【写真・画像】両院議員懇談会は“ただのガス抜き”? 8割が退陣要求も“拮抗した世論調査”を受け葛藤も 1枚目

 28日、自民党が両院議員懇談会を開いた。どのような意見が出され、何か結論が出たのか? テレビ朝日政治部の森洋介記者に聞いた。

【映像】両院議員懇談会は“ただのガス抜き”?

━━懇談会は非公開で行われたのか?

「冒頭の石破総理と森山幹事長からの発言は報道にも公開されたが、その後の各議員の意見陳述に関しては非公開のまま行われている」

━━そもそも、両院議員懇談会とは?

「総裁や幹事長などの執行部が主催するもので、出席した議員が発言することは認められているが何かを決める場ではない。党所属の衆参両院議員が集まる会議で党則に規定されていない。非公式で集まり、意見交換などが目的であり、言ってしまえばただの“ガス抜き”の場だと話す議員は多い。一方で『両院議員総会』というものもあり、こちらは国会議員の3分の1以上の要求が必要。党の運営及び国会活動に関する特に重要な事項を審議・決定する場で『大事なことを決める場』だとされている」

━━“ガス抜き”が求められた理由とは?

「惨敗した今回の参議院選挙を総括すること、そして今後の党運営の方針を執行部が示すために、執行部側が企画して開催されたものだ。また、党内から石破総理や執行部の責任論や、不満の声が相次いでいるために、そのあたりを聞き取る目的もある」

━━冒頭に石破総理と森山幹事長は何を話したのか?

「石破総理は参議院選挙で負けたことに関して陳謝はしたが、『責任を取って辞める』という
言及はなかった。一方で、森山幹事長は『今回の結果を厳粛に受け止めなければならない』と
した上で、選挙の総括を8月中をめどに取りまとめる意向を示した。そして、『報告書がまと
まった段階で幹事長として自らの責任については明らかにして参りたい』と述べ、辞任の可能
性も示唆した形だ」

━━参院選の大敗を受けての懇談会の雰囲気は?

「途中で懇談会から出てきた議員に話を聞いたが、怒号が飛び交うような雰囲気ではなかったが、次々と意見を述べたい人が手を挙げ、それが止まらなかったという。そして時期の違いはあるものの、大半は『石破総理が責任を取って辞めるべき』という意見を話す議員が多かった。ある議員は『8割以上の議員が退陣を主張した』と言っていた。『辞めろ』という話も多いが、石破総理の周辺の議員が懇談会の中で石破総理を応援・激励するような場面も見られたという。石破総理自身はいつもと変わらない様子だったと話す出席者がいた」

━━どんな人が退陣を要求しているのか?

「懇談会でどの議員が退陣要求をしたのかは現状明らかにはなっていないが、先週末に自身でSNS等で発信した議員はいる。その一人は茂木前幹事長で、衆議院選挙で負け、都議選でも過去最低の議席、そして参議院選挙で負けての3連敗は“スリーアウトチェンジ”。けじめというのは再生への道だとしている。『基本的にこのまま行って自民党が浮上することはない』とYouTubeで語っていた。また、旧安倍派の西村元経産大臣も自身のXで『3連敗した責任はうやむやにできないし、すべきではない』として、けじめは必要で、総裁選を開くように訴えている」

若手議員「微妙な数字だ」

ANN世論調査

━━週末のANNの世論調査では「石破総理は辞任すべき」と「辞任すべきではない」は拮抗し
ていたが、党内はどう受け止めているのか?

「『辞めるな』というデモを見て『辞めるべきではない』と世論調査で答えた人もいるのではないか、と分析した関係者もいた。ただ、別の関係者は『本当の世論調査は選挙だ』と話した。また別の関係者も『選挙というテストを受けた結果、責任は必ずつきまとう』『反省だけなら選挙はいらない』と厳しく言っていた。自民党内からは辞任を求める声が多く聞こえたが、ある若手議員は『微妙な数字だ』とこぼした。つまり、『辞任すべき』と『辞任すべきではない』が拮抗しているため、『石破降ろしをしたいが、内輪揉めをしていると世論から厳しい目で見られ、身内だけで騒いでいると白い目で見られてしまうのではないか』と葛藤していた」
(ABEMA/倍速ニュース)
 

両院議員懇談会は“ただのガス抜き”? 8割が退陣要求も“拮抗した世論調査”を受け葛藤も