アスレティック・ビルバオアトレティコ・マドリードによる、オサスナに所属する右サイドバック(SB)ヘスス・アレソの争奪戦は前者に軍配が上がると、後者はアルメリアに所属する右SBマルク・プビルの獲得を実現させた。

 22日、今夏の移籍市場における“注目株”を巡る争奪戦に決着が付いた。かねてより、アスレティック・ビルバオアトレティコ・マドリードがヘスス・アレソの獲得に乗り出していることが伝えられていたなか、“ロスレオネス”がオサスナとの移籍交渉を制したのだ。スペイン紙『マルカ』によると、両クラブは契約解除条項の発動こそ見送ったものの、設定されていた解除金と同額の1200万ユーロ(約21億円)で合意に至ったとのこと。まさに、「友好的な合意」だと締めくくっている。

 そんなアレソは2031年夏までの6年契約にサインし、Bチームに在籍した2021年夏以来4年ぶりの古巣復帰に。当時はトップチーム昇格を果たせなかったものの、完全移籍加入したオサスナでリーグ屈指のサイドバックへと成長。昨シーズンは公式戦40試合に出場したほか、2023-24シーズンにはヘタフェ戦で決めたスーペルゴラッソが年間最優秀ゴール賞を受賞していた。なお同紙は、この26歳のアスレティック・ビルバオプレーしたい、という強い意志が交渉を加速させたと指摘。エルネスト・バルベルデ監督が率いるチームにおいて、現役を引退した元主将オスカル・デ・マルコスの後継をアンドニ・ゴロサベルと争う存在として期待を寄せられている。

 一方のアトレティコ・マドリードだが、同日にアルメリアからマルク・プビルを完全移籍で獲得したことを発表(正式契約はメディカルチェック通過後)。2030年夏までの5年間を締結した22歳は、レバンテのカンテラ出身でトップチーム昇格を果たした後、2023年夏にアルメリア加入すると、パリオリンピックU-23スペイン代表の金メダルに貢献したことで一躍評価を高めた。結局、アルメリアに残留した昨シーズンはセグンダでのプレーとなったが、今夏もバルセロナミランといったクラブからの関心が届いており、なかでもウルヴァーハンプトンが獲得に近づいていた段階だったとのことだ。

 そうしたなかで、アレソ争奪戦に敗れたアトレティコ・マドリードは、カルロス・ブセロGD(ゼネラルディレクター)が率いる強化部の迅速な交渉により“横取り”に成功。ロヒブランコスは、移籍金1600万ユーロ(約28億円)に加え、最大400万ユーロ(約6億9000万円)のボーナスと、将来的な売却条項(15パーセント)付帯でアルメリアと合意に至った、と『マルカ』が伝えている。

 新シーズンは、両クラブともにラ・リーガチャンピオンズリーグを同時並行で戦うことになるが、同じ日に移籍を完了させたスペイン注目の右サイドバックの2名は、それぞれどのような活躍を見せてくれるのだろうか。

ビルバオに加入するアレソ(左)とアトレティコに加入するプビル(右) [写真]=Getty Images