森山幹事長

 参議院議員選挙が20日、投開票が行われた。自民党はANNの出口予測では17議席減らして35議席、非改選と合わせても97議席の見込みだ。連立与党の公明党も6議席減らし、非改選と合わせて21議席となり、合わせても118議席で参議院の過半数「125」を割り込み見通しになっている。戦後初めて、衆参両院で「少数与党」となる状況について、自民党の森山裕幹事長が「説明不足もあった」「政策は間違っていない」などと述べた。

【映像】敗因について語る森山幹事長

―自公合わせて大きく議席を減らす見込みだ。

 森山幹事長 厳しい選挙だと全国を回りながら思っていたが、それ以上に厳しい結果だ。

給付金は有権者の心をあまり捉えず「ばらまき批判」もあった。

 森山幹事長 税でやるか給付でやるかの大きな違いは、困っておられる国民の皆さんに届く、時間との関係がある。給付の方が年内にお届けできるということで、ばらまきとかそういうことではなく、物価だけで困っておられる皆さんに1日でも早くお届けできる方法を選んだ。

―なぜこの有権者の心を捉えなかったのか。

 森山幹事長 評価をしてくださっている国民もおられたし、ばらまきだというご批判の声があったのも事実だが、全ての方が否定されるわけではなかった。

―自民の岩盤の支持層が流れて参政党などの保守政党が躍進しそうだ。受け止めを。

 森山幹事長 時代も非常に国際的になってきたし、外交にしても非常に各国との難しい課題もあるので、なかなか難しい。そういうことが少し反映をしている気がする。

―コメ政策は、安ければいいわけではないと発言していた。小泉農水大臣はコメが高すぎるとし、意見の食い違いも見えた。コメをめぐる一連の騒動の受け止めは。

 森山幹事長 意見の食い違いは全くない。コメの価格があれ以上高騰し続けるとすれば、輸入米が急激に増えたので、放置していると主食であるコメが国内で生産が厳しくなるという危機があったので、備蓄米を国民の皆さんに提供してきた。

―世間から自民党の人気ないと言われる中で、意外と支持率が堅調だったという時があった。そんな時に消費減税はしないと最終的に固めたが、何か油断というか、その方向でいけるという読みをしてしまったのではないか。

 森山幹事長 消費税が何に使われているのかが非常に大事。今でも国が行っている医療、年金、介護、子育ては極めて大事な政策だが、ここの予算も足りず赤字国債を発行して対応してきている。この制度は当時の民主党自民党公明党と一緒に税と社会保障の改革の中で決めた方向で、大事にしておかなくてはいけない。

―目標としていた50議席を大きく割り込みそうだ。今回の選挙の責任は誰にあると考えているか。

 森山幹事長 責任は(石破)総裁であり私であり、選挙に関係をしてきたみんなにある。

―この先についてはどう考えるか。

 森山幹事長 我々は比較第一党として、少数与党として国の運営を担っている。今、日本が置かれている状況をよく考えなくてはいけないし、物価の問題や社会保障の問題を含めて、またトランプ関税の問題、中東の問題を含めて、極めて大事な時だ。政権をお預かりしている与党としては、この責任はしっかり果たさなければいけない。

―勝敗ラインを50議席と明言していた中、総裁がそのまま続投する可能性もあるのか。

 森山幹事長 それは総裁がどうお考えになるかだ。今、政治空白が作れるのかということも1つある。また非常に大事な時期でもある。一番大事なことは、国政が停滞することがあってはならないし、経済状況も非常に難しい時にもある。いろいろなことを考えて判断をしていくことになる。

―森山幹事長自身の今後は。

 私は、総理とご相談をしたい。

―離れていった層をどう取り戻すのか。

 森山幹事長 今まで自民党が訴えてきた政策がどういう政策であったかということをよく国民の皆さんにも再度説明しなければいけない。今、日本という国が置かれている立場もご理解をいただかなければならない。そういう原点から始めなければいけない。

―難しい課題が山積しているから他の党が躍進したということだが、本来であれば難しい課題が山積しているからこそ与党に力を合わせてほしい、そういう結果になるというのがあるべき姿だと思うが、そうならなかった責任は何か。

 森山幹事長 我々としては政策の説明をもうちょっとしっかりやらなくてはいけないということは大きな反省だ。説明不足もあったと思う。政策は間違っていない。
(『ABEMA Prime』より)

自民・森山幹事長、議席大幅減に「説明不足もあった」「政策は間違っていない」 責任は「石破総裁であり私であり、選挙に関係をしてきたみんな」と進退語らず