【元記事をASCII.jpで読む】

根強いファンが多い「インナーイヤー型」イヤホン
「カナル型」との違いやそれぞれのメリット、得意とする部分はどこ?

 完全ワイヤレスイヤホンの普及が進み、すっかりおなじみのアイテムとなっています。ただ、家電量販点の店頭やECサイトには、価格帯や搭載機能、デザインなどが異なる製品が多数並んでいて、「どれを選んだらいいのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。

 そこで今回は、特に「インナーイヤー型(開放型)」と「カナル型」という“形状”に着目して、自分に合った製品の選び方を紹介します。

 このインナーイヤー型とカナル型、それぞれに得意とする点、メリットとなる部分が異なるため、自分の用途にマッチする製品を選びたいところです(最終的には好みの部分も大きいのですが)。

インナーイヤー型イヤホンは昔からよくあるイヤホン
周囲の音がある程度入るが、密閉感が少なく疲れにくい

 インナーイヤー型はあえて単純にわかりやすく言えば、昔ながらのイヤホンのタイプです。スマートフォンの付属品などでもよく見られるタイプですね。

 耳穴に入れるように差し込む部分がなく、耳穴の入口付近に引っかけるようにして装着します。「開放型」という呼び名もあることからわかるように、着けていても密閉感・圧迫感は少なく、長時間使っていても疲れにくいのが最大のメリットです。

 また、装着中でも周囲の音はある程度は聞こえるため、周りの人からの声かけや来客のチャイムなどに反応できるのも利点です。仕事中に使っても相手を無視して、問題になったりもなりにくいでしょう(仕事中にイヤホンを使っていてもいい環境が前提ですが)。

 ただ、それはそのままデメリットになり、周囲のノイズや話し声などが耳に入りやすいのもまた確かです。密閉性がそれほど高くないので、静かな場所で使う場合は音漏れに若干注意する必要も生じます。

カナル型は最近の主流で耳の穴に差し込んで装着するタイプ
音楽や動画に没頭するのに適している ノイキャンも効きやすい

 一方のカナル型ですが、シリコン製の「イヤーピース」と呼ばれる部分を耳栓のように耳穴に差し込んで装着します。この装着スタイルによって遮音性が高くなり、音楽や映像などに没頭できるのが最大のメリットと言えます。

 密閉性が高く、イヤホンのノイズキャンセリング機能の効果が発揮されやすいのもメリットして挙げられます。その一方で、密閉感・圧迫感があり、長時間の使用では疲れを感じやすいのも確か。人によっては「カナル型は苦手」という意見を持つ人もいます。

 カナル型は音楽や映像を楽しむときだけでなく、ビデオ会議やスマートフォンでの通話などでももちろん使えますが、自分の声がやや異和感ある聞こえ方がするという意見もあります。また外で使うと、周りの音が聞きにくいという要素もあります。

 特長が大きく異なる2タイプなので、好みで選ぶことはもちろん、「使い分け」というのも1つのアイデアかもしれません。ただ、イヤホンをテレワークやビデオ会議と幅広い用途で使う人はインナーイヤー型がマッチする可能性は高いと言えます。特に最近はカナル型が主流になってきているので、これまでインナーイヤー型を使ったことがないという人も、一度試してみてはいかがでしょうか。

周囲の音が聞こえるインナーイヤー型ながらノイキャンも使える!
デュアルドライバーで音質も強化された「HUAWEI Freebuds 6」

 ここ数年オーディオ製品に非常に力を入れているファーウェイ。同社はインナーイヤー型とカナル型の両方で魅力的な製品をラインアップに加えています。ここからはその製品の特長を見ていきましょう。

 まずは、インナーイヤー型では代表的なモデルの「HUAWEI FreeBuds 6」。水滴などの自然物から着想を得たという、なめらかな曲線のみで構成されたユニークなデザインに目が行きがちですが、じつは快適な装着感も特長です。

 人間の耳のビッグデータモデルに基づいて耳と接する部分の形状を最適化し、よりフィット感を高めているとのこと。もちろん、インナーイヤー型ですので、長時間の使用でも疲れにくいというメリットもバッチリ備えています。

 インナーイヤー型では難しいとされるデュアルドライバー搭載も実現しており、音質にこだわっているのも特長です。高音域を担当するマイクロ平面振動板ドライバーと中低音域を受け持つ11mmマグネットドライバーの組み合わせで、実際に使ってみても、中高音部ではクリアさ、低音部では迫力あるサウンドを体感できました。これはなかなか高レベルな実力です。

