
二度あることは三度ある?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Aリーグ・1位決定戦、チーム豊島 対 チーム稲葉が7月19日に放送された。チーム豊島がスコア4-0とリードして迎えた第5局、追い詰められた稲葉陽八段(36)が千日手をにおわせる手順を見せたことにチーム豊島・糸谷哲郎八段(36)が敏感に反応し、ハラハラ顔になる一幕があった。
同一局面が3回繰り返されることで成立する千日手。状況を打開すると自分が劣勢になることをお互いが強く感じた時ほど起きやすく、成立すれば指し直しになる。稲葉八段は第3局で豊島将之九段(35)と対戦した際、終盤に入ったところで千日手・指し直しに。さらに指し直し局でも序盤の駒組みから互いに譲れない局面が発生し、またも千日手で再指し直し局までもつれ込んでいた。
既に2度の千日手があっただけに、試合会場にも「また出るかも…」といった雰囲気が立ち込めていたのかもしれない。第5局、稲葉八段の先手、大石直嗣七段(35)の後手で始まった一局は相居飛車になった。30手を過ぎたあたりまでお互いが陣形を整える展開になったが、ここで稲葉八段がさらに様子を見るような一手を指した。
これに敏感に反応したのが、控室で見ていた同世代の糸谷八段だ。思わず「まさか千日手にしたいのか?稲葉…」とつぶやくと、横で聞いていた豊島九段も「うふふ。また千日手する?」とニッコリ。このやり取りを聞いたファンからも「またw」「稲葉よび」「1日に三千日手したら記録だろうな」といった笑いが起きていた。
なおこの試合3度目の千日手にはならず、対局は稲葉八段が125手で勝利を収めていた。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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