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ひと目見ただけでもわかる

7月28日ホンダは今年秋に発売を予定している軽乗用EV(電気自動車)、『ホンダN-ONE e:』(エヌワン・イー)に関する情報をホームページで先行公開した。ここではデザインについて紹介する。

【画像】N-ONEと見比べたい!軽乗用EV『ホンダN-ONE e:』の愛嬌あるデザイン 全85枚

昨年秋に発売された軽商用EV『N-VAN e:』では、エンジン車のN-VANとボディパネルをほとんど共有化し、グリルなどに違いはあるものの、遠目に見たら見わけがつかないほど共通化されていた。

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ガソリン車のN-ONEと異なり、生産終了した乗用車ホンダeを彷彿とさせるEVらしい顔つき。    平井大

しかし今回のN-ONE e:は少し変えてきた。往年の名車、ホンダN360をオマージュした丸目2灯風のヘッドランプが目をひくトールワゴンのスタイルは共通だが、パッと見ただけでエンジン車との違いはわかる。

例えば、N-ONEのボンネット中央部は、さながらポルシェ 911のように立体感のあるものだが、N-ONE e:ではフラットになっている。おそらくEVのパワートレーンを搭載するため、高さを稼いでいるのだろう。

それに呼応するかのようにフラットとなったフロントマスクもN-ONEと異なり、生産終了した乗用車ホンダeを彷彿とさせる、EVらしい顔つきといえる。

ヘッドランプ自体はN-ONE同様のリングライトだが、真円ではなく上をカットしているのがユニークだ。その内部に備わるHi/Loユニットは、N-BOX カスタムと共用の様子。

エクステリアデザインを担当したホンダの中島英一氏によれば、「シンプルながら愛着のわくN-ONEのデザインをベースに、EVならではのクリーンさを加えた」という。

あざとすぎない『カドマルシカク』によるN-ONE e:の顔つきは、愛嬌がありながら頼もしさも感じさせてくれるものだ。

3次元曲面ガラスを採用したリアまわり

EVがスーッと走るイメージからインスパイアされたというスタイリングにより、サイドビューは重心の高いテールゲートから前方に向かって動きのあるシルエットとしている。しかし、前後ドアとルーフパネルはN-ONEと共通のため、フロントビューほどN-ONEとの違いは感じられない。

圧巻なのは、リアビューだろう。テールゲートからリアウインドウ、そしてバンパーへと丸みを持たせた強く張りのある曲面で構成し、ふっくらと上質な立体感とスッキリした印象を与えているのだ。

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テールゲートからリアウインドウ、そしてバンパーへと丸みを持たせた強く張りのある曲面で構成。    平井大

リアウインドウには3次元曲面ガラスを採用しており、これだけでもコストをかなりかけていることがわかる。ちなみに、フロントとサイドウインドーガラスはN-ONEと共通だ。

EVらしいクリーンさを出すために、凹凸のないスッキリクリーンな形として圧迫感をなくし、リアガーニッシュはあえて非装着とした。さらにリアバンパーフェンダーに沿って丸くしぼり、後ろからリアタイヤが見えるようにすることで、軽快ながらもどっしりと安定したスタンスを表現している。

N-ONE e:の外寸は公表されていないが、全長と全幅は軽自動車の規格いっぱい(3391475mm)、全高もN-ONEと変わらない(1545mm)と思われる。

そしてヘッドランプとデザインを呼応したテールランプも形状こそN-ONEのものと同じだが、ホワイトリングライトとしてEVのクリーンさを表現している。

ボディカラーは、訴求色である新色のチアフルグリーンをはじめ、全5色を設定。いずれも、ユーザーの気持ちを晴れやかにする、イキイキ軽快な色とされている。

N-ONEとは大きく異なるインテリア

エクステリアと違い、インテリア、特にインパネまわりのデザインはN-ONEと大きく異なる。

インパネ上部は凹凸感をなくして薄く軽やかな造形とし、四隅や角を感じさせないようなデザインとして、視界も良く室内の広がりを感じる空間としている。

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ラットなイパネ上面はそのままボンネットまでツライチになっている。    平井大

フラットなイパネ上面はそのままボンネットまでツライチになっており、前方が見やすく、車幅感覚もつかみやすい。ステアリングはN-ONEよりも37mmドライバー側に寄せられ、自然な運転姿勢で操作がしやすくなっている。

インパネ下部に配されたATセレクターは、N-VAN e:でも採用された、シビックやZR-Vなど上級モデルと同様のスイッチ式。周辺には電気式パーキングブレーキ、ECONモード、シングルペダルのスイッチも配される。

メーターパネルは7インチの液晶ディスプレイで、これはN-BOXなどと共通のものだ。表示に関しては、最近のホンダ車とほぼ共通のデザインで、見やすくわかりやすさを追求している。

オーディオ、パワーメーター、パワーフローをはじめ、バッテリー残量は見慣れているスマートフォンと同じ%表示で走行可能距離を表示するなど、いずれも認識しやすいシンプルなものだ。

シートは座面両端の高さをおさえ、乗り降りしやすい形状としている。それでも撮影車に座った印象では座面の厚みはしっかりあり、ホールド性も悪くなさそうだ。複数の色糸を交ぜて汚れを目立ちにくくしたというファブリック地もいい雰囲気。

EV化に伴いリアシートのフロアはN-ONEより2cmほど高くなっているそうだが、違和感はなかった。シートバックは分割可倒式で座面のチップアップもできるなど、他のNシリーズやフィットなどと同様、使い勝手は悪くなさそうだ。

今年秋の発売ということで路上で試す日はまだ先になりそうだが、今後が楽しみな1台と言えよう。


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