 前述したようにインナーイヤー型は周囲の音がある程度入ってくるため、周囲の騒音と逆位相の音を発生して相互に打ち消す、いわゆる“ノイキャン”、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能との相性は良くない印象がどうしてもあります。

 ところがHUAWEI FreeBudsシリーズは、この組み合わせに以前から果敢に挑戦しています。カナル型のANCと比べると、「ほとんどノイズが聞こえない」という感じにはなりにくいものの、ANC機能をオンにした瞬間、周囲の音がスッと引っ込むように大幅に小さくなるのは大変印象的です。

 このANC機能は通話時にも稼働するため、通話相手の声もクリアに聞こえますし、こちらの声を相手にクリアに伝える「AIマルチチャンネルDNNノイズリダクション」という機能も搭載されています。HUAWEI FreeBuds 6において頻繁に語られる、「音楽や映像を楽しむ場合だけでなく、テレワークやビデオ会議にも便利」といった評価はこれらの機能に支えられているわけです。

 ちなみに完全ワイヤレスイヤホンの上位機種らしく、「マルチポイント接続」にも対応しています。PCやスマートフォンなどの機器と同時に2台まで接続できる機能で、PCとスマートフォンの両方に接続しておいて、PCでビデオ会議をしている最中にスマートフォンに着信があった場面でも、すぐに接続を切り替えられます。

 HUAWEI FreeBuds 6は、ファーウェイ公式オンラインストアや家電量販店、ECサイトなどで発売中。カラバリはパープル、ブラック、ホワイトの3色で、市場想定価格は2万1780円です。

製品レビュー記事もチェック!

●「インナーイヤー型+ANC」の人気イヤホンがデュアルドライバー搭載で音質強化! 「HUAWEI FreeBuds 6」レビュー
 https://ascii.jp/elem/000/004/277/4277090/

お手頃価格の「HUAWEI Freebuds SE 3」も選択肢に
インナーイヤー型イヤホンの入門機に○

 ファーウェイインナーイヤー型イヤホンでは、エントリーモデルの「HUAWEI FreeBuds SE 3」もあります。イヤホン単体の重量が約3.8gと軽く、インナーイヤー型ならではの自然な着け心地も相まって、長時間の使用でもとても快適。しかも、市場想定価格は5980円と、インナーイヤー型初心者でも試しやすいのはうれしい点です。

 お手頃価格のエントリーモデルですが、その性能は十分。特にバッテリー駆動時間が長く、連続再生でイヤホン単体では最大9時間、充電ケースを併用すると最大42時間になります。また、Bluetooth 5.4に対応しており、遅延が少なく安定した接続を実現。スマートフォンやPCとのペアリングも簡単です。

 合成皮革を使用した充電ケースは、手に持ったときに滑りにくいという利点があり、エントリーモデルとは思えない高級感あふれるデザインに仕上がっています。カラバリはブラックとベージュの2色があり、どちらも落ち着いた雰囲気を持っています。

 HUAWEI FreeBuds SE 3は、ファーウェイ公式オンラインストアや家電量販店、ECサイトなどで発売中です。

製品レビュー記事もチェック!

●ワイヤレスイヤホン新決定版はコレかも! お手頃価格&インナーイヤーの「HUAWEI FreeBuds SE 3」に注目した
 https://ascii.jp/elem/000/004/244/4244559/

ファーウェイの最先端技術を凝縮した
カナル型のフラグシップモデル「HUAWEI Freebuds Pro 4」

 続いてはカナル型。このカナル型では、ファーウェイフラグシップモデル「HUAWEI FreeBuds Pro 4」をリリースしています。

 HUAWEI FreeBuds Pro 4の最大の魅力は、やはりその音質。マイクロ平面振動板ドライバーと11mmマグネットドライバーのデュアルドライバー構成になっていて、迫力ある低音から滑らかさが魅力の高音まで音楽を堪能できます。「LDAC」コーデックによるハイレゾ再生にも対応しています。

 強力なANC機能もHUAWEI FreeBuds Pro 4の長所です。ユーザーが使用中の周辺のノイズを自動解析して、AIが適切なバランスで適用してくれることで、ANC性能はファーウェイ最強レベルに達しています。また、標準付属する形状記憶加工イヤーチップは、物理的な意味での遮音性能も高めてくれています。

