いまや全国1200を超える「道の駅」がありますが、東京やその近郊ではあまり見かけません。しかし、少しずつ増えてきました。今回は東京から気軽にアクセスできる首都圏道の駅を5か所紹介します。

「湘南」と「しょうなん」は別です

 神奈川県道の駅「湘南ちがさき」が茅ヶ崎市にオープンしました。今や全国1230か所(2025年7月現在)を数える道の駅ですが、神奈川県では今回が5件目、東京都に至っては未だ1か所のみです。もちろん全国で最も少ない2都県となっています。

 それでも、東京から気軽に行ける距離に、道の駅が少しずつ増えてきました。どのような場所があるのでしょうか。

道の駅「湘南ちがさき」

 2025年7月7日にオープンしたばかりの「湘南ちがさき」は、湘南エリアで初となる道の駅です。新湘南バイパス茅ヶ崎海岸IC」からほど近く、市民投票によって「湘南ちがさき」という名称が決定されました。

 1階にはお土産コーナーやテイクアウトショップ、屋外にはドッグランも併設されています。2階にはフードコートキッズスペースがあり、子ども連れやペット同伴でも過ごしやすい設計です。

 茅ヶ崎の姉妹都市であるハワイホノルルの雰囲気を取り入れた料理や内装も特徴で、海沿いドライブの休憩拠点となっています。

道の駅「しょうなん」

 「湘南」とは全く違う、千葉県にある道の駅です。手賀沼湖畔に位置し、常磐自動車道・柏ICから国道16号を千葉方面に進んだ場所にあります。所在地の柏市箕輪新田は、旧「沼南(しょうなん)町」です。

 2021年に新設された「てんと」、2022年にリニューアルされた「つばさ」の2つのゾーンに分かれており、「てんと」にはカフェや直売所、料理教室を行う加工体験室があります。直売所に本が並ぶなどユニークな取り組みも。

 「つばさ」はテラス席付きのレストラン棟で、すべての店舗が地元食材にこだわっているそうです。また、特徴的な三角屋根の「大屋根ひろば」ではイベントが行われ、芝生広場からは手賀沼の景色を楽しむことができるようです。

「東京都の道の駅」より東京都心に近い道の駅

道の駅八王子滝山」

 東京都内で唯一の道の駅である「八王子滝山」は、中央道八王子ICからもほど近い新滝山街道沿いに位置しています。

 周囲には豊かな自然が残り、戦国時代の滝山城跡公園も近く、往復約5時間の散策ツアーが企画されることもあります。

 地元の農家による新鮮野菜や手づくり総菜が豊富で、「地産地消」を体現するグルメスポットとしても知られています。

道の駅いちかわ」

 東京都心に“最も近い”道の駅とされるのが、千葉県市川市にある「いちかわ」です。外環道の千葉区間(三郷南―高谷)の開通にあわせ、その地上道路である国道298号沿いで2018年に開業しました。

 日本初だという「都市型道の駅」として設計されており、ショップ・レストラン・カフェ・ラウンジカルチャースペースに加え、防災機能まで備えた多目的施設となっています。地元FM局のサテライトスタジオも併設されているのも「都市型」かもしれません。

道の駅「べに花の郷おけがわ」

 2025年3月に埼玉県で21番目の道の駅として開業した「べに花の郷おけがわ」は、圏央道桶川北本IC近く、国道17号バイパス上尾道路」沿いにあります。

 江戸時代中山道の宿場町として栄えた歴史を活かした、和風デザインの建物が特徴です。当時の桶川宿の風情を再現した空間で、「食のテーマパーク」として全国から集まる食材を楽しめるコンセプトとなっています。

 物販・飲食スペースに加え、イベントやフリーマーケットが行われる広場も。かつて日本有数の生産量を誇った市のシンボル「紅花」色のライトアップも見どころです。災害時には防災拠点としての機能も担います。

なお、埼玉県内で最も東京に近い道の駅は、川口市国道298号沿いにある道の駅「川口・あんぎょう」です。

道の駅湘南ちがさきの外観(画像:湘南ちがさき)。