東京メトロ都営地下鉄の好きな路線について読者アンケートを実施。そのなかで、あまり「乗りたくない路線」とその理由を募集したところ、2つの路線が票を集めました。

やっぱり避ける声も多い「混雑路線の代表格」

「乗りものニュース」では、2025年7月9日(水)から7月22日(火)にかけて、読者アンケートによる「東京メトロ都営地下鉄総選挙」を実施しました。

 本アンケートでは、「好きな東京メトロ都営地下鉄の路線」に加え、あまり「乗りたくない路線」とその理由についても回答を募集し、合計241件の意見が寄せられました。

東西線(17.4%)

 地下鉄13路線のうち、あまり「乗りたくない」に選んだのが2番目に多い17.4%だったのが、東西線でした。ただ東西線は「好きな路線」でも4位にランクインしており、評価が二分していることが浮彫りとなりました。

 乗車を避ける理由の多くは、「通勤時間帯の異常な混雑」(60代・男性・首都圏在住)、「いつどこで乗車しても激混みだから」(50代・男性・北関東在住)など、“混雑”に関するものでした。

 確かに東西線は全国でも混雑が最も激しい路線として知られていました。朝ラッシュのピーク時の混雑率は2019年度に199%を記録していましたが、コロナ禍の影響やテレワークの普及などで緩和され、2023年度では148%、現在の平均的な混雑率は約128%です。東京メトロの最混雑路線ではなくなっているものの、やはり混雑は目立つところです。

 混雑緩和に向けて、駅改良工事や乗降しやすいワイドドアの導入、オフピーク通勤の推奨といった取り組みが進められています。中でも南砂町駅では、前の電車の乗降に時間がかかっても、空いている線路に後続列車を入れられる「交互発着」が可能となる大規模な改良工事が進行中で、2031年度の完成を予定しています。

 また、2030年代半ばに予定されている有楽町線の延伸(豊洲~住吉)により、最混雑区間である木場~門前仲町間の混雑率も緩和されると見込まれています。

 一方で、東西線は「三鷹から西船橋までJRより早い」(首都圏在住)、「地上区間が長く、地下鉄では珍しい快速運転がある」(30代・男性・首都圏在住)といった利便性も、東西線ならではの魅力となっています。

「深い」が「不快」につながる?

都営大江戸線(29.9%)

 最も「乗りたくない」との声が多かったのが都営大江戸線で、東西線とは30票差でした。大江戸線は「好きな路線」でも、下から2番目の10位となっています。

 主な理由として挙がったのは、「駅が非常に深く、乗り換えに時間がかかる」(50代・男性・首都圏在住)、「地中深くまで潜るため、地上との行き来に手間がかかる」(30代・男性・首都圏在住)といった、“駅の深さ”に起因するものです。

 大江戸線で最も深いのは六本木駅で、ホームは地下7階・深さ42.3mに位置し、日本一深い駅となっています。また新宿駅も地下7階・36.6mと国内で3番目の深さを誇ります。以前実施した「乗り換えが難しい駅」のアンケートでも、こうした「深さ」が乗り換えの不便さにつながっているとの声が寄せられました。

1991年開業と比較的に新しい路線の大江戸線は、都心に既存路線が張り巡らされた中での建設であったため、やむなく深い地下を通ることになったという背景があります。

 さらに、「車両が小さいため閉塞感がある」(50代・男性・首都圏在住)との指摘もありました。

 これは、大江戸線の建設時にオイルショックの影響を受け、建設費削減のため従来の半分の断面積でトンネルを掘削した結果、車両も小型化されたことに起因します。その結果、音が反響しやすくなってしまい「走行音が大きい」(10代・男性・首都圏在住)、「カーブに差し掛かった時の走行音」(20代・男性・首都圏在住)と、不快感につながっているようです。

 一方で、大江戸線は他路線と相互直通運転をしていない独自規格のため、「他路線の影響を受けず遅延が少ない」(40代・男性・首都圏在住)、「運行が安定している」(30代・男性・首都圏在住)といった評価も見られます。また、「主要駅を多く通っており便利」(40代・男性・首都圏在住)と、路線の利便性そのものは高く評価されているようです。

●アンケート実施概要

・調査機期間:2025年7月9日(水)12時ごろから7月22日(火)12時ごろまで

・調査方法:Googleフォームを利用しての調査

・対象:「乗りものニュース」のSNS(Twitter、Facebook)のフォロワーなど

・有効回答数:241

東京メトロ東西線(画像:写真AC)。