
受け子で検挙の5人に1人は少年
子どもを闇バイトに参加させないためには、どうすればいいのか。夏休みという長期休暇を機に、あらためて整理したい。
2024年、関東地方の中高生が遊ぶ金欲しさにSNSで闇バイトに応募し、指示役から指示を受けて山口県へ移動、強盗予備罪で逮捕された。
闇バイトとは、法的に問題がある特殊詐欺などの業務のこと。SNS上で「ホワイト案件」「高収入バイト」「中高生OK」などの甘い言葉にそそのかされ、安易に闇バイトに応募してしまう中高生は少なくない。
警察庁の「令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について (確定値版)」によると、受け子などになった経緯は、SNSからの応募が43.3%と4割以上を占めている。少年が検挙数全体に占める割合は18.3%であり、受け子の5人に1人が少年というのが実態だ。
では、具体的に我が子にどんなことを教えれば良いのだろうか?
闇バイト=犯罪で逮捕されることを教える
未成年が闇バイトに加担させられた事件は、毎日のように報道されている。しかし、子どもたちはニュースを見ていないことも多く、そもそも闇バイトについて詳しく知らない可能性もある。
「中高生でもできる高収入なバイト」といった、うまい話はない。闇バイトは多くの場合、自分の祖父母世代に危害を加えたり、金品を奪う手伝いをさせられる犯罪であること、未成年でも重い罪に問われることは伝えておく必要がある。
仮想体験ツールで、応募してしまったらどうなるのかを体験させておくのがおすすめだ。
闇バイト募集を見分ける体験をしておこう
さまざまな調査により、子どもたちはSNSでアルバイトを探すことが多いこと、闇バイトと普通のバイト募集の見分けがつかないことがわかっている。そのため、闇バイトの募集の特徴について正しく教え、見分け方について理解させておく必要があるだろう。
たとえば東京都 特殊詐欺加害防止 特設サイトでは闇バイトなどの危険な求人の見分け方をクイズ形式で体験できる。
日本の平均時給を見ると、2025年4月の全国パート・アルバイト平均時給は1291円(調査:ディップ株式会社)であり、8時間働いても1万円程度だ。それをはるかに超えて高い収入が得られるバイトは通常あり得ず、犯罪の可能性が高いのだ。
上記のような「報酬が高過ぎる」、そのほか「連絡がDM」「時給や勤務地、仕事内容が明確でない」といった特徴を知っておこう。慣れないうちはSNSではなく求人サイトを活用したり、応募前に保護者に相談するのがおすすめだ。
闇バイトと気づいたらすぐに相談を
万が一、闇バイトに応募してしまった場合はどうすれば良いのか。
闇バイトでは、身分証明書や自宅の住所などを提出させられるため、一度応募すると危害を加えるなどと脅され、逃げ出せなくなることが多い。しかし、実行してしまうと被害者を生むうえ、犯罪者とされてしまう。警察に相談すれば自分や家族を守ってもらえるので、実行する前に必ず相談するようにしてほしい。
■警視庁総合相談センター 電話#9110または03-3501-0110
■ヤング・テレホン・コーナー(警視庁少年相談係) 03-3580-4970

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