TBS系日曜劇場『19番目のカルテ』(毎週日曜21:00~)で主人公の総合診療医・徳重晃を演じ、医師役に初挑戦している嵐の松本潤第1話放送後、患者に優しく寄り添う語り口や表情に、SNS上では「素敵」「癒やされる」といった声が相次いだ。松本はどのようなことを意識して徳重を演じているのか、本人に話を聞いた。

富士屋カツヒト氏による連載漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』を原作とするこのドラマは、医療における19番目の新領域である総合診療科を舞台にした新しいヒューマン医療エンターテインメント。松本潤演じる魚虎総合病院の総合診療医・徳重晃が、問診を通して病気を診るだけでなく、患者の心や生活背景などから最善を見つけ出し、生き方そのものにも手を差し伸べていく。

松本は事前に医療監修の生坂政臣先生に話を聞き、「総合診療は問診がポイントです」と教えてもらったことが特に印象に残っていると明かす。

「病院に行くと検査や診療をすることが多いと思いますが、総合診療は問診することで病気の診断を決めていくという話をされていて、自由診療の形でじっくり患者から話を聞き、その上で可能性を一つ一つ精査して診断を出すという話が非常に印象的でした」

対話を大事にし、「お話、聞かせてください」と優しく患者に話しかける徳重。松本は演じる際にゆっくりとしたテンポで話すように意識しているという。

「ドラマなので、普通の日常的な会話よりテンポを速くというのが染みついていますが、僕のせっかちな部分をおさえて、なるべくゆっくり話すことをすごく意識しました。ある程度馴染んでくると、そのリズムが自分の体にも馴染んでくるので、最近はそこまで意識せずにお芝居できているかなと思います」

○監督から「もっと優しい感じで」とリクエストも

第1話放送後、SNSでは「徳重先生の優しい笑顔いいなぁ」「笑顔がとても素敵です!!」「徳重先生の穏やかな笑顔にホッとする」「徳重先生の優しい声と穏やかな口調に癒やされる」「徳重先生の菩薩のような表情と柔らかい声にキュン」などと、患者に寄り添う松本の言葉や表情を絶賛する声が続出した。

松本自身、優しい微笑みを意識して演じていると語る。

「顔は変わらないので心持ちを変えようと思い、なるべくゆったり、なるべく柔らかく、そういうイメージを頭の中でするようにしています」

現場で監督から「もっと優しい感じで」とリクエストを受けたこともあったという。

「どうしたって目が強いので、真剣に問診していたり、患者さんと向き合っている時に、力が入ってしまう瞬間があったみたいで。画面に映った時の印象で、見え方について監督と話しました」

普段の笑顔以上に柔らかい表情で徳重を見事に表現しているが、松本自身も「このドラマならではの柔らかい空気は映像としては非常に表現できているのではないか」と手応えを口にしている。

○求められていないのにアドバイスすることは控えるように

松本自身も、周りに悩みを抱えている人がいたら、話をしっかり聞くことを心がけているという。

「僕はせっかちなので、人が悩んでいるという話を聞くと、すぐにそれをどうにか解決したいという脳が働いてしまうのですが、それをあまり人が求めていないということを経験上、学んできたので、なるべく『そうなんだ』と聞くように心がけています」

そして、求められていないのにアドバイスすることは控えるように。

「別に答えが欲しいわけではないんだなと。自分自身も、何か物事に対して悩んだり考えていたりする時に、口に出した言葉が自分の耳に戻ってきて、それで整理されることが多々あるので、求められたらアドバイスしますが、求められた以上のことは返さないようにしています」

一方で松本自身は「あまり人に相談することは私生活においてはない」と言い、「仕事については、一緒に作品を作っている人たちと共有して、今こう思っていると問題提起することはあります」と話していた。

松本潤
1983年8月30日生まれ、東京都出身。嵐のメンバーとして1999年「A・RA・SHI」でCDデビュー。俳優としては『花より男子』シリーズ、『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズなどに出演。2023年放送の大河ドラマ『どうする家康』で、大河ドラマ初出演にして初主演を務めた。

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(酒井青子)

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