石破茂総理

 石破茂総理が21日に記者会見を行った。参議院議員選挙が20日に投開票が行われ、自民党は13議席減らし39議席を獲得、非改選分と合わせても101議席に留まることに。また公明党も計21議席となり、与党で122議席と過半数の「125」を割り込んだ。会見で石破総理は続投の意向を明言すると、参院選の敗因については「自由民主党として非常にエッジの利いた政策を提示することが難しい」と、野党から出たアクセントのついた政策に押されたという実感について言及した。質疑応答は以下のとおり。

【映像】苦戦を振り返る石破茂総理

―改めて続投の意向を示したが、期限を区切ることはあるのか。

 石破総理 いつまでと期限を考えているわけではない。アメリカの関税措置あるいは物価高への対応、自然災害への対応、戦後最も複雑で厳しい安全保障環境、このような喫緊の課題について解決の道筋をつける、全力で対応すると申し上げている。

―衆議院に続いて参議院でも少数与党になった。連立の枠組みを拡大する考えはあるか。

 石破総理 現時点では連立の枠組みを拡大する考えを持っているわけではない。ともに責任を持って優れた政策、方策を作り上げていける皆様方と真摯な議論を続けてまいりたい。

―石破総理は続投する考えを示したが、党の執行部も続投するのか。また、党役員人事や内閣改造は考えているか。

 石破総理 現時点において人事について考えを持っていない。また、党役員の任期もあり、そのことも念頭に置きながらよく考えて対応したい。

―党内から退陣を要求する声も出てきた場合には総裁を辞任するなどの考えはあるか。

 石破総理 党内にいろいろなご意見があるということは当然のこと。我が党は、そのようにして闊達な議論を行い、いろいろな意見を集約しながら党運営をしてきた。いろいろな機会を通じ、両院議員懇談会のような機会を設けて、あるいは国会議員のみならず地方の皆様方、地方組織の皆様方、お支えをいただいてる皆様、そういう方々のお声も丁寧に聞いていく。

―18年前、2007年の参院選自民党が惨敗した時、当時の安倍総理に対して辞めるべきだ、そうでないと自民党が終わると述べていた。この時の対応に比べて今回のご自身の判断は甘いのではないか。また今回の参院選の敗因について、1回の選挙で負けたのみならず昨年の衆院選、それから6月の東京都議選に続いて3回続けての敗北となる。自民党が有権者の支持を得られなくなっている現状について、要因はどのあたりにあると考えているか。

 石破総理 安倍総理・総裁の第一次政権の時のことだと思う。私自身、一字一句克明に覚えているわけではないが、その時に私が申し上げたのは、安倍総裁が続投するという表明をされたが、なぜ続投なさるのかについてお述べをいただき、国民の皆様方のご理解を得る必要があるだろうと申し上げた。

 なぜ自民党が支持を得られないかということについては、それはいろいろな要因があって、これだけが原因だということを特定することは極めて難しい。政治改革の問題、あるいは物価高に対する対応、あるいは外国人の方々に対する対応、それは多岐にわたって要因はある。また、多くの党が今回議席を得られた。自由民主党は幅広い国民政党であり、いろいろな方々のご意見、ご要望に耳を傾けるという政策を常に提示してきた。その時に、何かいくつかの分野に非常にアクセントを置いた政策を提示されると、そういう方々に対して自由民主党として非常にエッジの利いた政策を提示することが難しいということもあったのかもしれない。いずれにしても、その要因について、私が断定的に申し上げるのではなくて、党の中で本当に真剣に、真摯に早急に分析し、教訓を得てまいりたい。
(ABEMA NEWS)
 

石破茂総理、参院選の敗因「自由民主党として非常にエッジの利いた政策を提示することが難しい」野党からのアクセントのついた政策に苦戦と実感