
こんなところでナチュラルにうろつくロボに出くわすとは。アメリカの都市デトロイトに出没した、単身でスタスタ歩く人型ロボットと住民の動画が話題だ。
かつて自動車産業で栄えたミシガン州デトロイトは2013年、アメリカ史上最大規模の自治体破産を経験しており、治安が良くないことでも有名だ。
その一方で近未来のデトロイトを舞台とした大ヒットSF映画「ロボコップ」の影響で、ロボットを思い浮かべる人もいる。
話題の人型ロボット「ザイオン」の出没場所は、デトロイト市内でも特に物騒な地域だったが、食い入るように眺める通行人や、車を止めるドライバーも続出。
ときには小走りで人に向かって握手を求めるザイオンに「信じられない」「リアルロボコップ!」など、興奮冷めやらぬ声が相次いだ。
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デトロイトに出没した人型ロボットに住民仰天
今回SNSで反響を呼んだのは、2025年7月初めミシガン州デトロイトに現れた人型ロボット「ザイオン(Zion)」と目撃者らのリアクションだ。
その現場、通称セブンマイル(7 Mile Rd.)の道路周辺は、犯罪多発地域にあたる。そこにヒューマノイドロボットがしれっと歩いていることに誰もが驚いた。
小柄な人型ロボット「ザイオン」は、車のそばで手を振ったり、茫然と眺めてる人に駆け寄り握手をしたりとけっこうアクティブだったもよう。
見てると短い距離でも急に小走りになるなど、やや不自然な動きもあったり。
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と思えばいきなり走り去ってしまったり。

やっぱり動きが読めないというか、得体がしれない感があるけれど、自分もその場に居合わせたらポカンと眺め続けるだろうな。というかこの機体、見おぼえあると思ったらボクシングでも話題になったユニツリーみたいだな。
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「自分の目を疑った」映画「ロボコップ」を連想した人も
この地域で働くエディ・アブロさんは、まず自分の目を疑った。
この目が信じられなかった。テレビでは見たことあるけど、あんな風に歩いてるとこを直に見たのは初めてだった。見事なもんだよ
住民の1人、ミシェル・プライアーさんも通りにロボットが立つ異様な光景に、思わず車を停めて確認。「映画のロボコップを思い出したわ」と言っていた。

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アメリカで1987年公開されたバイオレンスSFアクション映画「ロボコップ[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%97]」は、凶悪犯罪が日常化した近未来のデトロイトを舞台に、サイボーグ警官が活躍するストーリーで世界的な大ヒットとなった。
そのためデトロイト、ロボットときたらロボコップを連想する人が多いのだ。

目的はロボットバトルイベントの宣伝
そんなデトロイトで人目を集めたザイオンだが、そこにはある目的があった。
実はこれ、2025年7月19日にデトロイト市内で開催されたロボットバトルイベント「ROBO WAR[https://robowar.com/]」の宣伝だったのだ。
A human-sized robot casually walking down 7 Mile Road in Detroit has captured viral attention online and stopped pedestrians in their tracks.
— WXYZ Detroit (@wxyzdetroit) July 5, 2025[https://twitter.com/wxyzdetroit/status/1941633218777677907?ref_src=twsrc%5Etfw]
Check out the story behind the robot here: https://t.co/3q4K6u0FYp[https://t.co/3q4K6u0FYp] pic.twitter.com/jn3bxYZQlP[https://t.co/jn3bxYZQlP]
ザイオンの所有者で、ROBO WARの創設者でもあるアート・カートライトさんは「ザイオンは無害なロボットです」と説明。
今回のびっくり企画は、ロボット技術の普及を目指すカートライトさんのアイデアで、住民に本物のロボットを直接見てもらい、興味を持った人をROBO WARに誘うねらいがあったそう。
(ROBO WARは)素晴らしいイベントです。家族で楽しめ、誰でも見に来られます
そのイベントの様子はYoutubeでも公開されている。
若者にロボットを学ぶ機会を提供
ロボット好きなカートライトさんは、デトロイトの若者に先進技術を学ぶ機会も提供している。
16歳のヤコビ・ウィルソンくんをはじめとするティーンエージャーにロボットの操作を教えたりしているのだ。
子どもたちの理解はとんでもなく早いです。リモコンを渡してやり方を教えるだけでロボット工学どころか、あらゆる側面まで学ぶんです
彼ら若者は年配の人々より新技術に信頼を置いてるように思えます (カートライトさん)

ロボットイベント会場向きのデトロイト
ザイオンを間近で見たプライアーさんも、次第に興味がわき、次回のROBO WARを観戦するつもりだ。
現在多様な産業で再生を目指すデトロイトではEV(電気自動車)のほか、ITやロボット産業も盛んだ。映画「ロボコップ」はアメリカでの初公開から38年経つが、その後もシリーズ化されリメイク版が上映されるなど根強い人気がある。
そんなこんなでアメリカでロボットのイメージが定着してるデトロイトは、今後増えそうなロボットがらみのイベントの場にもってこいなのかもしれないな。
References: Wxyz.com[https://www.wxyz.com/news/its-beautiful-human-sized-robot-strolling-down-detroits-7-mile-stuns-residents]
本記事は、海外メディアの記事を参考に、日本の読者に適した形で補足を加えて再編集しています。

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