
2025年7月25日、世界自然遺産やんばるを擁する沖縄北部に、大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」がオープンした。ひと足早く足を運んできたので、概要とおすすめアトラクションをピックアップして紹介する。
○ジャングリア沖縄とは?
那覇空港から車で1~1時間半ほど、「沖縄美ら海水族館」などを有する沖縄県北部に位置する「ジャングリア沖縄」。USJ再建の立役者とも言われる森岡毅氏が率いる刀と、ジャパンエンターテイメントが運営を行う大型テーマパークだ。
コンセプトはPower Vacance!!(パワーバカンス)。2021年に世界自然遺産に登録された沖縄北部の”やんばる”エリアならではの神秘的な大自然に没入するかのような、心を解き放つ様々なアトラクションが体験できる。
○やんばるの大自然を生かした、没入感あふれる22のアトラクション
「ジャングリア沖縄」は敷地面積が約120ヘクタール、事業面積が約60ヘクタール(原生林18含む)にも及び、事業面積だけで「東京ディズニーランド」をしのぐ広さだ。パーク内には22のアトラクション(ショーなども含む)があり、15の飲食施設(レストラン3、カート12)、10の物販施設(ショップ4、カート3、フォトサービス3)、スパがある。
○大型オフロード車で恐竜から逃げ惑う「ダイナソー サファリ」
今回、先行で体験したアトラクションの中から、おすすめをピックアップしてご紹介。まずは、恐竜映画さながらのエキサイティングな体験が叶う「ダイナソー サファリ」だ。
このアトラクションは、施設を破壊して脱走してしまった巨大生物を探しにいくというもの。ゲストが隊員となり状況確認・事態制圧のミッションを負って、熟練ドライバーが運転する12人乗りの大型オフロード車に乗りこみ、18頭もの恐竜がいる生息地へと向かう。
約20メートルの巨大なブラキオサウルスや、背中の突起が特徴の大型ステゴサウルス、3本の角が特徴のトリケラトプスなど、迫力ある恐竜たちに接近し、ジャングルの奥深くへ進んでいく。
S字カーブ、急こう配など、ダイナミックなオフロード走行が続く。途中、ブラキオサウルスにおしっこをかけられるアクシデントにも見舞われるなど、遊び心にも富んだ演出も見ものだ。
恐竜の叫び声が聞こえ、途中下車してシェルターへ逃げ込もうとするも、鍵が故障して開かない。待っていると、壁の向こうから最凶の肉食恐竜 T-REXが!
隊員を守ろうと銃撃していた隊長が、恐竜の餌食になってしまうという悲惨な事態に驚愕。車体に乗り込み急いで逃げるが、T-REXがジャングルをかき分け追走してくる。
T-REXから逃げ惑うため池に飛び込み、水しぶきをあびるなど、ジャングルを駆け抜ける疾走感がたまらない。アップダウンの伴うアトラクションだが、身長95cm以上、4歳以上(10才未満の子どもは、必ず16歳以上の同伴が必要)で体験ができる。ワイルドな体験を求める方におすすめしたい。
○迷子の恐竜の赤ちゃんを探しに行く「ファインディング ダイナソーズ」
体重や身長、年齢制限(10歳未満の子どもは、16歳以上の同伴が必須)がなく、誰でも楽しめるのが「ファインディング ダイナソーズ」。
ジャングルの中で迷子になってしまったパキリノサウルスの赤ちゃん「ティーダ」を探しにいく、体験型アトラクションだ。
冒頭ではナビゲーターから、迷子になったティーダについてのレクチャーを受け、その後、木々が生い茂る緑のトンネルをくぐり抜けるなど、自らの足でジャングルを歩いていく。
池にかけられた木製のつり橋を渡ったり、最強の尾をもつアンキロサウルスや、最大級の翼竜プテラノドンなど6頭の赤ちゃん恐竜と遭遇したりと、まるで探検家のような気分を味わえる。
その先で待ち受けるのは、トロッコ。ゲストが力を合わせて運転し、ジャングルの奥地へと進んでいく。
下車後はゴツゴツした足場の神秘的な洞窟に入り込むが、迷子になったティーダはいるのか……? 結末はぜひ、ご自身で体験して知っていただきたい。
アトラクション後には、実際に恐竜の上に乗って撮影できるフォトスポットも。間近で恐竜に触れ合える、子ども連れにおすすめのアトラクションだ。
○楽器を演奏しながらパークを愉快に周遊する「タム タム トラム」
パーク内のアトラクションを案内してもらいながら、パーク内を移動できる「タム タム トラム」も全年齢層(10歳未満の子どもは16歳以上の同伴が必須)におすすめだ。
先頭車両に大きなラッパを乗せたこのトラムには、タンバリンや鈴、鉄琴などの打楽器が全席に設置されている。
