
アメリカ・ミネソタ州レイクビルで、「狂犬病の可能性があるアライグマが町を歩き回っている」との通報が警察に寄せられた。そのアライグマはやたらと人にしがみついてくるのだという。
住民に危険が及ぶ可能性があるとして、警察官が現場へ急行するも、実際にそこにいたのは、通報とは真逆で、攻撃的な野生動物とはほど遠い存在だった。
とにかく人懐っこい子供のアライグマだったのだ。警察官のあとをついて回り、パトカーにまで乗ろうとするほどの甘えっぷりだった。
このアライグマは、誰かに飼いならされていた可能性もあるという。
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犬のように人懐っこいアライグマ、狂犬病と間違えられる
ミネソタ州のレイクビル警察署は、町内で「狂犬病っぽいアライグマがいる」との通報を受けた。通報内容は「やたら人にしがみつこうし、人の後を追いかけてくる」というもの。これが異常行動だと受け止められたのだ。
そこで警察官たちはただちに現場に向かった。
だが現地で警察官たちが実際に見たものは、ただただ人懐っこいアライグマの姿だった。
警察官が到着すると、そのアライグマはとにかくフレンドリーで、まるで犬のように人に甘えようとしていたのだ。
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そのアライグマはまだ若く、警察官に一緒に遊ぼうとまとわりつき、まったく警戒心を見せなかったという。
とにかく人間と一緒にいたかったようだ。

離れようとしてもついてくる。人に飼われていた可能性も
警察はこのアライグマが狂犬病に感染していないことを確認し、当初は、近くの公園へと移動させることを検討していたが、その計画は変更を余儀なくされる。
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アライグマが警察官の後をついてきて離れようとしないのだ。パトカーに乗ろうとすると、連れていけとドアにしがみつく。
ひとりぼっちになりたくない。人間のそばにいたいという気持ちが強いのだ。

これほどまでに人に懐いているということは、このアライグマは人間とともに暮らしていたか、小さなころから飼いならされていた可能性がある。
だがミネソタ州では、アライグマをペットとして飼うことは法律で禁止されている。
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アライグマは一旦保護施設に預け入れられる
このアライグマを放っておけないと判断した警察官たちは、適切な対応ができる野生動物保護施設へ連れていくことに決めた。
施設では今後、野生動物としての本来の行動を取り戻せるように、人間に対する警戒心を育てる訓練などが行われる予定だ。
警察官たちはこのアライグマに「ジェラルド」という愛称をつけた。
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このアライグマは今でも警察署内で話題になっていて、かかわった警察官たちは、甘えん坊で人懐っこいジェラルドのことが忘れられないという。
アライグマは成獣になると急に野生味を帯び、人を警戒するようになるとも言われている。ジェラルドが人間のことを忘れ、自然に帰れる日が来るといいね。
追記:(2025/07/26)本文を一部訂正しました。

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