
<大相撲七月場所>◇十三日目◇25日◇愛知・名古屋 IGアリーナ
横綱・大の里(二所ノ関)が前頭十五枚目・琴勝峰(佐渡ヶ嶽)に上手投げで敗れ、まさかの4敗目を喫した。「横綱としてあるまじき行為」解説を務めた元小結・松鳳山があえて苦言を呈し、奮起を促した一番。勝負が決した直後、大の里が浮かべた“見たことのない”表情が話題を呼び「大丈夫?」「悔しそう」「これが横綱のプレッシャー」などファン騒然となる一幕があった。
前頭八枚目・一山本(放駒)と対戦した前日の取組では、引いて取り直しの末に薄氷の白星。辛勝したものの、元横綱・武蔵丸の武蔵川親方から「引いてばっかりでダメ」と指摘されるなどさまざまな反響を呼んでいた。
十三日目に対戦した琴勝峰は、今場所絶好調の平幕力士。幕内での対戦成績は大の里が2戦全勝だが、十両時代に2戦全敗している相手だ。やはり調子が振るわなかったのか、立ち合い当たって右を差した大の里は、下手を掴むが琴勝峰に左上手を取られてしまい、振り回されて土俵下へと投げ飛ばされた。まさかの黒星を喫した大の里は土俵下で愕然とした表情を浮かべ、悔しそうに眉をしかめていた。大の里はこれで4敗に後退、新横綱としての賜杯が厳しい状況となった。一方、初金星を獲得した琴勝峰は2敗を守って11勝目を挙げ、優勝争いのトップタイに立った。
取組を受け、ABEMAで解説を務めた元小結・松鳳山は「厳しく言っていいですか?」と前置きしつつ「横綱、何がしたいかわかんないですよね、これ。ただ単に差しにいきましたっていう。あまりにも中途半端すぎる。横綱としてはあるまじき行為…と思います、自分は。厳し目に言うなら…全然当たっていない。中途半端に右だけ差して、上手を簡単にとられて、動かされて負けてる。手が体の横にある。おっつけるなら、手は前にないとおっつけられない。中途半端すぎますね」と静かながら強い口調で、あえて新横綱に意見を述べ、奮起を促した。
まさかの黒星で愕然とした大の里の姿に、視聴者も「ええええ」「ガックリ」「悔しそう」「どうした、、」「メンタルか?」「これが横綱のプレッシャーよ」と騒然となっていた。
十三日目の全取組を終え、幕内優勝争いは2敗の前頭筆頭・安青錦(安治川)と琴勝峰がトップに並び、3敗で熱海富士、前頭十四枚目・草野(伊勢ヶ濱)が追いかける波乱の展開となった。(ABEMA/大相撲チャンネル)

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