
空いてる電車に自動で乗って商品をお届け。地下鉄のネットワークを活用し、駅から駅へと商品を運ぶ、史上初の物流ロボットがSNSで話題だ。
この自律型ロボットのお仕事は、ハイテク化が加速する中国・深セン市の地下鉄で、人が混まない時間帯に、駅構内のセブンイレブンまで商品を届けることだ。
中国の物流企業が運用するこのロボットは、高さおよそ1mほど。その目的は駅内店舗の課題である物流問題を少しでも軽減すること。
ひとりでエレベーターや地下鉄を乗り降りし、届けた後は、また自動で帰ってくるその姿は、「ロボかわいい」「良い方法!」と、地下鉄利用者から温かい目で見守られている。
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史上初!地下鉄を活用して物流の課題に挑むロボット
中国の深セン市の地下鉄では2025年7月14日より、自律型の配送ロボットが、地下鉄を使って駅構内のセブンイレブンの在庫補充のお手伝いを始めている。
このようにロボットが、公共の地下鉄で自律的に配達する試みは史上初になるという。
その目的は、地下鉄駅構内の店で働くスタッフが長年苦労している物流問題を少しでも軽くすること。
実は、深センの地下鉄駅にあるセブンイレブンの店舗は100以上もある。
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各店に在庫を供給するのに費やされるスタッフの労力は相当なものになるため、ロボットに手伝ってもらおうというわけだ。
ロボットの高さは1mほど。届ける品はボディの中に収納する。

行き先の地下鉄駅を指定すると、自動的に電車に乗り、地下鉄駅内の店舗まで商品を届ける。

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帰りもまた自動で戻るよう設計されていて、エレベーターにも乗ることができるそう。
ラッシュ時を避けてスタッフの配達業務を緩和
なるほど高さは子どもぐらいだし、丸っこくて愛嬌もある。だが荷物を運ぶだけあって、幅も奥行きもかなりある。
こんな冷蔵庫並のロボットが、朝のラッシュ時に乗り込んできたら確実にひと悶着あるだろう。
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と思いきや、ロボットが電車に乗るのは人がまばらな時間帯だけ。混雑時を避け空いてる時に行うんだそう。
なので、すでに満員のところに無理やり乗り込み、人間の不興を買うようなマネはしないらしい。

あるセブンイレブンの店長によると、このロボットの登場で、人間が手作業で行っていた配達業務がとても簡単になったという。
これまでは配達スタッフが商品を積んだ車を路上で一時駐車して、商品を降ろし、地下鉄駅まで運ぶ手間がありました。今はずっと楽になり、はるかに簡単なうえにとても便利になりました
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初日に乗客の視線集中!ロボットの特別設計も公表
初日の7月14日、ボディの中にセブンイレブンの商品をたっぷり積まれ、記念すべき初出勤で地下鉄に乗り込んだロボットは、乗客の注目を一挙に集めた。

駅で見かけた人も立ち止まって写真を撮るほどだったそう。
その様子はXでもすぐ話題になり、このロボットが、AIで最適なルートを計画し、人がまばらな時の移動経路を予測しながら自律的に走行する、と説明するメディアもあった。
For the first time ever, a robot is autonomously using a public subway to make deliveries! Yesterday this adorable robot just completed its first test run on the Shenzhen Metro, fully loaded with goodies for 7-Eleven stores.
— Shenzhen Daily (@szdaily1) July 15, 2025[https://twitter.com/szdaily1/status/1944945090218332514?ref_src=twsrc%5Etfw]
Using AI to plan the best route and travel during… pic.twitter.com/uA1zxwUBr3[https://t.co/uA1zxwUBr3]
ちなみに配送ロボットの運用企業は、中国の大手不動産会社、万科企業の子会社であるVXロジスティクスで、同社は同型のロボット41台を所有しているそう。
また深センの地下鉄を運営する深圳市地鉄集団は、万科企業の筆頭株主だそう。つまりこのロボットは深セン地下鉄公認の配送マシンみたいなものかも。
VXロジスティクスの社員で、この自動化部門の責任者であるホウ・シャンジエ氏はこう語る。
これらのロボットは、独自のシャーシシステムを備えており、すき間を通ってエレベーターや車両に乗り入れるよう特別設計されています。実世界でのパフォーマンスをもとに、今後も改良を重ねていく予定です
「かわいい!」「今後が楽しみ」「良い方法」の声
世界的にも有名な深センのハイテクぶりがうかがえるこのプロジェクトは、たちどころにSNSで拡散。
視聴ユーザーからはこんな声が上がっていた。
公共交通機関にロボットがいる風景はいずれ見るだろうとは思ってた。ただその理由が物流の問題緩和で、コンビニ用の配送ロボットになるとは予想外だわ。
うまくいけば、地上で駐車する配送トラックが招きがちな渋滞緩和や、空いてる車両の有効活用、人間の労力軽減が一度にできるのかも。
ロボットの値段や維持にかかるコストなんかはわからないけど、地下鉄の乗り降りだけならロボットの仕事的にも簡単そうだし、こういう活用方法いいんじゃないかな?
References: Timesofindia.indiatimes.com[https://timesofindia.indiatimes.com/world/china/designed-to-ride-elevators-board-trains-china-deploys-robots-on-trains-for-delivery-stores-stocked-without-staff/articleshow/122501184.cms] / Interestingengineering[https://interestingengineering.com/innovation/subway-penguin-style-delivery-robots]
本記事は、海外の記事を参考に、日本の読者向けに重要な情報を翻訳・再構成しています。

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