
第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)の地方大会は7月26日に各地で開催され、決勝戦は15試合行われた。実に1点差決着が10試合に上り、延長タイブレーク突入は8試合。最後の最後まで目が離せない展開の大激闘が続出した。
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SNS上でも「流石に接戦多すぎて、心臓いくつあってもたりない」「高校野球決勝、タイブレークが多くない?」「実力が拮抗してる」「痺れる試合しかない」「決勝スコアどこも熱すぎ」など興奮が伝わるコメントが並んだ。
そして、改めて出てきたのが9イニング制の維持、7イニング制反対の声だ。「マジで永久に9イニングであるべき」「今年はどこも接戦が多いからより9回がいいとを感じる」「自分も最終回7回は反対派です」「ずっと思ってるけど、やっぱ9イニングがいい」といった訴えが目立った。
例えば、小松大谷が2年連続4度目の甲子園出場を決めた石川大会。7回終了時で3-6と敗色濃厚だったが、5番・胡摩結月の2本のタイムリーを含む3得点を8、9回に挙げて同点に。延長タイブレークに持ち込み、金沢を8-7で下した。
小松大谷と言えば、2014年の高校野球史に残る“悲劇”が思い出される。星稜に対して、8回が終わって8-0。コールド制、7イニング制でも勝っていた試合だったが、9回裏の一挙9失点で敗れた。この大逆転負けをきっかけに、近年のチーム強化に繋がっている側面もある。
日本高野連は夏の酷暑対策として、「高校野球7回制」への議論を進めている。6月30日には7回制についてのアンケートを公式ホームページ内で始め、幅広く一般層の高校野球ファンにも意見を聞くなど、実現の可能性について検討を重ねているところだ。
高校野球ファンも、酷暑による球児の負担は理解している。だからこそ、9回制維持を支持する声の中には、「せめて決勝だけでも…」と頂点を決めるファイナル限定という妥協案もあった。
炎天下で戦う選手を思うからこその議論だが、最終盤に生まれるドラマの価値は、やはり何物にも代えがたい。試合時間の短縮か、伝統の継承か――。今年の地方大会を踏まえ、高野連の決断に注目が集まる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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