼が見せるスーパーマン像には、以下のようなコメントが挙がっている。
「デヴィッド・コレンスウェット様の甘いマスクに美しい筋肉、善き人間であろうとする心ですよ!」
「惚れないほうが難しいと思う。この“ザ・ヒーロー”感が好きすぎる」
「スーパーマンが人だけでなく、動物も含めた生命すべてを救助しながら戦うシーンが大好きだった」
「やっと生涯ベストのヒーロー映画に出逢えた!この作品で味わった感動、興奮、共感は永遠に特別だし、絶対に揺るがない自信がある」
今回のスーパーマンもまた、銃弾を跳ね返す鋼鉄の体に超高速の飛行能力、目から放つレーザー光線などおなじみのスーパーパワーを駆使して戦う。一方で、強い正義感から他国の紛争に介入し、そのことを咎められて思わずカッとなったり、ルーサーの挑発にも簡単に乗ってしまう未熟なところも。しかし、その根底にあるのは「ただ命を救いたい」という純粋な想いからであり、青臭いけどブレることのない心の強さが魅力にもなっている。
「スーパーマンが見せる人間性にグッときた」
「人を助けるという優しさこそが強さだ!という想いがまっすぐに伝わってきた」
「世間から悪く思われても命を懸けて巨悪に立ち向かう」
「苦しさも愛しさも全部抱えて、それでも一人の人間として生きるクラークの勇姿にどうしようもなく胸が熱くなって涙が止まらない」
■「ダントツに好き!」「生き様がロックすぎて拍手喝采」…スーパーマンを救うため、真実を追い求めるロイス・レインのカッコよさ
クラークと共にデイリー・プラネットで働くロイス・レインは、『アマチュア』(25)のレイチェル・ブロズナハンが演じている。報道に携わる者として高い志を持った敏腕記者で、クラークの正体を知っている数少ない人物でもある。2人は親密な間柄にあるのだが、スーパーマンとしての使命をなによりも優先し、時に突っ走ってしまうクラークとの関係に思い悩んでもいる。
「歴代のロイスでダントツに好き!」
「ロイスの生き様がロックすぎてスーパーマンの審美眼に拍手喝采」
「人々が正しい判断をするためには、正しい情報が不可欠である。ニセ情報が氾濫するSNSの時代に、自分の足で情報を集め、精査し、裏を取り、自分の名前にかけて事実とする情報を私たちに伝えてくれる彼らの仕事に敬意を表したい」
ルーサーの罠にハマり、大ピンチに陥るスーパーマンを救うために奮闘するロイス。真実を突き止めるため、デイリー・プラネットの仲間たちを率いて立ち上がる姿にも、様々な情報であふれ返る世界のなかにおいて、正しい情報を発信しようとする確固たる信念を感じさせる。
■「泣くなよルーサー…」「強いコンプレックスを抱き、嫉妬心をこじらせる」…屈折した感情を抱く宿敵レックス・ルーサー
スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーの存在も忘れてはいけない。演じているのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)、『ノスフェラトゥ』(24)のニコラス・ホルト。天才的な頭脳を持つ大富豪で政府中枢にも顔が利くという厄介なキャラクター。体を粒子状に変化させる人間兵器エンジニア(マリア・ガブリエラ・デ・ファリア)、スーパーマンにも引けを取らないパワーとスピードを持つウルトラマンら超人も従え、底の見えない虚栄心を満たそうとしている。
「有能な悪役!根底にはあの光に自分は近づけないという絶望や羨望があるのがいい!さすが宿敵」
「泣くなよルーサー…って思うけどホントに悔しいんだろうな」
「スーパーマンに対して強いコンプレックスを抱き、嫉妬心をこじらせるニコラス・ホルトの演技が本当に最高でした」
強大な力を持ったスーパーマンを地球にとっての脅威と見なし、排除しようとするルーサー。彼を突き動かすのは世間の注目を一身に浴びるスーパーマンへの羨望であり、その屈折した感情は見方を変えれば誰もが覚えのあるもの。思わず同情の眼差しを向けてしまったという声も見られた。
■「出てくるだけで癒される」「ワンコ映画としても最高!」…やんちゃなクリプトに夢中になるファンが続出
本作のもう一人、ならぬ一匹の主役では?と感じてしまうほど、存在感が際立っているのがスーパーマンの相棒的ポジションのスーパードッグ、クリプト。雪原に横たわるスーパーマンを引っ張って基地まで連れ帰り、敵にも果敢に立ち向かう勇気の持ち主だ。
「とにかくやんちゃだけど頼りになる相棒のスーパーワンコ、クリプトがかわいい~」
「クリプトがとにかくいろいろと口にしちゃうのがかわいかった」
「出てくるだけで癒されます」
「やんちゃなクリプトから作品全体に漂う温かさが感じられる」
「元気いっぱいのクリプトがかわいいのでワンコ映画としても最高!」
とにかく、クリプトのかわいさを推す声がたくさん。主人の指示を聞かずにじゃれついたり、マシンに噛みついて破壊したりとやんちゃな姿が大勢の心に刺さっていた。
■「グリーン・ランタンのファンになっちゃった」「クラークの父親の言葉で涙腺が崩壊」…スーパーマンと張り合い、支えるキャラクターたち
