
米PayPalは7月28日(現地時間)、仮想通貨による新たな決済手段「Pay with Crypto」を発表した。米国の事業者を対象に、向こう数週間以内に提供を開始する予定。同社が発行するステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」とも連携することで、仮想通貨決済を本格的に商用領域に導入する構えだ。
顧客が仮想通貨で支払いを行うと、それを法定通貨もしくはPYUSDに変換し、PayPalの決済プラットフォーム上で処理できるというもの。事業者側は仮想通貨の価格変動リスクを負うことなく、通常のオンライン決済と同様の感覚で導入可能という。
現時点で対応している仮想通貨は100種類以上にのぼり、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Tether(USDT)などの主要トークンが含まれる。また、接続可能なウォレットには、Coinbase、MetaMask、Binance、Kraken、OKX、Phantom、Exodusなどがあり、対応範囲は広がる見込みだ。
決済処理にかかる手数料は0.99%で、従来の国際クレジットカード決済やSWIFT送金に比べ、最大で90%のコスト削減が可能になるとしている。仮想通貨で支払われた金額はほぼ即時に事業者のPayPalアカウントに着金し、資金回収の迅速化にも寄与するという。さらに、事業者がPYUSDをPayPal内に保有していた場合、年利4%程度の報酬が得られる仕組みも提供される。
PayPalは、世界には現在、約3兆ドルにのぼる仮想通貨資産と、6億5000万人以上のユーザーが存在するとしており、Pay with Cryptoにより、加盟店をこの市場に繋ぐことを目指すという。

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