詳細画像はこちら

競争力のある価格設定に

シトロエンは、新型電動SUV『e-C5エアクロス(e-C5 Aircross)』を英国で発売した。価格は3万4065ポンド(約680万円)からで、同市場における主要なライバル車を5000ポンド(約100万円)近く下回る。

すべての画像をみる 全6枚

4月に公開された2代目C5エアクロスのEV版で、新しいスタイリングと、同モデル初となる電気駆動パワートレインを採用。人気の高いSUV分野での販売力強化を図っている。

詳細画像はこちら
トロエンC5エアクロス    シトロエン

エンジン搭載モデルも3万495ポンド(約600万円)から販売開始した。こちらは、先代モデルよりも2000ポンド(約40万円)高く、新型マツダCX-5や日産キャシュカイなどと同じ価格帯だ。

ベースグレードは『You!』で、13インチのタッチスクリーン、ワイヤレスのスマートフォン充電器、アダプティクルーズコントロール、18インチアルミホイールが装備される。

最上位グレードの『Max』では、より上質な内装材、大型ヘッドアップディスプレイ、フロントシートヒーター、ステアリングホイールヒーター、電動テールゲート、ヒートポンプ(EV専用)が追加される。Maxの価格は、エンジン搭載モデルで3万5775ポンド(約710万円)、EVモデルで3万9345ポンド(約780万円)となっている。

英国の場合、EVに対する新しい補助金(対象車は8月11日に発表予定)の対象となれば、最大3750ポンド(約75万円)値下げされる可能性がある。

EV、マイルドハイブリッド、PHEVを設定

2代目C5エアクロスは、親会社であるステランティスのSTLAミディアム・プラットフォーム(プジョー3008と共通)をベースとし、C3やC4よりも上位のフラッグシップモデルに位置付けられる。

EVモデルは最高出力210psの電気モーターと73kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は520kmとされている。

詳細画像はこちら
トロエンC5エアクロス    シトロエン

エンジン搭載モデルはマイルドハイブリッド仕様で、1.2L 3気筒ガソリンエンジンと小型電気モーターを組み合わせ、最高出力1145psを発生する。

今後、さらに2種類のパワートレインが導入される予定だ。1つは、1.6L 4気筒ガソリンエンジンと電気モーター、21kWhのバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッドで、合計出力196psと85kmのEV走行距離を誇る。もう1つは、大型の97kWhバッテリーを採用したEVで、最高出力230ps、航続距離は最大680kmに達する。

先代モデルよりややサイズアップ

新型C5エアクロスのデザインは、昨年ミュンヘン・モーターショーで発表されたコンセプトカーを忠実に踏襲している。先代モデルのミニマルな2ボックスシルエットは維持しつつ、燃費や電費を向上させるために空力性能に重点を置いている。

全長は先代よりも150mm延長され4652mmに、ホイールベースは60mm拡大され2784mmとなった。シトロエンによると、サイズアップした分はほとんど「後席の足元スペースに充てられている」とのことだ。

詳細画像はこちら
トロエンC5エアクロス    シトロエン

シトロエンは、大型化したボディを活かして「Cゼン・ラウンジ(C-Zen Lounge)」と呼ばれる車内空間を創出。乗員は「リビングルームにいるような感覚」を味わえるという。

特に、ダッシュボードはリビング家具にインスパイアされたデザインとなり、ソファを思わせる特徴的なフォーム生地のパッドを採用している。内装色はライトまたはダークから選択可能で、アンビエントライトも8色から設定できる。

ダッシュボードの中央には、ステランティスの市販車として最大サイズのフローティング式タッチスクリーンが搭載される。車内の主要コントロールの大部分がスクリーンに割り当てられているが、走行中の操作性を考慮して、固定式のステータスバーとコントロールバー、カスタマイズ可能なウィジェット、エアコンの操作ボタンが用意されている。

スマートフォンとのミラーリング機能と10インチのデジタルディスプレイが標準装備され、「ハロー、シトロエン」と呼びかけることで起動する音声コントロール機能も搭載。生成AIChatGPTのサポートにより、車内のさまざまな機能を声で操作することができる。

オプションのヘッドアップディスプレイは、従来よりも30%大型化した。

広くなった車内、座り心地も改善

一方、シトロエンの特徴の1つであるアドバンスト・コンフォート・シートは、「これまで体験したことのない快適性」を実現するため、背もたれとサイドサポートに厚手のパッドを採用し、上部は「乗員の肩をショールのように包み込む」構造に変更された。サイドサポートは電動調整式になった。

後部座席では、ニールーム(膝周りのスペース)が51mm、ヘッドルーム(頭上のスペース)が68mm拡大され、さらに背もたれを21度から33度までリクライニングできるようになった。センターコンソールには2つのカップホルダーと2口のUSB-C充電ポートが備わっている。

詳細画像はこちら
トロエンC5エアクロス    シトロエン

ボディの大型化に伴い、トランクも大幅に広くなった。5人乗車時のトランク容量は651Lで、欧州市場でのライバルである日産キャシュカイよりも約150L広く、後部座席を折りたたむと1668Lまで拡大する。

トランクフロアの下には75Lの収納スペースもあり、EVの充電ケーブルをしまうことができる。

C5エアクロスおよびe-C5エアクロスは、英国では10月より納車開始予定だ。


■EVの記事
シトロエン新型EV『e-C5エアクロス』 約680万円から英国発売 廉価ハイブリッド版も登場
アルピーヌを動かす最重要人物 フィリップ・クリーフ氏:エンジニア賞 AUTOCARアワード2025
【N-ONEとどう違う】軽乗用EV『ホンダN-ONE e:』はあざとすぎない?愛嬌あるデザインに込められた意図とは
【今秋発売予定】ホンダが軽乗用EV『N-ONE e:』を先行公開!航続距離270km以上の最適パートナー

シトロエン新型EV『e-C5エアクロス』 約680万円から英国発売 廉価ハイブリッド版も登場