●プロデューサー視点や感覚の鋭さを称賛「本当にすごい」
終活をテーマにした綾瀬はるか主演のNHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』(毎週土曜22:00~)。多くの人が直面する問題を描き、SNSで共感の声が続出している。本作の制作統括を務めている高城朝子氏にインタビューし、主演の綾瀬の魅力について話を聞いた。

カレー沢薫氏の笑って読める終活ギャグマンガ『ひとりでしにたい』を大森美香氏の脚本でドラマ化した本作。綾瀬はるか演じる、未婚で一人暮らしをしている主人公・山口鳴海を中心に、よりよく生きて、よりよく死ぬための準備について描いている。

ドラマでは、孤独死、熟年離婚、老後資金問題、介護など、多くの人が直面する問題を描いており、SNS上では「将来について気になることがあれもこれも詰め込まれていて共感しかない」「主人公の鳴海にふりかかる悩める問題に多々共感なり」「まだ経験したことないことを共感しながら見れて人生の参考になる」などと共感の声が多く上がっている。

重いテーマをコミカルに描き、エンタメとしても視聴者を魅了している本作。「重いテーマだけど、コミカルな演出で楽しくみれる」と話題で、「重いテーマも綾瀬はるかさんの演技で明るくなる」「重たいのにコミカル!綾瀬はるかがひたすらかわいい!」「さすが綾瀬はるかちゃん 重くなりそうな話も半分以上笑いながら見ている」と綾瀬を絶賛する声も多く見られる。

高城氏も綾瀬について「本当にすごいです」と絶賛し、プロデューサー視点を持っていると語る。

「作品を俯瞰で見ることができる方で、自分がどうこうではなく、作品をどういう風に見てもらいたいかという、プロデューサーの発想なんです」

本作の記者会見で理想の最期を聞かれた綾瀬は「『あ~楽しかった! アハハ』って笑っていたら最高ですよね。笑っていたらいいなと思います」と話していたが、高城氏は「それってまさにドラマのテーマにしたかったことで、そういうことをポンと言える方なんです」と語る。

制作発表時の綾瀬のコメント「『ひとりでしにたい』というタイトルは自分らしくありたいという思いを感じました」からも感覚の鋭さに驚かされたという。

「『ひとりでしにたい』という言葉を『自分らしくありたい』と変換するセンスも素晴らしいですし、お人柄も表れていると思いました」

●「オーバーな表現も綾瀬さんだから違和感なく、ありなんです」
また、重いテーマながら原作を楽しめた理由について、綾瀬は「鳴海が悩んだり、喜んだり、目から血を出したり、百面相をしているから楽しく漫画を見られた」と分析し、「ドラマも楽しく見てもらうために、ああいう顔をしたい」と話していたという。

「『目から血を出したい。でも目から血を出したら怖く見えますかね』とおっしゃっていて、『それは怖いからやめようね』と(笑)。でも、顔をぶんぶん横に振ったり、漫画に出てくる面白い顔どうやったら自分の体を使ってできるのかすごく探求しながらアイデアを出してくださって。オーバーな表現も綾瀬さんだから違和感なく、ありなんです」

そして、綾瀬のことを「演出家やプロデューサーの視点もあり、素晴らしいエンターテイナー」と表現する。

「きっとものすごく考えてきてらっしゃるんだと思いますが、現場でサラッと提案してくださるんです。いや、感覚的なのかも。どっちか分からないです(笑)。でも、ポンってアイデアを出したり、サラッと大事な事をおっしゃったり。きっと根本的に人を楽しませたい方なんですよ。だから、みんなを笑顔にしちゃうんです。本当に稀有な女優さん……というより、本当に稀有な人だと思います」

本作でキュートなダンスやキレキレのラップも披露した綾瀬。その練習においても綾瀬の凄みを感じたという。

「ダンスは2カ月練習されましたが、振り付けは1時間かからず覚えていて、私が見る限りでは、完璧に踊れているんですけど、ご本人は『大丈夫かなあ』とおっしゃっりながら撮影の合間で練習をされていました。ほんわかしていて、ちょっと天然で。だけど、実はとても努力家で芯がある。だから綾瀬さんはずっと国民的に愛され続けている女優さんなんじゃないかな、と思います」

綾瀬の魅力が際立つ本作。原作のように表情豊かな主人公・鳴海を楽しみつつ、多くの人が直面する課題がどのように描かれるのか、最後まで楽しみたい。

(C)NHK
(酒井青子)

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