
日本弁護士連合会(日弁連)は7月17日、サプリメント食品の製造・販売・品質管理・広告を統一的に規制する法律の制定を求める意見書を発表した。機能性表示食品による健康被害事例を受けサプリメント食品全般への包括的な規制強化の必要性を訴えている。
2024年3月に機能性表示食品のサプリメントによる健康被害が発覚したことを契機に、特定保健用食品や機能性表示食品には製造管理基準(GMP)の義務化が進んだ。しかし、それ以外の「健康食品」は規制の対象外となっており、日弁連は「合理的な区別とはいい難い」と指摘する。
●「外観では品質を判別できない」濃縮・抽出による危険性を警告意見書では、サプリメント食品の特有の問題として「1粒にしじみ約300個相当」といった濃縮により、過剰摂取や有害成分の濃縮リスクが高まることを挙げた。
日弁連は「錠剤、カプセル剤といったサプリメント形状であって、有害な成分が濃縮されている場合や、異物が混入している場合に、その外観等から気付くことは非常に困難」と消費者保護の観点から懸念を示している。
米国やEUでは既にサプリメントを法的に定義し、GMP基準の適合を義務化している。日弁連は「日本では統一した法規制は存在していない」として、営業許可制の導入、GMP基準の義務化、表示許可制、健康被害情報の提供・公表義務、誇大広告の禁止などを盛り込んだ新法の制定を提言。併せて、健康的な食生活等の健康維持・増進に関する知識を深めるための啓発活動の充実も求めた。

コメント