
7月27日(日)さいたまスーパーアリーナにて「超RIZIN.4」が開催され、YA-MANが金原正徳と対戦。大会ベストバウト級の激闘の末にYA-MANが金原からKO勝利を収めた。
キックボクサーとしてRISEでプロデビューし、OFGルールの王者にもなったYA-MAN。2023年からMMAにもチャレンジしMMAデビュー戦で三浦孝太にTKO勝利すると、平本蓮、鈴木博昭、カルシャガ・ダウトベックといった選手たちと鎬を削ってきた。今回は昨年大晦日のダウトベック戦以来のMMA戦となり、過去にクレベル・コイケからも勝利しているキャリア20年を誇るベテラン=金原正徳と対戦した。
RISEで培った打撃の威力ではYA-MANだが、MMAファイターとしての完成度は金原の方が上。試合は金原がYA-MANの打撃をかいくぐって組みつき、テイクダウンを仕掛ける展開が続き、2Rには金原の飛びヒザ蹴りがYA-MANの顔面を捉える。それでもYA-MANは必死に金原の組み技を凌いで3Rまで持ち込むと、驚異的なタフさとスタミナで徐々に挽回して強力なパンチをヒットさせる。最後は金原のタックルにYA-MANが右アッパーを合わせ、見事な逆転KO勝利を収めた。
試合後は勝ったYA-MANも大の字になって立ち上がることが出来ないほど死力を尽くした一戦で、大会を配信したABEMAが試合直後に実施したベストバウト投票でも、この試合が朝倉未来VSクレベル・コイケを押さえて1位に選出されている(※7月28日正午時点)。まさに超RIZIN.4のコンセプト=真夏の喧嘩祭りに相応しい死闘を制したYA-MANだが、キックの実績があるとはいえMMAキャリア5戦目で金原にKO勝ちという結果は金星と言っても過言ではない。
YA-MANを指導するTRIBE TOKYO MMAの長南亮代表は、今回の一戦を「YA-MANがやるべきことをやって勝った試合だと思います。YA-MANにとって良いパターンと悪いパターンをどちらも想定して練習していて、最終的に良いパターンになったなと。テイクダウンされてから立つ・寝技を凌ぐ練習はMMAを始めた頃からずっとやっているし、打撃のファーストコンタクトを見た時に、金原選手の打撃に対する反応が少し鈍っているなと思いました。立ち技になったら勝機はあると思ったのですが、1・2Rは劣勢でしたし、3Rによくチャンスをモノにしたと思います」と振り返る。
また長南代表はYA-MANの成長と激闘の裏には練習での謙虚な姿勢と試合で針を振り切る力があると話す。
「YA-MANは頭がいいと思います。ものすごく運動神経がいいタイプではないですが、自分が何をやらなければいけないか。それを分かって練習しているので、指導していて困ることはないですね。またキックで実績を残してMMAを始めた選手ですが、地味な練習も嫌がらずにやるし、プロ練だけじゃなくて一般クラスで会員さんとも練習するんですよ。そういう姿勢でMMAに取り組んでいるので、プロの選手たちも色んなアドバイスをしてくれます。(試合に関しては)本番に強くて、試合になると針を振り切ることが出来る。練習とは違う破壊力やスタミナを出せるタイプで、ファンの人たちが見ていて面白い試合をする選手ですよね」
RIZINフェザー級は国内外の強豪がひしめくRIZIN屈指の激戦区で、YA-MANは試合後に過去に敗れている平本へのリベンジ、元王者の鈴木千裕との対戦をアピールした。どんな相手と戦うことになってもYA-MANの激闘は会場を沸かせるに違いない。
文/中村拓己
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