
大相撲名古屋場所は前頭十五枚目・琴勝峰(佐渡ヶ嶽)が8場所ぶり史上37人目の平幕優勝で悲願の初賜杯を抱き熱戦の幕を閉じた。新会場であるIGアリーナのこけら落としで注目を集めた今場所で、静かな闘志が伝わってくる力士が繰り広げた“ド迫力”の真剣勝負を受け「めっちゃキレてる」「ビンタ合戦」「こわいよお」などファンが恐々となる一幕があった。
そのシーンは十日目、十両六枚目・日翔志(追手風)と十両十四枚目・荒篤山(荒汐)の一番で起こった。立ち合いなかなか呼吸が合わず、まず荒篤山が先に立ってしまう。荒篤山は苛立ちを抑えるように首を回し、緊迫した空気が流れるなか、2度目の立ち合いでは日翔志が張っていき、荒篤山も負けじと張り手をバチン。だが手がしっかりついておらず審判から“待った”がかかり、立ち合い不成立に。荒篤山は相手の張り手が目に入ったのか、目を押さえる仕草を見せた。
日翔志、荒篤山ともにさらに険しい表情となった立ち合いは3度目でようやく成立。苛立ちが抑えきれなかったのか、激しい張り手の応酬で白熱した攻防を展開した。「パチン!」と乾いた音が何度も館内に響くと客席もどよめく事態に。火花が散るような“バチバチ”の一番にABEMAのファンも恐々。「両者キレてて草」「きまずいわ」「めっちゃキレてる」「キレてるな」「こわいよお」との声が相次ぎ、張り手の応酬に対しても「喧嘩やん」「ビンタ合戦」「張られて怒ったな」など多くの反響を呼んだ。
東西両横綱の誕生で期待を集めた今場所だったが、東の先輩横綱である豊昇龍(立浪)が五日目から休場。さらに西の新横綱である大の里(二所ノ関)は4つの金星を配給するなど、波乱が続いた。
しかし、終わってみれば大の里を破って史上最年長での金星を手にした40歳の前頭四枚目・玉鷲(片男波)が自身3度目の殊勲賞も獲得。40歳8カ月での三賞受賞は、金星に続いて最年長記録となった。
一方、琴勝峰が同じく殊勲賞、さらに敢闘賞のダブル受賞。いずれも新入幕で前頭十四枚目の草野(伊勢ヶ濱)と藤ノ川(伊勢ノ海)がともに敢闘賞を初受賞。草野は琴勝峰と優勝を争った前頭筆頭の安青錦(安治川)と技能賞も分け合った。
波乱の中にあって、“新旧”実力派力士の奮闘がファンを沸かせた名古屋場所。大相撲九月場所は、9月14日(日)より東京・両国国技館にて熱戦の幕が上がる。(ABEMA/大相撲チャンネル)

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