TBS系日曜劇場『19番目のカルテ』(毎週日曜21:00~)で主人公の総合診療医・徳重晃を演じ、医師役に初挑戦している嵐の松本潤。主演を務めた2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』以来のドラマ出演となる松本にインタビューし、今の俳優業に対する思いや座長として心がけていることなどを聞いた。

富士屋カツヒト氏による連載漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』を原作とするこのドラマは、医療における19番目の新領域である総合診療科を舞台にした新しいヒューマン医療エンターテインメント。松本潤演じる魚虎総合病院の総合診療医・徳重晃が、問診を通して病気を診るだけでなく、患者の心や生活背景などから最善を見つけ出し、生き方そのものにも手を差し伸べていく。

2018年の『99.9-刑事専門弁護士- SEASONII』以来約7年ぶりに日曜劇場凱旋を果たした松本。大河ドラマ主演を経て、俳優としてどのような変化があったのだろうか。

「大河ドラマで1年5カ月間、1人の人物を演じたことによって、動じないメンタルは養えたのかなと思います。スタッフの方もそうですし、共演者も、あれだけ長い期間一緒にいることはなかったので、そういう意味ではすごくいい思い出になりました」

7年ぶりの日曜劇場については、「日曜劇場という意味では7年ぶりですが、『99.9』という意味では、4年前ぐらいまでやっていたので、そんなに空いた感じはしていません」と心境を明かす。

日曜劇場という枠の特別感は今回改めて感じたという。

「『日曜劇場に帰ってくる』と言って伝わる枠はあまりない気がするので、そういう意味で緊張感はありますが、とはいえ僕にできることには限りがあるので、自分がやるべきことをやるだけかなと思います」

○年齢と経験を重ねて作品作りに関する考え方が変化

1996年に芸能活動を始めてからまもなく30年。経験と年齢を重ねて、作品作りに関する考え方に変化があったと語る。

「昔は精魂込めてとか、時間かければかけるほどとか、思いを込めれば込めるほどみたいに思っていましたが、そういうわけでもないんだなと。いいものはいいし、悪いものは何をやっても悪いと思うようになりました」

そんな松本が今、最も重視しているのは「鮮度」だ。

「みんなプロなので当然、現場で何をやるべきか準備してくる。その準備したものをその場で広げて放置するのではなく、鮮度があるうちにやろうよと。お互い準備してないものを現場で悩んだって仕方ないわけで、食べ物もそうですが、鮮度があるうちにやった方がいいと思うので、みんなで持ち寄った上でその瞬間に生まれたものを大切にするべきなのではないかなと考えています」

大河ドラマと日曜劇場という代表的なドラマ枠の主演を務め、今後についてはどのように考えているのだろうか。

「あまり枠で物事を見ていないところがあって。誰と何をやって、何を届けるのか、そこにフォーカスしてやっていきたいと思います」

座長としては、「人を巻き込むこと」を意識しているという。

「会話も、自分と誰かだけでするというより、近くにいる人に話を振ったり、みんなで1つのことを話したり。芝居にしても、このシーンをどうするかという話を、周りの人たちが共有しやすいように、なるべくみんなに聞こえるように話したり。作品はみんなで作っていくものだと思うので、みんなでそうしやすい環境を作れたらというのは意識しています」

共演の小芝風花も、松本の座長姿を「兄貴肌」「ついていったら間違いないと思わせてくれる方」と信頼を寄せていたが、大河ドラマの主演として動じないメンタルを養った松本が、7年ぶりの日曜劇場で一段と頼もしく現場を引っ張っている。

松本潤
1983年8月30日生まれ、東京都出身。嵐のメンバーとして1999年「A・RA・SHI」でCDデビュー。俳優としては『花より男子』シリーズ、『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズなどに出演。2023年放送の大河ドラマ『どうする家康』で、大河ドラマ初出演にして初主演を務めた。

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(酒井青子)

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