人気キャラクター「ちいかわ」のコミック本9冊を万引きし、インターネットで転売したとして、38歳の女性が窃盗の疑いで兵庫県警伊丹署に逮捕されたと神戸新聞NEXT(7月16日付)が、報じています。

販売価格にして約1万1千円相当の商品を盗み、それを転売して利益を得た疑いが持たれています。女性は「お金がなかった」とも供述しているようです。

万引きしただけでなく、さらに転売した事情がある場合、刑が重くなる可能性があります。その理由について解説します。

●窃盗罪の重さの判断基準

窃盗罪の場合、どの程度の被害が生じているのか、その被害が弁償され示談が成立しているのかが非常に重視されます。

このほかに、犯行の動機や計画性、行為態様の悪質性や前科の有無などが考慮され、「そもそも起訴されるのか」や、「起訴されたとして、どの程度の重さの罪になるのか」が決まります。

万引きは窃盗罪の中では比較的軽微な部類とされています。初犯であれば示談や被害弁償がなくても起訴猶予、2回目でも略式起訴などになることもあります。

●本件の場合

本件では、被害品のコミック本を転売した疑いが持たれているようです。このような事実が認定されたとして、量刑上は以下のような影響があると考えられます。

まず、最初から転売目的で万引きを行った場合、犯行の計画性や悪質性が高いという評価に結びつきやすくなります。

次に、自分個人だけで楽しむよりも、転売目的で万引きする方が、反復継続して犯行が行われる危険性が高く、被害の合計額も大きくなりやすいといえます。

その結果、重い評価が下される可能性が高いといえます。

さらに、仮に転売が複数回行われていて余罪があるようであれば、再逮捕や追起訴の可能性も出てくるため、さらに重く罰せられる可能性が出てきます。

このように、自らが楽しむ目的で窃盗を行う場合より、転売目的で窃盗を行う場合の方が、量刑上重く評価される可能性は高いといえます。

「ちいかわ」のコミック本を万引き 転売目的だったら罪は重くなるのか?