
自民党内の“石破おろし”の風が吹き荒れる中、「ポスト石破」を巡る動きが激しくなっている。
「もう結果責任、これを考えれば即時の退陣が必要であるという声が大多数を占めた」(自民党・中曽根康隆青年局長)
「『総裁』『幹事長』、責任は誰がとるのか」「責任を明確化ということで辞任が一番わかりやすいかなという話」(自民党 神奈川県連・梅沢裕之幹事長)
「総大将がどう責任をとるかということが、国民に対して、政治というものはけじめをつけるものなのだと。政権を担ってきたその責任はしっかりと示すことが大事だと思う」(自民党・笹川博義農水副大臣)
今回の参議院選挙で大敗した自民党。衆参両院で過半数割れとなったにもかかわらず、続投の意向を示す石破総理に対し、党内から噴出する批判の声。
22日には、萩生田元政調会長や齋藤前経産大臣らが都内のホテルで会合し、「政権から下野すべき」との考えで一致。党幹部への申し入れも行われた。
また、自民党のある議員は「総裁選も1カ月使ってやればいい。それで新しいリーダーを選び出せばみんなの不満もないだろう」と述べている。
その総裁選の時期について、テレビ朝日政治部官邸キャップの千々岩森生氏は次のように分析する。
「自民党の総裁選は、石破総理が辞めればという前提になるが、8月下旬~9月にかけての時期とみている」(千々岩氏、以下同)
海外メディアも注目 “ポスト石破”の有力候補

イギリスのBBCは、石破総理の交代の可能性が高いとして、後任候補に高市早苗氏や小林鷹之氏、小泉進次郎氏らの名前を挙げている。
またロイター通信は、林芳正官房長官、加藤勝信財務大臣らも候補に挙げている。
「(ポスト石破には)3つのタイプが考えられる。まずは保守層を取り込める人。参政党と保守党に流れた自民党の保守層を、もう一度取り戻せるということ。2つ目は、自民候補の世代交代も含め、ガラッと雰囲気を変えられる人。そして3つ目は、野党と協力できる、もしくは協力しやすいタイプの人」
「保守層を取り込める人という意味では、例えば高市さん。もう一人は若手の小林鷹之さん。このあたりの名前が挙がっている」
自民党内からは「次の総裁は絶対に右寄りでなければならない。(保守票を)参政党に取られることが今回の選挙で明確になった。高市さんしかいない」との声や、「総裁選となれば林さんが手を挙げるだろう。だって他にいないだろ」との声も聞かれる。
さらに、他党から「高市さんとならやれる」との声も上がっている。
23日、自民党本部近くの議員宿舎には、高市氏に近い議員らが続々と集結。一方、小林鷹之氏も前回の総裁選で推薦人に名を連ねた議員らを集めて会合を開いた。
“石破おろし”が加速 中国はこの状況をどうみる?

石破総理の退陣が避けられそうにない状況を中国はどうみているのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターで中国が専門の高口康太氏は、次のように述べる。
「石破政権が誕生してから中国は一生懸命日本との関係を改善して、石破政権の閣僚ともパイプを作ってきた。その努力が水の泡になるかもというもったいなさはあると思う」
仮に、石破総理が退陣した場合、“次の総理”と中国がどう対峙するか、については。
「次の総理が靖国さえ参拝しなければ、中国としてはだいたいは付き合えると考えていると思う。ただ靖国に行ったら、中国としては“激怒ボタン”を押されたようなものなので、これは大変な問題になるのでは」
今回の参院選については、参政党の躍進に海外メディアも注目している。中国としても警戒はしているのか。
「今まで安定して続いてきた自民党の体制が変わるかもしれないという意味では、日本で大きな地殻変動が起きているという不安感はあると思う」
参政党は、法案に関して「どの党とも協力する」と言っているが、他党との連立や連携はこの先どうなるのか。千々岩氏は次の見解を示す。
「参政党は今回大きくなったので、とにかく党の安定化、それから新人の議員が多いので、いろいろな問題が出てくるかもしれないという緊張感を神谷代表は持っていると思う。まず、自分たちを安定させることが先だという考え方をしていると思う」
(『ABEMAヒルズ』より)

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