【元記事をASCII.jpで読む】

 初めて「AYANEO Pocket ACE」を手にしたとき、思わず笑ってしまいました。

 あれ? これ、昔持ってたやつじゃない?……と思わせるような、レトロゲーム機風のデザイン。だけど電源を入れてみて、そんな印象は一瞬で吹き飛びました。

 画面は鮮やかで滑らか、最新ゲームがスイスイ動く。見た目は“懐かしい”、でも中身は“斬新”。そんなギャップにやられてしまったのです。

  このAYANEO Pocket ACE、見た目こそ90年代のポータブルゲーム機を思わせるクラシックな外観ですが、搭載されているSoCはSnapdragon G3x Gen 2という最新モデル。つまり重くてスマホではプレーしづらかったゲームも快適に動かせるポータブルゲーム機となっています。

 しかも、本体サイズはNintendo Switchよりも小さく、スマホ(iPhone 15)よりも少し大きいくらい。カバンやポケットにもスッと入るサイズ感は魅力の1つ。

 最近ではSteam DeckやROG AllyなどのPCゲーム向けの携帯型デバイスが話題ですが、それらと比べてもAYANEO Pocket ACEは異色の存在。スマホでは操作しづらかった、バッテリーの減りが早すぎてストレスがあった重いAndroidゲームをサクサクできるという大きな差別要素をもっています。

Snapdragon G3x Gen 2で、モバイルとは思えない爆速体験

 AYANEO Pocket ACEに搭載されているのは、クアルコム製の「Snapdragon G3x Gen 2」。もともとモバイルゲーム向けに開発されたハイエンドSoCですが、その実力は本物です。

 実際にゲームをプレーしてみたところ、『原神』や『崩壊:スターレイル』といった重めのタイトルでも快適に動作し、グラフィック設定を中~高にしてもフレーム落ちはほとんど感じませんでした。

 Snapdragon G3x Gen 2は発熱の少なさも特徴で、ファンが高速回転して耳障りになることも少なく、安定してゲームを楽しめます。モバイルでも妥協なくゲームを楽しみたい、という人にとってはまさに理想的な構成でしょう。

 もちろん、Androidアプリの動作もサクサク。複数のアプリを同時に立ち上げて切り替えるようなヘビーな使い方でもストレスは皆無。モバイル性も高いので1台持っておけばどこでも携帯ゲームをプレーできる大きな利点がありますよ。

 画面サイズは4.5インチと控えめですが、その分ピクセル密度が非常に高く、解像度は1620×1080ドット。これが予想以上にキレイで驚きました。細かな文字やUIもクッキリと表示され、ゲーム中のキャラクターの表情や背景のディテールまでしっかり描写されます。

 しかも液晶は非常に明るく、日中の屋外でも視認性は良好。IPS液晶の発色もナチュラルで目に優しく、長時間のプレーでも疲れにくい印象です。

 「画面が小さいと見づらいのでは?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、実際に使ってみるとその逆で、“密度が濃いからこそ情報が詰まってる感じ”がありました。

  思い出してください、ニンテンドーDSやPSPをやっていたあの時期を。画面が小さいからこそ、その世界に入っていけるような気がしませんでしたか? デカい画面で超美麗ゲームを楽しむのもいいですが、昔ながらの小さい画面で、没入感たっぷりで楽しむのもいいものですよ。

 このサイズ感で操作性はどうなんだろう――そんな疑問は、すぐに吹き飛びます。ここだけは断言できます。AYANEO Pocket ACEには、左右のアナログスティック、ABXYボタン、L/Rトリガーやショルダーボタンなど、一般的なゲームパッドに求められる要素がすべて揃っており、操作に不自由さを感じることはありません。

 特にアナログスティックの操作感が秀逸で、軽すぎず重すぎず、滑らかな動きが快適。格闘ゲームやアクションRPGでも違和感なくプレーできました。ABXYボタンのクリック感も心地よく、押し心地がふわっとしすぎていないのが好印象です。

 また本体はたったの310gで軽いですし、持ち手部分の4つのカーブエッジにより、思わずずっと握っていたくなるグリップ感があります。誤解を恐れずにいえば、日本人ならみんな好きなゲームパッドですよ。

レトロやスマホゲームプレーするぐらいがちょうどいい

 Snapdragon G3x Gen2の性能は文句なしですが、やはり高負荷なゲームを長時間プレーしていると、本体がじんわりと熱を持ってくるのを感じます。

 使い方としては、この“レトロな見た目”に合わせて、2Dアクションやカジュアルインディー作品などをじっくり楽しむスタイルが一番しっくり来る気がします。

 価格帯は約8万5000円~10万円と、モバイルゲーミングデバイスの中でもやや高めの設定です。もちろんこのサイズに最新SoCや高解像度液晶、フル装備の操作系を詰め込んでいることを考えれば、納得できる値段ではありますが、「ちょっとゲームしたいだけ」の人にとっては割高に感じるかもしれません。

 とはいえ、端末は仕上げが丁寧で、質感や安定性にも安心感があります。長く使いたい人や、日常的に持ち歩きたい人にとっては、価格に見合う価値があると感じました。

コンパクトで、懐かしくて、新しい――思わず手放せなくなる一台です

 AYANEO Pocket ACEは、最初の見た目で「レトロゲーム機かな?」と思わせておいて、中身はとことん現代的。そんなギャップに惹かれて使いはじめたら、気づけば毎日持ち歩くようになっていました。

 Snapdragon G3x Gen2による快適な動作、4.5インチの高精細ディスプレー、そして小型ボディーにしっかり詰め込まれた操作系。このバランスの良さは、単に「スペックが高い」というだけでは語りきれません。とにかく「使いたくなる」んです。

 たしかに、長時間の高負荷プレーでは熱が気になる場面もありますし、価格も決して安いとは言えません。でも、質感の高さや完成度を考えれば、納得できる範囲。むしろ、「どうせ買うなら、毎日使いたくなる一台を選びたい」という人にはピッタリだと思います。

 最近はスペックだけを見てガジェットを選びがちですが、Pocket ACEはそれだけじゃない“手にする喜び”がある端末です。コンパクトな筐体で、カラーもかわいい。友達の前でつかっていたら、「なにそれ?」と驚かれること間違いなしです。

 コンパクトで、懐かしくて、新しい。AYANEO Pocket ACEは、そんな“ちぐはぐなのにしっくりくる”存在感で、モバイルゲーミングの新しい選択肢になってくれるはずです。

詳細なスペック

カラー: 
 
レトロパワー/シャドウダンスブラック/ライトブレードホワイト

CPU:
 Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2

OS:
 Android 13

ディスプレー
 4.5インチ IPS、3:2比、1620×1080ドット

容量(メモリー/ストレージ):
 12GB/256GB、16GB/1TB(レトロパワーのみ)

バッテリー
 6000mAh、40W PD急速充電対応

製品サイズ:
 約幅176×奥行82.5×高さ18.4mm

重さ:
 約310g

インターフェース
 USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)、イヤホンジャク、microSD 3.0スロット

通信機能:
 Wi‑Fi 7、Bluetooth 5.3

価格:
 レトロパワー:9万9980円
 シャドウダンスブラック、ライトブレードホワイト:8万4800円

見た目に騙された!レトロ風なのに中身は最新のポケットゲーム機