ノリノリのBGMや、ナビゲーターのかけ声に合わせ、みんなで演奏しながら、パークを移動していくという乗客全員が鼓笛隊のような一体感を生むトラムだ。途中途中で、ナビゲーターがパークについて案内してくれるので、パークの全容を知るにもいいアトラクションとなっている。
○やんばるの動物たちと交流できる、シアターアトラクション「やんばるフレンズ」
屋内型アトラクションとしておすすめなのが、シアタータイプの「やんばるフレンズ」だ。博物館で博士によるヤンバルクイナの解説を聞いていると、額縁の中にヤンバルクイナのジャンが登場する。
すると、ジャンがいたずらを仕掛け博士を混乱させた隙に、ゲストは秘密の広場へと案内される。
木洩れ日が差し込む秘密の広場に行くと、ジャンと沖縄伝統の守り神であるシーサーをモチーフにしたシシがお出迎え。
ジャンやシシがやんばるの森の動物たちを紹介してくれたかと思うと、実際にゲストに質問をしてくる。回答すると、それに対して返答してくれるなど、実際に会話を交わすことができるのが魅力だ。沖縄ならではの動物たちを知る学びの機会にも富んだ、インタラクティブなアトラクションとなっている。
○7つの超興奮体験が待ち受ける「ジャングル エクストリームズ」
絶叫系のアトラクションが好きなら、7つのアトラクションからなるエリア「ジャングル エクストリームズ」へ行ってみてほしい。
高さ約18メートルの巨大なブランコ「タイタンズ スイング」や、高さ約24.4メートルのタワーから飛び立つ「バンジーグライダー」、「グラビティドロップ」、「スカイ フェニックス」など、やんばるの大自然を全身で満喫できるアトラクションがそろう。
全長約84メートルのつり橋を、ロープ一つを頼りに渡る「スカイエンド トレッキング」や、ファミリー向けの「ツリートップ トレッキング」、高さ15メートルの巨大発射台に乗って、まるで弓矢になったかのように解き放たれる「ヒューマンアロー」など、ここにしかない体験が待ち受けている。
○テラスの鳥かごが特等席のレストラン「パノラマダイニング」
テーマパークのお楽しみと言えば、アトラクションだけではなく食にもある。パークの贅沢な景色を一望できるレストラン「パノラマダイニング」はイチオシだ。特に目を引くのが、鳥かごに見立てたオープンエアーのネスト席。
テラスだけでなく店内も全面ガラス張りのため、雄大なジャングルを見渡せる絶景レストランだ。
メニューには、串をつかんでかぶりついていただく「ジャングリアハンバーグ」(3,200円)や、ジャングリアツリーをイメージした「オアシスプレート」(2,200円)、沖縄の青い海と白い砂浜をイメージした柑橘ムース「オアシスブルー」(1,500円)など、沖縄県産食材を使ったアイコニックな料理がそろう。
○世界一の贅沢インフィニティスパを擁する「スパ ジャングリア」も併設
併設されている「スパ ジャングリア」(大人2,640円、子ども1,540円)も見逃せない。26,000平方メートルの敷地内には、地下1,600メートルから湧き出す天然温泉「今帰仁(なきじん)の湯」を擁するインドアバスなど幅広いラインナップのお風呂とサウナがある。
注目は「最大のインフィニティ風呂」として、ギネス世界記録に認定されたインフィニティスパだ。
南国リゾートの空間が広がるアウトドアバス、石灰岩風呂、打たせ湯、洞窟風呂、ジェットバス、座り湯(女性風呂のみ)もあるほか、地産地消の南国リゾートメニューを味わえるレストラン「トロピカルオアシス」などがあり、一日中いても飽きなさそうだ。
「ジャングリア沖縄」の1Dayチケットは大人6,930円、4歳~11歳は4,950円、3歳以下は無料だ。アトラクションの待ち時間を短縮したり、優先的にショーエリアに入場し自由に観覧場所を選べる「プレミアムパス」も各アトラクションで用意されている。
パーク内外には駐車場もあるほか、乗り換えなしでパークに直行できる便利なバス「ジャングリア エクスプレス」が、那覇空港や、名護市内のホテル、名護市役所バス停から運行中。沖縄北部ならではの大自然の中で様々なアトラクション体験を通じて、経験したことのない興奮と爽快感を感じてみては?
※取材協力: オリオンホテル モトブ リゾート&スパ
中森りほ 中森りほ グルメ系Webメディアの編集を経て2017年よりフリーライターに。毎月各地を訪れ、ホテルや飲食店を中心に取材、撮影、執筆。フードアナリストの資格も持つ。 仕事実績:https://nakamoririho.com/portfolio/ この著者の記事一覧はこちら
(中森りほ)

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