エアコンを買おうか迷っている人は、スポットクーラーの導入を検討してみてもいいかもしれません。スポットクーラーは、工事不要で買ったらすぐに使える冷房機器です。賃貸物件などでエアコンを設置できない部屋があっても、スポットクーラーがあれば部屋を涼しく保てます。この記事では、スポットクーラーの概要や選び方、おすすめ商品を紹介します。

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●スポットクーラーとは



 スポットクーラーは、エアコンとは違って設置工事を必要としない冷房機器です。本体に吹出口と排気口を備えていて、冷風を局所的に送れます。

 室内の空気を取り込み、本体内部で冷やした冷風を吹出口から送り出し、熱風を排気口から放出する仕組みです。室外へ温風を排出したい場合は、排気口にダクトをつける必要があります。

 設置スペースと電源があれば使えるため、エアコンの設置ができない部屋でも涼しくできる点がメリットです。


●スポットクーラーとエアコンの違い



 スポットクーラーとエアコンの大きな違いは、設置工事が必要かどうかでしょう。

 室外機と室内機が一体化したスポットクーラーは、特別な工事をせずに設置できます。一方のエアコンは、室内機と室外機が分かれているため、それぞれをつなぐ工事が必要になります。


●スポットクーラーの電気代



 スポットクーラーにかかる電気代は、次の計算式で算出できます。

 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 料金単価

 一般的にスポットクーラーの消費電力は600~800Wほどです。仮に1kWhあたりの電気代を31円(全国家庭電気製品公正取引協議会の定める目安単価)として30日、1日8時間使用した場合の電気代は、1カ月で約4000~6000円となります。


●スポットクーラーの選び方



 スポットクーラーの選び方を解説します。スポットクーラーを選ぶ際に注意したいポイントは、次の6点です。

・用途

・冷房能力

・排気方法と排水方法

・本体サイズ

・静音性

・その他の機能

 それぞれのチェックポイントを見ていきましょう。

用途

 スポットクーラーには、家庭用と業務用があります。家庭用は、サイズが比較的コンパクトなのが特徴です。持ち手やキャスターなどが付いていることが多く、移動しやすくなっています。電圧も家庭用コンセント対応の100V程度の製品が一般的です。

 業務用は、工場やイベント会場などで使う製品です。広い場所で使うことを想定しているため、家庭用に比べて冷房能力が優れています。ただし、その分、サイズも大きくなりがちです。電圧は200Vが一般的です。

冷房能力

 部屋を早く冷やしたい場合には、冷房能力をチェックしましょう。冷房能力は「kW」という単位でスペック表に記載されています。この数値が高いほど、優れた冷房能力を誇ります。

 家庭用と業務用の一般的な冷房能力は、次の通りです。

家庭用:0.7~2.0kW

業務用:2.0kW以上

排気方法と排水方法

 排気方法と排水方法も、あらかじめ確認しておきましょう。室外機が一体になったスポットクーラーでは、エアコンのように熱風が外の室外機から出るわけではありません。本体から直接熱風が排出されるため、密閉された部屋で使用すると、熱風がこもりやすくなります。

 スポットクーラーの冷房効率を高めたいのであれば、排気用のホースやダクトなどを用いて熱風を屋外に逃がすことが重要です。室内を涼しく保ちたいのであれば、ホースやダクトがセットになった商品を選びましょう。

本体サイズ

 購入前に、自宅の部屋に置けるサイズなのかを確認しておきましょう。サイズを確認せずに購入すると、設置予定の場所に収まらないというトラブルが起こることもあります。

 本体サイズを確認する際には、あわせて部屋の畳数に見合った冷房能力を備えたモデルかどうかも確認しておくと安心です。また、キャスター付きの製品なら、部屋間を手軽に移動して使えます。

静音性

 スポットクーラーは音が出やすい構造になっているため、静音性の高さの確認が必要です。一般的に、動作音は「dB」という単位で表されます。

 家庭用で静音性の高い製品の場合、50dBほどが目安です。なお、50dBは日常生活で耳にするうるさいと感じない程度の音量といわれています。静かな事務所内や人の声程度の音量です。

その他の機能

 湿気がこもりやすい室内で使用する場合は、除湿機能があると便利です。蒸し暑い日に利用すれば、冷風運転をするよりも快適さが増します。また、梅雨時期にも活用できる便利な機能です。

 さらに暖房機能を搭載した製品であれば、一年を通じて使用できます。冷房だけの場合、冬場に収納する手間やスペースが必要ですが、暖房機能もあればそれらのスペースも有効活用できます。


●おすすめのスポットクーラー



 最後に、おすすめのスポットクーラーを3機種紹介します。

アイリスオーヤマ 「ポータブルクーラー IPP-2225U」

ハイセンス「スポットエアコン HPAC-22H」

・山善「移動式クーラー REC-S20」

 それぞれの製品の特徴を理解して、自宅にぴったりな製品を見つけてください。

アイリスオーヤマ 「ポータブルクーラー IPP-2225U」

 アイリスオーヤマの「ポータブルクーラー IPP-2225U」は、4.5~7畳用のスポットクーラーです(キャスター付き)。冷風・送風・除湿の三つの運転モードに対応しています。

 排気ダクトは、付属の窓パネルを窓にはめ込むだけ。誰でも簡単に設置できます。そのほか、チャイルドロックやおやすみモード、ON・OFFタイマーなど快適に使うための機能も満載です。

ハイセンス「スポットエアコン HPAC-22H」

 ハイセンス「スポットエアコン HPAC-22H」は、コンパクトな設計が魅力のスポットクーラーです(キャスター付き)。パワフル・おやすみ・除湿と三つのモードを搭載していて、状況に合わせて使い分けられます。

 また、温度感知システムを採用しており、より体感に近い温度を検知して快適な運転を自動でしてくれます。また、ノンドレン方式で排水に手間がかからない点も魅力です。

山善「移動式クーラー REC-S20」

 山善「移動式クーラー REC-S20」は、冷房・送風・除湿の各機能を搭載したスポットクーラーです(キャスター付き)。冷風と送風では、風量調節が2段階で可能です。

 1~24時間の間で調整可能な切タイマーや、冷風の設定温度を徐々に上げながら送風できるおやすみ運転を搭載しています。


●自宅にスポットクーラーを導入しよう



 スポットクーラーはエアコンと違って、手軽に涼しさを得たい場合に便利なアイテムです。ただし、室内機と室外機が一体化している構造上、屋外へ熱風を排出しないと熱がこもってしまう点には注意しましょう。

 冷風以外に、除湿や送風などの機能を搭載している製品もあります。記事で紹介した選び方を参考にして、自分に合った製品を見つけてください。
工事が不要ですぐに使えるスポットクーラー