BRITA Japanは7月22日、「水分補給」と「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)」についての調査結果を発表した。調査は2025年7月1日7月5日、全国の20代~60代の男女647人を対象にインターネットで行われた。
○夏の水分補給「お茶」が最多

夏場の熱中症対策として、どのような飲み物で水分補給をするかを調査したところ、「お茶」(61.5%)が最も多く、次いで「スポーツドリンク」(38.8%)、「ミネラルウォーター」(34.3%)、「水道水」(26.1%)と続いた。注目すべきは、水よりもスポーツドリンクが多く選ばれている点。また、「炭酸飲料」(18.9%)、「ジュース」(14.4%)、「エナジードリンク」(7.6%)といった糖分を多く含む飲料で水分補給をする人も少なくないことがわかる。

○ペットボトル症候群について

加糖の飲料で水分補給をした際、「喉が渇く」「倦怠感・疲労感」「頻尿・多尿」「集中力低下」「頭痛」といった、ペットボトル症候群の症状の一例として挙げられることがある体調の変化を感じたことがある人は、56.1%と半数を超えた。また、水分補給時に飲料の成分(糖分、塩分など)を「気にしていない」と回答した人は全体の34.3%と3分の1以上にのぼった。

ペットボトル症候群とは、糖分を多く含む清涼飲料水を短期間に大量摂取することで血糖値が急上昇し、体調不良を引き起こす状態のこと。調査では約半数が「ペットボトル症候群」を知らず、2割以上が知っていても注意していないことがわかった。

熱中症対策の水分摂取量と頻度

夏場の熱中症対策として1日に平均してどのくらいの量の水分を補給しているかを尋ねたところ、「1L未満」が36.1%と最も多く、次いで「1L~1.5L未満」(26.4%)、「1.5L~2L未満」(16.2%)、「2L以上」(10.9%)という結果になった。2L以上の水分補給をしている人は1割程度とごくわずかであることがわかる。

また、水分補給の頻度についても調査したところ、3時間以上空けてしまう人も少なくないことが明らかになっている。

○医師が語る夏の水分補給のコツ

横浜市東部病院患者支援センター長の谷口英喜氏が、熱中症対策の水分補給法について以下のように解説している。

今回の調査結果では、熱中症対策の飲料としてスポーツドリンクを選んでいる人が多かったが、私たちの身体は、通常の食事から塩分や水分を十分に摂取できているため、日常生活では水やお茶での水分補給で基本的には問題ないという。また、今回の調査では、ペットボトル症候群の認知度が低いことも浮き彫りになっていた。スポーツドリンクやジュースなど糖分を含む飲料は、体調や状況に応じて適切に取り入れることが大切だという。

塩分や糖分を含む飲料が必要なのは、非日常的な場面。大汗をかいた時や実際に熱中症になった時には経口補水液を、激しい運動後のエネルギー補給としてはスポーツドリンクを、病気やダイエットで食事量が減少した時には栄養剤か経口補水液が推奨されるが、日常的な水分補給としては水やお茶で十分だと谷口氏は述べている。

熱中症対策の水分補給で大切なのは、一度に大量に飲むのではなく、分けて飲むことが理想とされる。1日の目安量としては、汗をあまりかかない成人男性で1日1.5L、女性で1.2L、汗をかく日はその分を上乗せできる。飲み方は、1回あたり100~200mlとして8~10回程度に分けて飲むと良いとのこと。

また、熱中症を予防するには、暑さを避けること(暑熱回避)と脱水を防ぐことが大切。エアコンを使用して暑熱を回避し、脱水症予防に適切な水分補給を心がけることが効果的だとされる。暑い夏場でも食欲を保ち、食事をしっかりとることで、水分や塩分だけでなく、熱中症予防に必要な様々な栄養素を得ることができる。そして、不足分の水分は飲水で補う。その際は大汗をかいていない限り水やお茶が好ましく、大汗をかいた場合にはスポーツドリンクや経口補水液の活用を検討できる。
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