このほか、スーパーマンを支えるサポート役のスーパーマンロボたちや、ミスター・テリフィック(エディ・ガテギ)、グリーン・ランタン(ネイサン・フィリオン)、ホークガール(イザベラ・メルセド)らで構成される「ジャスティス・ギャング」といったビジュアルも性格も多彩なキャラクターたちの活躍も見どころに。クラークを見守り続けるジョナサン&マーサのケント夫妻(プルイット・テイラー・ヴィンス&ネヴァ・ハウエル)は失意のスーパーマンが再び立ち上がるきっかけを与える重要な存在だ。
「奉仕ロボ、心はないって言うけど喜んだりしているから感情はあるんだな」
「ミスター・テリフィックがクールすぎてすっかりファンになったし、シリーズ化されたらうれしいな」
「グリーン・ランタンことガイ・ガードナーのファンになっちゃった。一緒に観に行った祖母はクリプトが気に入ったみたい」
「ガイ・ガードナーって性格的には少々問題ありだし、ヒーローとしてもまだまだ未熟だけど、それでも彼は彼なりに最善を尽くそうと努力しているのが伝わってきてかなり胸熱だった!」
「クラークの父親が語りかける『お前の選ぶ道、お前の行いが、お前が何者かを決めるんだ』という言葉で涙腺が崩壊した」
■「観客が退屈しないよう笑いも織り交ぜる手腕と構成に脱帽」…笑えて興奮して感動できる、ジェームズ・ガンのらしさが満載
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(21)を手掛けてきたガン監督。バラバラだったはみ出し者たちがだんだんと一つにまとまっていくハートフルなストーリー、様式美を意識したスタイリッシュなアクションといった持ち味は本作でも健在。アパートの一室でスーパーマンとロイスが語り合うなか、窓越しに都市部に現れた異世界の怪物とジャスティス・ギャングが戦いを繰り広げる様子が映しだされるなど、シュールなユーモアも忘れていない。
「“家族”についての話だった。帰る家があり、守り守られる関係性はヒーローも市民も同じように描かれていた」
「なぜこの映画がこれほど人を感動させるのか。それは、『誰だって今日からヒーローになれるんだ!』『今日から世界をよくできるんだ!』と、本気で思わせてくれるから」
「ここまでおもしろくなるとは!スーパーマンの潜在能力を再認識させられた。ジェームズ・ガン監督のセンスが随所に散りばめられ、心を鷲掴みにされた」
「魅力的なキャラたちそれぞれにちゃんと見せ場があったのも最高」
「スーパーマンが高速で移動する爽快感、バトルアクションの迫力とカッコよさが抜群によかった!」
「複雑なアクションシーンにもかかわらず、なにが行われているのかがきちんとわかるし、観客が退屈しないよう笑いも織り交ぜている手腕と構成に脱帽」
■「過去作への敬意に満ちた映像と音楽に胸が熱くなって涙が止まりません」…体の奥底から勇気と希望が湧いてくるメインテーマの偉大さ
1978年製作の『スーパーマン』で巨匠ジョン・ウィリアムズが手掛けたあのメインテーマが流れていることもまた、往年のファンにとってうれしいポイントに。今回は『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(23)のほか、『28日後...』(02)の劇伴も担当している作曲家ジョン・マーフィーによるアレンジバージョンを使用。体の奥底から勇気と希望が湧いてくるような高揚感あるメロディが重要なシーンを彩り、琴線に触れると同時に改めてウィリアムズの偉大さを実感させられる。
「魅せる映像も音楽も最高に素晴らしくておもしろすぎました」
「ジョン・ウィリアムズ様の名曲に胸熱です」
「過去作への敬意に満ちた映像と音楽、そして演出のすべてに胸が熱くなって冒頭から涙が止まりませんでした」
■「アクションもストーリーも見どころしかない」「続編に期待!」…今後のDCユニバースへの期待は?
本作はガンと映画プロデューサーのピーター・サフランによる統括のもと、新たに展開されるDCユニバースの最重要作となる1本。今後、『スーパーガール』(2026年6月26日米公開予定)や『Clayface(原題)』(2026年米公開予定)のほか、8月22日(金)より配信スタートの「ピースメイカー」シーズン2などのドラマ、アニメーション作品も予定されている。シリーズの展望に対する期待の声も拾ってみたい。
「DCユニバースの映画1本目ということですが大傑作でした!アクションもストーリーも見どころしかなく大満足。今年のベスト級のおもしろさでした!」
「完璧なヒーロー映画。ずっと見たかったスーパーマンだった。DCユニバースの未来は明るいぞ!」
「観客一人一人の善性に未来への希望を託すジェームズ・ガンの思いが可視化された瞬間。優しさこそが最もパンクであると訴える」
「スーパーガールが出てきたし、スーパーマンの続編にも期待!」
改めてヒーローとはなにかを見つめ直し、いまの時代だからこそ観るべき作品として生みだされた『スーパーマン』。新しいスーパーマンは未熟だけど、だからこそ大勢の共感を呼び、何度打ち負かされても立ち上がる姿に胸が熱くなり、感動してしまう。これからのDCユニバースの展開も気になるところだが、まずは本作を映画館の大画面で存分に堪能してほしい。
構成・文/平尾嘉浩

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