菅野美穂と赤楚衛二の主演で、背筋氏の人気小説を実写映画化した「近畿地方のある場所について」の特別予告(4種)が初公開された。

発行部数70万部突破した小説「近畿地方のある場所について」は2023年1月、Web小説サイト・カクヨム第1話が投稿されると、「これは本当に虚構のストーリー?」「それとも現実にあった出来事のドキュメンタリーなのか?」「その場所は実在するのではないか」などさまざまな反響がSNSで投稿され、小説の世界観に引き込まれた読者の間で熱を帯びた議論が巻き起こった。映画版は、「ノロイ」「貞子VS伽椰子」「サユリ」の白石晃士が監督を務め、さらに白石監督の大ファンであり、著作への影響も受けているという原作者・背筋氏が自ら脚本協力として参加している。

特別予告は"近畿地方のある場所"を導く手掛かりとなる内容。まずはオカルトライター・千紘(菅野美穂)の「私の友人が消息を断ちました」という衝撃の独白から始まる主題歌入りスポット映像(https://youtu.be/zjX71fVl464)から紹介しよう。

カメラを真正面から見据え、どこか虚ろな目で語り掛ける千紘。その感情の輪郭が掴めないまま、じわじわと不穏な空気だけが広がっていく。やがて、彼女と行動を共にする編集記者・小沢(赤楚衛二)の「近畿地方に何かありますね」という言葉をきっかけに、映像は一変。画面いっぱいに浮かび上がるのは、「身代わり」「味がしないのだ」「うちへきませんか、かきもありますよ」などの意味不明かつ不気味なテロップの数々。これらは"近畿地方のある場所"を指し示す鍵なのか? それとも─―。

次は、戦慄の映像(https://youtu.be/v1P--lWzfjw)だ。怪異に巻き込まれた大学生・目黒(のせりん)が、ある晩、自室のベランダに"赤い服の女"が立っているのを目撃。その異様な光景をスマホに記録していた映像の一片となっている。「僕の部屋のベランダに、女の人が立ってて…」と声を震わる目黒。そのすぐ後に、小沢(赤楚衛二)が「撮ったんですか!?」と食い気味に問いかける声が重なる。映像に映し出されるのは、暗がりのベランダにひっそりと佇む、真っ赤な服の女。室内を覗き込むように顔を近づけながら、ゆっくりと、まるで何かを確かめるように両手を持ち上げていく。赤い服の女の正体は? 彼女はそこで何をしていたのか? 目黒の息遣いや震える手元が映す手ブレ映像のリアルさに、思わず背筋が凍る一本となっている。

続いて、その名前だけで恐怖を呼び起こす「首吊り屋敷」への潜入映像(https://youtu.be/v_T8Y9PDQZw)。心霊スポットに突撃取材を繰り返す動画配信者の"凸劇ヒトバシラ"が訪れたその屋敷は、床に血のようなシミが点在し、無数に貼られた不可解なお札が壁を覆い尽くす、常軌を逸した空間だった。次第にパニック状態に陥り泣きじゃくるヒトバシラ。視線の先には、天井から大量の首吊り縄がぶら下がっていた。生配信のコメント欄には、緊張感に満ちた視聴者の声が次々と飛び交う。「やばいやばいやばい」「後ろに誰かいる」「あれは一体…」そして不意に現れる、不可解なある言葉――「ありがとうございます」。ヒトバシラが背後を振り返り絶叫した瞬間、映像は激しく乱れ、そこで途絶えてしまう。

最後は、どこか"平成の香り"が漂うテレビ番組風の映像(https://youtu.be/rmPG4HQiUbw)。女子高生の最新トレンドを追う内容らしく、制服姿の彼女たちがインタビューに答えている。最新の流行について尋ねられた彼女たちは、「不幸のメール」を紹介。懐かしいガラケーの画面には、「3人以上に送らなければ死ぬ」という、いわゆる悪質なチェーンメールの文面が映し出される。その中の一人の女子高生が、カメラに向かって元気よく「私が死ぬわけねーだろ!」と言い放つが――。その後、千紘が目にする調査資料には、その女子高生と思しき写真と共に「集団自殺」という忌まわしい文字が記されていた。

近畿地方のある場所について」は、8月8日から全国公開。

めちゃくちゃ怖い映像があります。どうぞ見てください (C) 2025「近畿地方のある場所について」製作委員会