 実際に使ってみても、ANCオン時の静寂さは圧倒的。ザワザワとした騒音にあふれていて、普段より声量を上げないと会話がしにくい飲食店でも周囲の音がほぼ聞こえなくなりましたし、そこにBGMなどが加わっても適切にANCが機能しました。

 飛行機での長時間の移動のような場面では確実に威力を発揮してくれるでしょうが、逆に言えば外で歩いていたり、会社での仕事中などは要注意。「外部音取り込み」機能をオンにしておきましょう。

 フラグシップにふさわしい高級感あふれるデザインも特長です。イヤホン本体は、荘厳な弦楽器からインスピレーションを得たという「シルバーストリング」がステム部分にあしらわれていて、上品なツヤが印象的。充電ケースは精巧なセラミック仕上げで、マットな質感が魅力となっています。

 HUAWEI FreeBuds Pro 4は、ファーウェイ公式オンラインストアやECサイト、イヤホン専門店などで発売中。カラバリはブラック、グリーン、ホワイトの3色で、市場想定価格は2万8800円です。

製品レビュー記事もチェック!

ファーウェイの技術の粋を集めた最上位イヤホン 「HUAWEI FreeBuds Pro 4」レビュー
 https://ascii.jp/elem/000/004/251/4251589/

周りの音が完全にそのまま入っているオープンイヤー型
HUAWEI FreeClip」「HUAWEI FreeArc」という選択肢も

 ここまで、インナーイヤー型とカナル型の製品を紹介してきましたが、最近になって各社からの製品数が増えている新勢力として、「オープンイヤー型」というタイプのイヤホンもあります。

 これはイヤホンを耳たぶに掛けたり(耳掛け型)、挟んだり(イヤーカフ型)して、イヤホンのスピーカー部分と耳の穴の間に空間を作るタイプの製品です。周囲の音が聞こえやすい(というか、ほぼそのまま聞こえる)ので、仕事中やスポーツ時の「ながら聴き」に最適というメリットがあり、ファーウェイもこのオープンイヤー型の製品をラインアップしています。

 その1つが、U字型のクリップ耳たぶの縁を挟み込むようにして装着するイヤーカフ型の「HUAWEI FreeClip」。一見、運動中などに落としてしまいそうに感じるデザインですが、形状記憶合金製のワイヤーにより、程よい力でしっかりと耳たぶを挟んでいるので、頭を強く振っても落下の危険性はまずありません。後述する耳掛け型と違って、メガネを着けていてもまったく干渉しないのも、メガネ派の人には便利な点です。

 また左右対称のデザインで、左右の区別がなく装着可能、片耳だけでも使える(特にスマホの着信を受ける場合)仕組みも有用です。

 もう1製品は、耳に掛けて装着するスタイルの「HUAWEI FreeArc」。こちらも、HUAWEI FreeClipと同じく、耳への当たりはソフトながら安定した装着具合を実現。IP57という高い防水防塵性能を持っていて、スポーツ時に使用して汗をかいたり急な雨に降られたりしても安心です。

 HUAWEI FreeClipHUAWEI FreeArcは、ファーウェイ公式オンラインストアや家電量販店、ECサイトなどで発売中。市場想定価格は、HUAWEI FreeClipが2万7800円、HUAWEI FreeArcが1万8800円です。

製品レビュー記事もチェック!

●ながら聴きにはオープンイヤー型イヤホンが◎! 耳たぶに挟むだけなのに落ちないその不思議と魅力を紹介
 https://ascii.jp/elem/000/004/232/4232475/
●オープンイヤー型で耳を塞がないのが快適! 耳掛けイヤホンの新定番になりそう! 「HUAWEI FreeArc」レビュー
 https://ascii.jp/elem/000/004/249/4249311/

 大きく分けて3タイプある完全ワイヤレスイヤホン。もちろん「自分は絶対カナル型(インナーイヤー型)」という人は、そのタイプを愛用すればいいわけですが、「そう言えば、インナーイヤー型は使ったことないな」「ANCの付いている高性能なインナーイヤー型ってどんなのだろう?」と思った人は、店頭などでも手に取って試してみてはいかがでしょうか。新しい発見、きっとあるはずです!

 
実はファンが多いインナーイヤー型イヤホンって何!? カナル型とどこが違う? ワイヤレスイヤホンの選び方