
販売期間を3年間延長
メルセデス・ベンツは、現行の小型ハッチバック『Aクラス』の生産を少なくとも2028年まで継続する方針だ。
【画像】まだまだ人気! プレミアムなコンパクトハッチバック【メルセデス・ベンツAクラスを詳しく見る】 全52枚
同社CEOのオラ・ケレニウス氏はこれまで、Aクラスと小型ミニバン『Bクラス』の生産を2025年末に終了すると繰り返し表明していたが、方針を転換した。現行のMFAプラットフォームを引き続き使用し、改良を加えながら販売することになる。
メルセデス・ベンツは当初、コンパクトカーの販売戦略において、新しいMMAプラットフォームをベースにした4つのモデル(CLA、CLAシューティングブレーク、GLA、GLB)からなるラインナップ展開を掲げていた。これらのモデルはすべて、エンジン車とEVの両パワートレインが用意される予定だった。
しかし、関係者によると、この4車種を補完する形でAクラスの改良型が販売される予定で、生産期間は最大3年間延長される見込みだという。
この決定は、2018年発売の現行型Aクラスに対する継続的な需要と、新型EVの導入が予想より遅れていることが要因とみられている。
Aクラス・セダンの生産は今年初めに終了した。ハッチバックの生産は、2026年末に導入されるユーロ7排出ガス規制導入後も継続される見込みだが、既存のガソリンエンジンとディーゼルエンジンが新基準に適合するかどうかは不明だ。
高性能モデルのAMG A 35およびA 45は、M139 2.0Lターボエンジンがユーロ7に対応していないため、販売中止になると予想されている。ただし、その具体的な時期は現時点では不明だ。
ハンガリー工場で生産か
現在Aクラスの生産が行われているドイツのラシュタット工場は、新型CLAおよびCLAシューティングブレークの生産に切り替えられる。そのため、Aクラスはハンガリーのケチケメート工場に移管される見通しだ。
Bクラスの先行きは依然として不透明だが、当初の計画通り、2025年末に生産を終了するとみられている。
Aクラスはモデルサイクル延長が決まったようだが、メルセデス・ベンツは引き続きコンパクトカーのラインナップ再編を進める。
CLAの発売に続き、CLAシューティングブレークが年内に欧州で発売される予定だ。現行のEQBは2025年末までに生産終了となり、新世代のGLBに統合され、2026年からハンガリーで生産開始予定だ。GLAも現行のエンジン車とEV(EQA)を統合し、2026年末にフルモデルチェンジを行う。
Aクラスのプラットフォームを新しいMMAに切り替える計画は確認されていない。しかし、生産期間の延長は、電動化や高収益のラグジュアリーセグメントへの移行が進む中、コンパクトカーの必要性を反映している。
2019年、メルセデス・ベンツのコンパクトカーのグローバル販売台数は66万7000台でピークに達した。2024年には、その数字は53万4800台にまで減少した。
メルセデス・ベンツはAUTOCARへの声明で、次のように述べている。
「Aクラスは引き続きお客様からの人気が高く、現在、ライフサイクルの真っ只中にあります。最近、このシリーズは大規模なフェイスリフトにより更新・改良され、さらに魅力的なクルマとなりました。生産終了の日程やラインナップに関する決定については、コメントは差し控えさせていただきます」
■EVの記事
廃止は延期 メルセデス・ベンツ『Aクラス』 小型車人気のため2028年まで販売継続へ
吉利汽車のロータス運営は「失敗」 中国の経営陣に責任がある 英国記者の視点
BYD ベントレーと競合、高級車ブランド『ヤンワン(仰望)』 欧州導入決定
電動化のメリット確信 レンジローバー・エレクトリック 試作車(2) 圧巻の走破性が生む頼もしさ

コメント