
漫画家のハルマキさんの漫画「なぜ君たちは年間200本以上も映画を観(み)るのか!?」がXで合計1万1000以上の「いいね」を集めて話題となっています。
同作は漫画家のアシスタント時代を描いた作品。職場ではスタッフ同士で会話を楽しみながら作業を進めていましたが、作者は描くことが精いっぱいで、うまく会話に加わることができず……。さらに、作業しながらの映画鑑賞が始まってしまう…という展開で、読者からは「言語化することって大事なんですね」「作業しながらできるのはすごい」などの声が上がっています。
映画と作業の両立で頭が大混乱…
ハルマキさんは、Xやブログ「もみあげカワウソのマンガな話」で漫画を発表しています。この記事では、漫画「ハルマキの為になるアシスタント小話」の中から一部を紹介しており、続きはハルマキさんのXやKindleで読むことができます。ハルマキさんに作品について話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
ハルマキさん「落書き程度の絵や漫画は小学生時代から描いていました。本気で原稿を描き始めたのは、漫画の専門学校を卒業してプータローになってからです。『専門学校に行ってたのに何してたんだ…』って話です(汗)」
Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。
ハルマキさん「アシスタント時代の話はこれまでにも描いてきましたが、今回はその中で『驚いた出来事』と、『師匠に教わった創作の考え方』をテーマに描こうと思ったことがきっかけです。師匠から教わった、創作にまつわる考え方を思い出しながら描きました」
Q.作業中に、「映画を見て感想を言い合う」と聞いたときの心境を教えてください。
ハルマキさん「友達に感想を言うぐらいの経験はありますが、それについてガッツリ話し合うなんてことは今までなかったので驚きました。ましてやそれを原稿を描きながらなんて思考が追いつかず、頭が爆発しそうでした(笑)」
Q.映画を見ながら描くことには、どれくらいの期間で慣れましたか。
ハルマキさん「そもそも絵が下手で、作業についていくのだけでも必死だったので、慣れるのに1年以上…いや、数年かかったかもしれません。とにかく必死で、いつごろ慣れたのか覚えていません(汗)。特に、テーマ性が強くあまりセリフがない映画だと、見ていないと置いていかれるので大変でした」
Q.作業しながら映画を楽しんでいる周りの人たちを見て、自分との間にどのような差を感じましたか。
ハルマキさん「『この人たちはバケモンか!』と思いました(笑)。しっかり原稿もこなしつつ、物語のテーマを掘り下げて理解しているし、それについて自分なりの解釈や代案も語っていたので。そのうち慣れるよ~と言われましたが…。もう一度言います。バケモンかと思いました(笑)」
Q.この特訓が、私生活でも役に立つことはありましたか。
ハルマキさん「映画に限らず娯楽全般において、一歩引いた目線で見られるようになりました。また、自分とまったく違う考えや価値観も否定せず、興味を持って聞けるので、なんというか『聞き上手』にはなったかもしれません(汗)」
Q.今回の作品について、どのような意見が寄せられていますか。
ハルマキさん「漫画を描いている人に限らず、『言語化する』という考え方は、あらゆるクリエイティブな仕事をしている人にとって大事だという意見をたくさんいただき、とても面白く感じました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
ハルマキさん「基本的には自分のバカっぽいエッセー話を描きたいと思っているのですが、たまにはこういう『少しためになる話』も描きたいです。師匠に『創作のためになること』をたくさん教えていただいたのに、自分が忘れっぽいので、忘れてしまう前に早く描いておかなくては…と焦っています(笑)」
オトナンサー編集部

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