JTBの調査によると、今年の夏は日並びのよさやボーナスアップなどを背景に、旅行意欲が堅調。「今年の夏はどこへ行こう?」とワクワクしている人も多いのではないでしょうか。とはいえ、定番の旅行先だけではつまらないもの。そこで今回は、世界32ヵ国でサイトを運営するオンライン旅行会社エクスペディアの調査結果をもとに、2025年夏の海外旅行先「人気上昇ランキング」トップ5を紹介します。

いま、密かに注目を集める“ホットな海外旅行先”は…

ウェザーニュースによると、7月末~8月前半には40℃級の酷暑が予想されており、この先も暑さが続く見込みです。こうしたなか、「暑さを忘れるほど、思いっきり遠出したい!」と考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか?

とはいえ、定期的に旅行に出かけている方などにとっては、「定番スポット」ばかりではついついマンネリ化。せっかく海外に行くのなら、新しい魅力に出会いたい……!

そこで今回は、エクスペディアが行った調査結果をもとに、「海外旅行先 人気上昇ランキング」を紹介します。

※ 昨年と今年の夏(7月~8月)の検索数を比較した伸び率でみたもの。エクスペディアにおける2024年7月1日8月31日の旅行検索数(検索期間:2024年1月1日4月27日)と、2025年7月1日8月31日の旅行検索数(検索期間:2025年1月1日4月27日)に基づく。

第5位:サンディエゴ(アメリカ) 

第5位にランクインしたのは「サンディエゴ」。サンディエゴはアメリカの最西端、カリフォルニア州にある都市で、カリフォルニア州のなかでも南端に位置し、メキシコとの国境に近いのが特徴。そのため、「オールドタウン」や「チカーノ・パーク」をはじめ、いまでもメキシコ文化が色濃く残ります。

食事もタコスやブリトーなど、本場のメキシコ料理が味わえるレストランが多数。ひき肉の代わりに魚がのった名物の「フィッシュタコス」は、サンディエゴのほぼすべての通りで味わうことができます。

また、サンディエゴのダウンタウンから車で5~10分ほど行ったところにある「バルボアパーク」は、全米一の巨大公園。東京ドーム104個分の広さのなかには、美術館や博物館、劇場、植物園動物園をといった15の文化施設を擁し、ついつい長居してしまうほど魅力的なスポットです。

第4位:ホイアンベトナム) 

第4位にランクインしたのは「ホイアン」。ホイアンベトナム中部に位置する港町で、北部にある首都ハノイからは飛行機で1時間半~2時間ほど。東京-広島間ほどの距離にあります。

ベトナム、中国、日本の建築様式が混ざり合った独特の街並みから、1999年ユネスコ世界文化遺産に登録。交易時代に中国人が建てた会館のなかに日本髪を結った彫刻が見られたり、ベトナム全土で祀られている天后聖母が見られたりと、ホイアンならではの建築が魅力的です。

また、ホイアンは毎月旧暦14日に開催される「ランタン祭り」が有名。家の内外にランタンが灯され、先祖への感謝と幸運を祈ります。

当日は伝統が落とされ、街を照らすのはランタンと月明かりだけ。その幻想的な雰囲気に魅了されること間違いなしです。

2025年の夏の開催日程は下記のとおりです。

7月8日

8月7日

9月5日

第3位は「リゾート地」として急成長するベトナムの都市

第3位:フーコック島(ベトナム) 

第3位にランクインしたのは、ベトナムの「フーコック島」。第4位のホイアンよりもさらに南下した南西部に位置し、首都ハノイからは約1,200kmと、東京-鹿児島間くらいの距離にあります。

ベトナム戦争時代には捕虜収容所が設置されるなど流刑地として使われていたこともありましたが、現在はエメラルド色の海が輝くビーチが魅力的な観光地となりました。

2019年には国内最大級のカジノ専用施設「CORONA」がオープンし、2021年には24時間営業の大型複合商業施設「グランドワールド」がオープンするなど続々とリゾートが進み、“眠らない島”として発展を遂げています。

そんなフーコック島ですが、2018年にオープンした「ホントムケーブルカー」は、全長7,900mと世界最長。約15分かけて、海水浴シュノーケリングなどが楽しめる小さな島「ホントム島」にアクセスできます。

港町のフーコック島では、イカやエビ、ニシンなど、海鮮グルメをぜひ味わって。ほかにも、「フォー」や「ブン」といった定番ベトナム料理も楽しむことができます。

第2位:ベルン(スイス

第2位にランクインしたのは、スイスの首都「ベルン」。面積は約51.6平方キロメートルと、東京都足立区とほぼ同じサイズの小規模な都市です。

石造りの特徴的な街並みは世界遺産に登録されており、中世ヨーロッパの歴史が色濃く残ります。

ヨーロッパ最長のアーケードは、全長6kmを超えるのだとか。アインシュタイン相対性理論を執筆した「アインシュタイン・ハウス」や国内でもっとも高い塔がある「ベルン大聖堂」も、このアーケードを辿って効率よく観光することができます。

ベルンの名物は、牛肉やソーセージ、ハムなどを煮込んだ「ベルナープラッテ」と、じゃがいもの細切りをバターでカリカリに焼き上げた「レシュティ」。ベルナープラッテはゆでたじゃがいもやインゲンが添えられるのが一般的で、1品でボリューム満点の郷土料理です。

第1位は、ダイナミックな自然と野生動物に触れあえる「島」

第1位:スマトラ島

第1位に輝いたのは、インドネシア西部にある「スマトラ島」。インドネシアは1万を超える大小さまざまな島からなる国ですが、スマトラ島の面積は北海道の約2倍。国内第2位、世界第6位の広さを有しています。

スマトラ島の魅力は、なんといっても豊かな自然。巨大噴火によって形成された世界最大のカルデラ湖「トパ湖」や、「クラカタウ火山」など、スマトラ島ならではのダイナミックな規模感で、目いっぱい自然と触れ合うことができます。

また、島内に複数ある国立公園では、絶滅危惧種スマトラトラやスマトラオランウータンなど、多くの野生動物に出会うことができます。

スマトラ島のグルメでおすすめなのが、「パダン料理」。唐辛子ココナッツミルクがふんだんに使用された濃厚な味付けが特徴で、テーブルいっぱいに並べられた料理を好きなだけ食べ、手をつけた料理の分だけ料金が発生する独特の文化です。

【早見表】海外旅行先人気上昇ランキング

以上、トップ5を見てきました。

1位の「スマトラ島」、3位「フーコック島」4位「ホイアン」と、東南アジアが上位にランクイン。親しみやすさと異国情緒が共存した東南アジアに惹かれている人が多いのかもしれませんね。

今年の夏は定番の国から離れ、一風変わった旅行先を選んでみるのはいかがでしょうか。  

(※画像はイメージです/PIXTA)