
Congratulations!の「s」は、お祝いの気持ちを強調するための大切なルール。これがないとネイティブには気持ちが伝わりません。英語の表現が豊かになる「s」の秘密とは? 翻訳家・伏木賢一氏の著書『「英語のなぜ?」がわかる本』(青春出版社)より、誰かに話したくなる英語雑学をお伝えしていきます。
なぜいつも「s」をつける?
英語は単数と複数の区別に厳密です。「おめでとう」や「ありがとう」などの言葉でも単数と複数の区別をつけるほどです。
例えば、Congratulations!という言葉。フォーマルな席でも日常のちょっとした良い出来事にも使える便利な「おめでとう!」という表現です。この言葉には、語尾にsがついています。つまり複数形ということ。単数のcongratulationは、数えられない名詞(不可算名詞)として、「祝い」や「祝賀」という意味です。なので、「おめでとう!」という気持ちを伝えたいときには、Congratulation!ではうまく意味が通じないのです。必ずsをつけて複数形で使います。
このsには、元の言葉の意味を強める働きがあり、「強意の複数」と呼ばれています。Congratulations!だけでなく、他にもThanksやMany thanks、Best regards(よろしくお願いします)などにもsがつきます。sをつけることで、おめでとうの意味合いを強めているのですが、それだけではありません。このsには「あふれんばかりのたくさんの祝福」という意味合いも込められています。
さまざまな「おめでとう」を表現できる「Congratulations」
さて、Congratulations!は、on〜とつなげて、さまざまな「おめでとう」を表現できます。
Congratulations on your graduation!(卒業おめでとう!)
Congrats on your promotion!(昇進おめでとう!)
Congratulations on your new baby!(出産おめでとう!)
などです。使ってみてください。
<Answer> Congratulations!のsは「強意の複数」で、「おめでとう」の意味合いを強める働きがある。加えて、「あふれんばかりのたくさんの祝福」が込められている。伏木 賢一 翻訳家

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