
オープン・フェラーリの転換点!308GTSという存在
1977年、フェラーリ308シリーズに追加された「308GTS」は、オープンエアとV型8気筒の融合を実現したモデルとして人気を博しました。約47年を経た現在、2025年5月28日〜6月4日に開催されたRMサザビーズのオンライン・オークションに登場した1台が、その価値をあらためて問いかけました。
流麗な2シーター「308」シリーズの起点
新たな世代を担うV型8気筒ミッドシップモデルとして、フェラーリが1975年のパリ・サロンで発表したのが「308GTB」である。すでにフェラーリからは2+2の「308GT4」が1973年から投入されていたが、やはりピニンファリーナによってデザインされた流麗な2シーターボディを持つ308GTBの存在感は、圧倒的なものだった。
その308シリーズに、デタッチャブル・ルーフを採用したオープン仕様「308GTS」が追加されたのは1977年のこと。それはフェラーリにとって最大の輸出市場であるアメリカを強く意識したからだった。GTSという車名に掲げられる“S”の文字は、もちろんスパイダーを意味する。
魅力的なパフォーマンスとともに、オープンエアでの爽快なドライブを楽しめる308GTSは、フェラーリの狙いどおり、瞬く間に人気モデルとなったのだ。
ボディは軽量FRPからスチールへ
クーペボディの308GTBには、最初は軽量なFRP製ボディが採用されていたが、308GTSの誕生と同時に、計画どおりスチール製へと改められた。ミッドに搭載されたエンジンは、308という数字が物語るように3L。正確には2926ccの排気量を持つV型8気筒SOHCである。
ウェーバー製キャブレターとの組み合わせにより、最高出力は255psを実現。現在の目で見れば平凡なスペックに感じられるかもしれないが、コンパクトなボディを持つ308GTSにとって、それは必要にして十分な性能だった。
この308GTB/GTSシリーズによって、フェラーリは確かに商業的成功を収めたのである。
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