セミやカブトムシバッタ…自然の中で虫を追いかけることは、子どもたちにとって夏の楽しみのひとつだ。

しかし最近では「ルール違反」や「採りすぎ」が問題視されるようになってきた。都内では、セミの幼虫を採らないよう呼びかける看板が設置され、SNSでも注目を集めている。

「虫取り」で気をつけるべき点について、東京都の担当者に聞いた。

⚫︎セミの幼虫、採らないで 都内公園に異例の看板

話題となったのは、江東区にある猿江恩賜公園に設置された看板だ。「セミの幼虫を採取しないでください。子供たちがセミを楽しみにしています」というもの。

SNS上では「食用ではないか」という反応もあったが、東京都・公園緑地部の担当者は「食用について明確な禁止ルールは設けていませんが、一般的な公園利用の範囲内とは考えておりません」と説明する。

直接的に禁止とはしていないが、「常識的にやめてほしい」というのが実情だ。

⚫︎虫取りはOK、でも"節度"が必要、商用や大量捕獲はNG

都内の多くの公園では、子どもたちが昆虫を少しだけ捕まえることは「一般的な利用」として認められている。

一方で、都の担当者は「大量に捕獲したり、金銭目的で販売したりするような行為は認められません」と強調する。

虫取りは、あくまで自然とふれあう遊びの一環であり、担当者は「節度をもって楽しんでほしい」と呼びかけている。

⚫︎絶滅危惧種外来生物の捕獲には注意、知らずに違反となる可能性も

さらに注意が必要なのが、捕まえる昆虫の種類だ。中には法令で捕獲が禁じられている生物もいる。

都の担当者は「『絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律』や『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律』などにより、特定の生物の捕獲や運搬が禁じられていることがあります」と説明する。

知らずに捕まえた昆虫が規制対象だった場合、思わぬ法令違反となるおそれもある。担当者は 「不安がある場合は、各法律の所管や、公園のサービスセンターなどに事前に問い合わせてほしい」と話している。

食用?セミの幼虫は「採らないで」都内公園に"異例"の看板、東京都の担当者に「虫取りのルール」聞く