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「電気自動車の普及を推進する方針は変わりません」

アウディジャパン7月24日、『アウディ・ニューモデルスペシャルデビューショー・イン東京』を開催。最新の内燃エンジンモデル『アウディQ5』と、電気自動車アウディA6 eトロン』を同時発表した。

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同社ブランドディレクターのマティアス・シェーパース氏は、「アウディは、日本での電気自動車の普及を推進する方針は変わりませんが、日本のカスタマーのニーズに対応する内燃エンジンモデルも引き続き導入し、バランスよくラインナップを拡充していきます」と述べ、2025年上半期の活動を振り返りつつ、今後の戦略方針についてプレゼンした。

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アウディ・ニューモデルスペシャルデビューショー・イン東京』で発表された新型Q5。    平井大

「2025年は、日本で2拠点目となる『アウディ・チャージングハブ芝公園』やアウディジャパン初の経由地充電スポット『アウディ・チャージングステーション厚木』オープンなど、電気自動車に関するインフラ整備を中心に電動化戦略を着実に推し進めてきました。

また、ブランドアイコンとなる都市型ショールームアウディ・シティ日本橋』をオープン。さらに今年は最新モデルを多数発表しており、2月に48V MHEVプラスを採用した初の内燃エンジンモデル『アウディA5/S5』、3月に次世代電動SUVアウディQ6 eトロン』を発売しました。

そして本日、『アウディQ5』と『アウディA6 eトロン』が日本市場で発売となります。アウディとして電気自動車と内燃エンジンモデルを同時に発表する機会は初めてで、大きなマイルストーンとなります」

シェーパース氏は現在を『新しい製品ポートフォリオへの移行に向けた過渡期』と捉えており、「電動化戦略を着実に進めながらも、内燃エンジンモデルも着実に導入を進め、今回ふたつのモデルを新たに加えることで、お客様のニーズに合った製品ラインナップになる」と述べている。

新しい製品ポートフォリオへの移行に向けた過渡期

また、Q&Aでも記者からシェーパーシ氏に質問が飛んだが、世界的な『電動化の踊り場』と呼ばれる状況で、特に日本でのBEV伸び悩みは想定以上だった様子。アウディジャパンは2022年に『アウディQ4 eトロン』をBEVとしてはいち早く導入し、フォルクスワーゲンポルシェと連携した『PCA』と呼ばれる急速充電ネットワークも構築。

2023年にはパワーXとも提携し、今年はPCAのレクサス連携こそ遅れているが、「今やれることはできた」と、シェーパース氏の本音ともとれるコメントがあった。

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各ブランドでベストセラーカーを抱えるセグメントだけに、3代目Q5への期待は大きい。    平井大

シェーパース氏のプレゼンに続いては、アウディQ5が登場。プロダクトマーケティングの徳永雄三氏は、その特徴を以下のように説明した。

「今回紹介する第三世代のアウディQ5は、新開発のPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)を採用し、全方位で進化しました。すべてのパワートレインに標準採用となる48VのMHEVプラスは、パワーと効率、スムーズな走りを実現しました。状況次第では完全な電動走行も可能です」

Q5は2008年に初代を発売。ワールドワイドで160万台を販売するヒットモデルとなった。2017年に登場した2代目は110万台と少し落ち込んだが、メルセデス・ベンツGLC、BMW X3、ポルシェ・マカン、ボルボXC60、レクサスNXなど、どのブランドもベストセラーカーを抱えるセグメントだけに、3代目にかかる期待は大きい。

ちなみにQ5は初めてアウディを購入するオーナーが多く、40歳代と比較的若い年代が多いという。そのため、これまで売れ筋ディーゼルエンジンはもちろん取り揃えつつ、エントリーモデルとして760万円のガソリンモデルを用意したのもポイントだ。

一充電走行距離846kmが可能に

続いて登場したのはアウディA6 eトロン。プロダクトマーケティングの石川芳樹氏は、以下のように特徴を説明している。

「このたび発表したアウディA6 eトロンは、PPEを採用する2番目のモデルです。このモデルの最大の特徴は圧倒的な航続距離です。一充電走行距離769kmを実現し、さらにオプションとなるレンジプラスパッケージを装着することで、国内最長(発表時点自社調べ)の一充電走行距離846kmが可能となりました。

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新型アウディA6 eトロンは空力でCd値0.21という数値を実現。    平井大

卓越した空力性能と、スポーティで優れたデザインを兼ね備えたA6 eトロンは、アウディの最先端のテクノロジーを象徴したモデルです」

最先端という意味では、Cd値0.21という空力もポイントだろう。プレゼンではA6系の始祖となる1982年の『アウディ100』を引き合いに出し、そういった先進性を備えるのがアウディの伝統であると強調していた。

今回はBEVのeトロン導入だが、もちろんガソリンモデルの追加も年内に予定されている。また、『eトロンGT』のフェイスリフト、『Q6スポーツバック』導入や『Q3』のICE最終版追加など話題は多い。

電動化を標榜しながら、まだまだ根強いガソリンやディーゼルモデルでどう実質的な販売台数を確保していくか。アウディジャパンに限らず、しばらくはプレミアムブランド全般のキーとなりそうだ。

なお、プレスカンファレンス後は、特別な顧客を招待したカスタマーイベントを開催。首都圏の正規ディーラー34店116名のスタッフと共に、400名以上を迎え、新型モデルをアピールした。


【今やれることはできた】売れ筋SUV『Q5』と先進BEV『A6 eトロン』同時発表!電動化の踊り場でアウディはどう立ち回る