【元記事をASCII.jpで読む】

 アップルとT-moneyは7月21日(現地時間)、Apple Payが「T-money」に対応したと発表した。これにより、iPhoneやApple Watchで韓国の公共交通機関が利用できるようになった。ユーザーはAppleウォレットにT-moneyカードを追加するだけで、韓国全域の地下鉄やバスなどで、デバイスをかざすだけで乗車できる。

iPhoneをかざすだけで韓国の交通機関がキャッシュレスに

 本サービスは、Appleウォレットに交通カードとしてT-moneyを追加することで利用できる。物理的なカードを持ち歩く必要がなくなり、iPhoneやApple Watchだけで手軽に移動が可能になる。特に「エクスプレスモード」に対応しているため、画面のロック解除やデバイスを起動させる必要もなく、決済端末にデバイスをかざすだけで改札を通過できる。また、iPhoneのバッテリーが充電を必要とする状況でも、予備電力機能により一定時間は交通機関の利用が可能だ。

 本機能の利用には、iOS 17.2以降を搭載したiPhone XsおよびiPhone Xr以降のモデル、またはwatchOS 10.2以降を搭載したApple Watch Series 6およびApple Watch SE(第2世代)以降のモデルが必要となる。なお、Appleウォレットに追加できるのは、プリペイド式のT-moneyカードのみだ。

 チャージはAppleウォレットアプリ内でApple Payを通じて直接おこなえるほか、iOS向けの「モバイルT-money」アプリからも可能。また、残高が設定した金額を下回ると自動でチャージされる「オートチャージ機能」も導入された。チャージされる金額や、オートチャージが実行される残高の基準は、Appleウォレット内でいつでも設定・変更できるため、残高不足を心配することなくスムーズな移動が実現する。

 ただし、Appleウォレット経由でチャージやオートチャージ設定をするには、韓国で発行されたクレジットカードまたはデビットカードが必要となる。

 プライバシーとセキュリティも考慮されており、Apple PayのT-moneyにはiPhoneとApple Watchに標準搭載されている保護機能が適用される。Appleがユーザーの決済履歴や移動履歴を追跡することはなく、カード情報は暗号化された上で、デバイス内のセキュアエレメントに安全に保存されるという。万が一デバイスを紛失した場合でも、「探す」機能を使えば遠隔でデバイスをロックし、位置を特定できる。

 AppleのApple PayおよびAppleウォレット担当バイスプレジデントであるジェニファー・ベイリー氏は、「通勤・通学であれ、新たな場所の散策であれ、公共交通機関は日常の重要な一部です。AppleウォレットにT-moneyが加わることで、よりシームレスな乗車体験を提供できることを大変うれしく思います。この新機能により、iPhoneやApple Watchをかざすだけで、韓国全域の優れた公共交通システムを簡単かつ安全に利用できるようになります」と述べている。

ついにiPhone/Apple Watch、韓国の交通系IC「Tmoney」に対応