
2024年カンヌ国際映画祭ある視点部門ユース賞受賞作「ホーリー・カウ」が10月10日公開される。メインビジュアルと予告編、場面写真が披露された。
「フランスで最も愛されるチーズ」とも言われるコンテチーズの生産地・ジュラ地方を舞台に、若者たちの日常を鮮やかに描いた青春物語。無軌道に日々を過ごしていた18歳のトトンヌが、チーズ職人だった父の死をきっかけに、幼い妹と生きていくため、チーズ作りで賞金を得ようと奮闘する姿を描く。
監督は、ジュラ地方の農家に育ち、リヨンの映画学校 La CineFabriqueで学んだ新鋭、ルイーズ・クルボワジエ。卒業制作がカンヌの若手育成部門でグランプリを受賞するなど早くから注目を集め、本作が2024年カンヌ国際映画祭でプレミア上映されると大きな話題を呼び、ある視点部門ユース賞を受賞。その後も、ジャン・ヴィゴ賞、そしてフランスのアカデミー賞とも称されるセザール賞・最優秀新人監督賞に輝いた。
キャストは全員が演技経験ゼロの"素人"。ジュラ地方でのオープンキャスティングを行い、農業見本市やモトクロス会場、ストックカーレースなどを巡りながら声をかけた。荒波のように押し寄せる現実と不確かな未来、打算とロマンスの狭間で揺れるトトンヌの不器用で輝かしい日々と、美しいだけでない農村の暮らしが、圧倒的なリアリティでスクリーンに映し出される。
小規模な作品ながらフランスでは約100万人を動員。「Anora アノーラ」や「サブスタンス」といったオスカー受賞作を上回る"サプライズ・ヒット"として脚光を浴び、「心を揺さぶり、思わず笑みがこぼれる青春物語」(TimeOut)、「ケン・ローチを思わせる活力とユーモア」(ION CINEMA)、「フランス映画界の年間ブレイク作」(The Guardian)などと絶賛された。
10月10日からヒューマントラストシネマ有楽町、シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国公開。

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