
「猛暑であの家電の電気代が上がる!?」年間1,900円差は地味にデカい…節約のプロが教える“夏の冷蔵庫”節電テクニック、意外と電気を食う家電とは?の画像一覧
夏になると冷蔵庫の開け閉めに特に気を遣うと思います。しかしそもそも冷蔵庫を置く場所や冷蔵庫の側面にまで気を配ったことはありますか……?節約アドバイザーの和田由貴さんに、夏の冷蔵庫の節電テクニック、さらに意外と電気代がかかる見落としがちな家電について教えてもらいました。
冷蔵庫の電気代は部屋の温度によって電気代が変わる?
これだけ猛暑が長い期間続くと、気になるのは冷蔵庫の電気代。部屋の温度が高ければその分余計な電気代がかかっていそうです。
「実際に部屋の温度が高い時と低い時で比べてどれぐらい電気代が違うかというデータはないんです。ただ、冷蔵庫のメーカーさんや資源エネルギー庁は『直射日光が当たる場所など温度の高いところにはできるだけ冷蔵庫は置かないようにしてください』と推奨していますね。直射日光以外にもガスコンロのすぐ隣は避けたほうが良いとされています。
電気代が上がる要因としては、上に物を置くのも辞めたほうが良いですね。多くの冷蔵庫が両サイドと上部分から放熱しているのですが、その放熱を妨げることで余計な電気代はかかってしまいます。冷蔵庫によっては吹き出し口のようなものがついているものもありますが、そこも塞がない方が良いですね。側面からも放熱しているので、左右をぴったり壁にくっつけてしまうのも避けて、左右は2cm程度開けるようにしましょう。
正確には取扱説明書を読んでいただくと『設置するときにこれぐらい開けてください』と記載があります。1人暮らしの人が使うような小さい冷蔵庫だと放熱していない、電子レンジを乗せることができるものもありますから、自分の冷蔵庫がどうなのかを知ることが重要ですね」(和田さん)
筆者は冷蔵庫の上を全面塞ぐように荷物を置いてしまっていました……。
出典:省エネポータルサイト(資源エネルギー庁)
「資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、冷蔵庫を『上と両側が壁に接している場合』と『片側が壁に接している場合』との比較で、年間1,400円も電気代が違うと書かれています!結構変わるんですよ」(和田さん)
冷蔵庫の側面にマグネットでくっつく調理器具を設置していたりもするのですが、これも良くないのでしょうか……?
「ちょっとつけるぐらいだったらいいと思うんですけれど、びっしり塞いじゃうとか、チラシやお手紙類を埋め尽くすように貼り付けるのはあまり良くないかなと思います。チラシレベルでも何枚も貼り付けていると放熱が妨げられてしまいますから」(和田さん)
季節ごとに冷蔵庫の設定を変えると年間1,900円の節電に!?
冷蔵庫の中にスイッチがあり、冷やし方を強・中・弱で変えることができますが、これも変更した方が節電になるのでしょうか?
「はい。これも資源エネルギー庁の省エネポータルサイトを見ると、『設定温度を“強”から“中”に変えると、年間で、1,910円の節約になる』と記載があります。夏のすごく暑い時に“弱”にしていると食品が傷んでしまいますが、ぎゅうぎゅうに食品を詰め込んでない状態であれば、“中”でも十分冷えると思います。冬なら“弱”でも十分ですから、季節に合わせて変えていただくと節電になりますよ」(和田さん)
「ぎゅうぎゅうに食品を詰め込んでない状態であれば」とありましたが、どのくらいがぎゅうぎゅうで、どのくらいが適切な量なのでしょうか?
「量の目安としては7割くらいですね。ただ、量よりも1番良くないのは冷蔵庫の1番奥の部分にある冷気の吹き出し口を塞いでしまうこと。細い隙間みたいなところから、冷気がファンで送られていますが、そこを塞いでしまうと冷蔵庫内が十分に冷えなくなってしまいます。すると冷蔵庫は『冷えてないから、もっと冷気出さなきゃ』と稼働し、余計な電気代がかかってしまいます。
そのため全体的な量にゆとりがあっても、冷蔵庫の奥にびっしり物が入っているのは良くないですね。冷蔵庫を開けた時に、どこの棚からも奥の壁が目視できるぐらい通り道ができているのが理想です」(和田さん)
それでは冷凍庫は……?
「冷凍庫はたくさん物が入っている方がより節電になります。量はできるだけたくさん入っている方がいいですね。入れるものが少ない場合には保冷剤やペットボトルに水を入れたものを凍らせておくと良いですよ」(和田さん)
意外と電気を食う家電……築年数古め物件は注意!?
節電といえば、冷蔵庫やエアコンが気になってしまいがちですが、実は特に夏に見直したい“意外と電気を食う家電”があるそうです。
「白熱電球・蛍光灯の照明器具です。最近ではLEDのものが増えてきていますが、まだ白熱電球・蛍光灯を使っている方は見直すことをおすすめします。
LEDは省電力で節電というイメージが強いと思いますが、何より発熱量が少ないので熱くなりづらいです。一方で、熱電球や蛍光灯は部屋が暑くなってしまいます。電気をつけるだけで部屋が暑くなるということは、エアコンの節電的にも良くないですよね。そのため、夏は特にLED照明にした方が、部屋の温度も上がりにくいし節電にもなります」(和田さん)
冷蔵庫やエアコンの節電は十分にやっているけれど、さらに節電をしたい!という場合には照明器具がLEDかどうかをチェックすればまだ節約の伸びしろがあるかもしれません!
和田由貴さん
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。
文・撮影/松本果歩

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