
「世界水泳シンガポール2025」13日目が7月23日に行われ、アーティスティックスイミング(AS)ミックスデュエットテクニカル決勝では、ロシア出身のマヤ・ガーバンディエワ、アレクサンダー・マリツェフペアが233.2100点で金メダルを獲得した。
国ではなく、ニュートラルアスリート(中立な選手)として参加したロシア出身の26歳マヤ・ガーバンディエワ、30歳アレクサンダー・マリツェフのペア。2019年韓国・光州大会でこのミックスデュエット史上初の2冠を達成しており、本大会でも金メダル候補として注目を集めていた。
4大会ぶりに復帰したガーバンディエワ・マリツェフペアは、冒頭のペアアクロから驚きの技を繰り出す。通常、どちらかを持ち上げる動作の際には力の強い男子が下になることが一般的だが、その逆をしてみせたのだ。
開始早々、2人揃って水中に潜るとガーバンディエワがより深くに沈んで下からマリツェフと足を合わせる。そして、蹴上げられたマリツェフは水上に高く飛び上がり横向きでくるくると空中回転した。解説者は「女子選手が男子選手を蹴って…しっかりと認められていますね」と状況を説明した。
続くハイブリッドでも角度、回転ともに完全に調和のとれた美しい脚技を披露。そして、後半のリフトもまた、ガーバンディエワが下に入り、マリツェフは、高さのあるダイナミックな後方宙返りを決めてみせた。
この2つのアクロについて解説者は「(体重の重い男性を高く飛ばさないといけないので)女子選手の力(瞬発力)が非常に大きいと思います」とコメント。またマリツェフについても「技術力の高さはほんとに素晴らしい」と賛辞を送った。
人工知能が人間にとって代わる様を表現したこのプログラムで、2人は機械的ともいえるほどの“調和美”を見せつけ、見事1位に。マリツェフは、ソロ2冠に続き、今大会3つ目の金メダルを手にした。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)

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