
ヴァリューズは7月25日、今夏の旅行予定に関する消費者アンケート調査の結果を発表した。調査は2025年6月23日~6月30日、20歳以上の男女39,504人を対象にインターネットで行われた。
○夏の旅行希望者3人に1人、海外旅行は回復傾向
今年(2025年)の夏(6月~9月)、宿泊を伴う旅行を予定・検討していると回答した人の割合は、2023年以降大きな変化はなく、2025年は32.9%となった。国内旅行の予定・検討者は21.8%と昨年からほぼ変化がない一方、海外旅行では2024年の4.7%から2025年には5.2%と、2019年の10%には届かないものの、コロナ禍が明けてきた2022年以降で順調に回復してきていることがわかる。
○20代が旅行熱を牽引、リタイア後の需要も
性年代別に、旅行の予定・検討ありと回答した人の割合を集計すると、20代男性が44.6%、20代女性が41.4%と、男女ともに20代の旅行意向が最も高くなっていた。国内旅行・海外旅行ともに20代での割合が高く、50代で最も低くなっている。一方、国内旅行で20代男性と60代以上男性の割合が近づくなど、リタイア後に旅行需要が回復する様子もうかがえる。
○予算額アップ、海外旅行は昨年比6.5万円増
旅行の平均予算額は、全体で2024年の13万8,268円から2025年には15万6,696円と、2万円弱の増加が見られた。特に海外旅行での予算増が顕著で、33万848円から39万7,131円と、6.5万円以上増えている。物価高の中でも、夏の旅行くらいはメリハリをつけて楽しもうという人が多いのかもしれない。
○海外旅行派は高所得&体験重視、ハイエンド志向鮮明
世帯年収について、夏の旅行の予定・検討ありと回答した人について世帯年収を比較すると、海外旅行派は約705万円、国内旅行派は約590万円と、100万円以上の開きがあることがわかった。
さらに、Web行動ログ×アンケートデータを活用した生活者分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用いて、海外旅行派と国内旅行派に分け、消費行動タイプを分析すると、海外旅行派の回答者は「ブランド志向型」「トレンド志向型」「個性表現型」「体験重視型」などが高く、「価格志向型」が低い、という特徴があった。世帯年収も高い海外旅行派には、「社会の動きに敏感で、トレンドに注目しつつも、人とは違う自分らしい経験や思い出作りがしたい、そのためには投資は惜しまない」という人が多いのかもしれない。
○国内旅行先は大阪への注目度増
国内旅行を予定・検討している人に対し、直近の旅行先を聴取したところ、上位10都道府県は以下のようになった。2024年と比べると全体的にマイナス傾向にある中で、大阪府のみ2pt増となっており、2025年4月13日から10月13日まで大阪市で開催されている大阪・関西万博への関心がうかがえる。
○海外渡航先、マニラやホーチミンへの関心高まる
海外旅行派が特徴的に検索しているキーワードランキングを集計すると、5位に「マニラ」、6位に「ホーチミン」がランクインしている。7位には「フィリピン航空」が入り、東南アジアが人気の旅行先であることが読み取れる。その他、1位「海外旅行保険」といった保険関連の他、10位には世界各地の空港ラウンジを利用できる会員制プログラム「プライオリティパス」が入った。
○国内旅行者は"観光"や"グルメ"に積極的
同様に国内旅行派の特徴的な検索キーワードランキングを集計すると、3位「観光」、6位「モデルコース」、8位「グルメ」、10位「道の駅」など観光やグルメ消費に積極的な傾向が読み取れる。
夏の旅行で「お金をかけたいこと」について聴取すると、「食事代」が海外旅行で39.4%、国内旅行で45.7%と、いずれも「該当なし」を除くと最も高くなっており、特に国内旅行派で顕著だった。国内旅行派の検索キーワード上位に、「グルメ」というワードがランクインしていたことからも、国内旅行者は食事への意識がより高いことがうかがえる。一方で海外旅行では「交通費」も18.3%と高くなっており、7.8%の国内旅行派と大きな開きが見られる。「宿泊代」「観光・アクティビティの費用」については、国内外で大差なしという結果になった。
(Yumi's life)

コメント