原菜乃華が主人公の声を務めた「不思議の国でアリスと Dive in Wonderland」の完成披露試写会が7月22日、東京・有楽町丸の内ピカデリーで行われ、原、マイカ・ピュ、間宮祥太朗、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、山本高広ら声優陣と篠原俊哉監督が出席した。

【フォトギャラリー】原菜乃華主演「不思議の国でアリスと Dive in Wonderland」完成披露試写会の模様

本作は、ルイス・キャロルが生み出した名作「不思議の国のアリス」を日本で初めて劇場アニメーション化した作品。世界中で愛される原作をベースに、なかなかうまくいかない日常に悩む不器用な女の子りせの視点で描く"新たなアリス"の物語。原作の世界観を大切にしつつ、現代を生きるりせが不思議の国に迷い込むというオリジナル設定で描かれる。スタッフは、監督に「色づく世界の明日から」「白い砂のアクアトープ」の篠原、脚本に「薬屋のひとりごと」「アオのハコ」の柿原優子、コンセプトデザインを「ファイナルファンタジー」シリーズの新井清志、アニメーション制作を「SHIROBAKO」「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」などで知られるP.A.WORKSが手掛ける。主題歌は、SEKAI NO OWARIが新曲「図鑑」を提供している。

映画に登場するキャラクターたちに命を吹き込んだのは、主人公りせ役の原のほか、りせと一緒に様々な出会いをしながら旅をするアリス役をマイカ・ピュ、さらに山本耕史八嶋智人、小杉、山口勝平森川智之、山本、松岡茉優、間宮、戸田恵子といった豪華声優陣が脇を固めている。

完成した映画について原は、「初めて完成した映像を観た時、ワンダーランドの世界がとても綺麗で迫力もあって、SEKAI NO OWARIさんの主題歌も素晴らしく、これはぜひ劇場で観ていただきたいと思いました」と手応えを語った。りせをワンダーランドへ誘う執事の浦井役を演じた間宮は、「アリスが主人公じゃないという設定にまず驚きました。台本を読みながら、どう映像になるのか想像できないまま声を入れていたので、完成版を見てこうなるんだ!と感動しました」と素直な心境を明かした。小杉は「現代パートとファンタジーの世界が絶妙に繋がっていて、自分の生活と照らし合わせながら観られる作品。見終わった後"プライベートヒーハー"も出なかったです(笑)」と会場を沸かせると、山本も「自分は"プライベートキター!"がありました」と応じ、「今回はゲストではなく"声優枠"で参加できて光栄でした。こうやって声優として舞台挨拶に登壇するのは初めてになります。皆さんと感動を一緒に味わいたいです」と喜んだ。

自身が演じたキャラクターとの共通点を問われた小杉は、「見た目だけで選ばれた気がします(笑)。というのも、実はこの作品に出演が決まる前から、ずっと周囲にハンプティ・ダンプティみたいって言われてて、毎回誰がハンプティ・ダンプティやねん!ってツッコんでたんですよ。でも、もう実際にやっちゃいましたからね(笑)。これからは俺、ハンプティ・ダンプティやねん!って言わなあかんくなってしまいました」と語り、会場が爆笑に包まれたが、「もちろん、制作の方の思うハンプティ像を僕なりに体現して、それでOKですって言ってもらってますから!」と、その仕事ぶりをアピールした。

本作の印象的なシーンの質問が飛ぶと、原は「自分の気持ちを吐露するラップシーンがあるんですが、人生初ラップだったので緊張しました」と明かしたが、篠原監督は「一発でOKでした。新しい才能を見た気がしました」と太鼓判。マイカは「ハートの女王様に挨拶するシーンで、ワンダーランドで一番上の人に会うということで、普段より"お嬢様っぽく声を出す"という演出に苦戦しました」と語ったが、篠原監督は「本人が言うほど違和感はなかったです。とても素敵でした」と褒め称えた。

また、ファンへのメッセージを求められた篠原監督は、「僕もこの業界に入って40年以上になりますが、つくづく正解のない仕事だと感じます。それは、この仕事に限らず、きっと多くの人の仕事や人生にも共通していることかもしれません。今回の主人公りせは、若くて、女性で、就職活動に悩んでいるという設定ですが、僕自身は若くもないし、女性でもなく、就活も大してしてこなかった。でも唯一共感できたのは、"正解を求め続けている"という部分でした。この映画には、正解そのものは描かれていませんが、もしかしたら正解にたどり着くためのヒントのようなものが見つかるかもしれません。そんなことを少しでも心に留めて観ていただけたら嬉しいです」と真摯に語り掛けた。

「不思議の国でアリスと Dive in Wonderland」は8月29日から全国公開。

写真左より、山本高広、小杉竜一、マイカ・ピュ、原菜乃華、間宮祥太朗、篠原俊哉監督 (C)「不思議の国でアリスと」製作委員会