新外国人投手の起用法に注目が集まる阪神・藤川監督(C)Getty Images

 現役時代は阪急、オリックスで活躍し、阪神を含めセ・パ5球団で投手コーチを歴任した佐藤義則氏が7月28日、自身のYouTubeチャンネルを更新。317日ぶりの白星を挙げた先発・高橋遥人ら、5投手による継投で快勝した27日のDeNA戦(甲子園)を分析した。

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 佐藤氏は高橋について「良くはなかったと思う。ストレートの切れも含め」と本調子を欠いていたと指摘。それを見た女房役・坂本誠志郎のリードを評価した。「逆球もあった中で、スライダーツーシームをベース板上に落として、けっこう空振りをとっていた」と回顧し、「全部のボールが全部いいという投手は、なかなかいない。坂本がきょうのいいボールを使って抑えていた」と称えた。

 高橋を6回途中1失点で交代させたことには、余力は十分だったと推察した上で「8番打者(松尾汐恩)に変えたというのは、石橋をたたいてもという感じかな」と慎重な采配に一定の理解を示した。

 背景には、充実の救援陣があると言える。2番手・湯浅京己以降、及川雅貴、ニック・ネルソン桐敷拓馬とつなぎ、DeNA打線を零封。豊富な陣容のため、一定の登板間隔を保てていることもあり、「全然、余裕でやっている。みんな若いし、いくらでも強くなっていくと思う」とチーム力の高さを強調した。

 藤川阪神のブルペンは他にも、守護神の岩崎優、石井大智、木下里都、左腕では岩貞祐太ら、他球団垂涎のラインアップとなっている。チームはさらに、7月に入ってからグラント・ハートウィグ(前メッツ3A)、過去にも在籍していたラファエル・ドリス四国アイランドリーグ高知)と2人の救援投手を補強した。

 これについては、名伯楽は異論を唱えた。「阪神は誰も故障していない」とした上で「また投手をとってるけど、必要ない」とバッサリ。「どこで使うのって感じ。保険なんかいらないでしょ」と疑問を呈した。「日本人の若い投手を育てるのを優先した方がいいと思う。(外国人投手に出番がなければ)無駄な金を使っているということ」と続け、育成重視の姿勢を貫くべきだと訴えた。

 藤川監督は補強で加わった新戦力をどう扱うのか。ペナントレース終盤。その舵取りから目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

充実一途の阪神投手陣 さらなる補強に元阪神投手コーチが本音ポロリ「どこで使うのって感じ。保険なんかいらないでしょ」