NHKは29日、東京・渋谷の同局で10月から始まる新しいインターネットサービス「NHK ONE」の発表会見を開催し、サービスの概要を発表した。

「NHK ONE」は、番組の同時配信、見逃し(聴き逃し)配信、ニュースの記事や動画などを、スマホやパソコン、ネット対応テレビなど、それぞれ環境に合わせて、WEBサイトやアプリで提供するサービス。サービス名には、「NHKの番組や情報を一つにまとめ、現代を生きる、おひとりおひとりにお届けし、毎日の暮らしに欠かせない存在になりたい」という思いが込められている。

WEBサイト(HP)は、現行のNHKプラス、NHK NEWS WEB、各番組のホームページなどを10月1日に開設する「NHK ONE」に集約。総合テレビ・Eテレ・ラジオ番組の同時配信や、1週間の見逃し・聴き逃し配信、ニュース記事や動画、気象・災害情報、各番組の情報など、すべてのサービスを提供する。

アプリ(スマホ用・タブレット用)は、現行のアプリのうちリニューアル・パワーアップする「NHKプラス」、「NHK ONE ニュース・防災」、「NHK ONE for School」の3つのアプリは、10月1日より新たにダウンロード可能。「らじる★らじる」と「ゴガク」の2つのアプリは受信契約対象外のサービスで、これまでと変わらず利用できる。アプリ(ネット対応テレビ用)も、現行の「NHKプラス」をリニューアル・パワーアップ。10月1日から新たにダウンロードして利用できる。

会見には、黒崎めぐみ理事、鈴木奈穂子アナウンサー、さらに、『NHKニュース7』より糸井羊司アナウンサー、副島萌生アナウンサー、『新プロジェクトX~挑戦者たち~』より有馬嘉男キャスター、森花子アナウンサーが登壇した。

黒崎理事は「今年はNHKが放送を始めて100年の節目の年になります。その同じ年に新しいインターネットサービス『NHK ONE』をスタートさせることになりました。今、幅広い年代の方がスマホを手に持ってインターネットで情報を受け取る中、NHKもそのニーズに合わせて情報をしっかりとお届けしたいと考えています」と挨拶。

そして、「ネットの情報空間は便利である一方、不確かな情報やフェイクニュースも存在しています。情報の信頼性が揺らいでいる今、私たち公共メディアの最も重要な役割は、何が事実で、何を信じればいいのか、その判断の拠り所となる情報を提示して、情報空間の参照点となることです」とNHKの役割を述べた上で、「このような時代に、放送だけではなくインターネットでも、正確で信頼できる情報や豊かなコンテンツをこれまで以上に充実させてお届けしたい。それがNHK ONEの使命だと考えています」と新サービスへの思いを語った。

また、新サービスのイチ押しポイントを聞かれると、黒崎理事は「NHKのすべての情報を1つの入り口からご覧いただけるというのが一番の魅力かなと。NHK ONEの中にいれば、新しい発見もあるし、安心安全も得られる、そばにいてもらえるというものになると思っています」と回答。

インターネット必須業務化事務局長の山崎英一氏は「テレビアプリで番組の見逃し配信だけでなく、同時配信、追いかけ再生も実現したということは大きなポイントだと思います。そして、プロファイルを登録していただくことによっていろんなデバイス連携や個々のお気に入りの番組を登録できるというのも、新しい機能として大事だと思います」と説明した。

各サイト&アプリの特徴は以下の通り。

○WEBサイト「NHK ONE」

各番組の同時・見逃し配信のほか、関連する番組をまとめたプレイリストなどを分かりやすく表示。NHK ONEのニュースページでは、国内外の取材網によるニュースを掲載する。また、地域(放送局)を設定することで、地域に関する番組をまとめたプレイリストや、地域のニュースにすぐにアクセスできる。検索機能を強化し、さまざまなテーマごとに、番組やニュースなどの記事にアクセスできるようになる。
○アプリ「NHKプラス

テレビアプリでは、テレビ番組の見逃し配信に加え、いままで利用できなかった同時配信がスタート。スマホでも提供する。また、世帯で「NHK ONE アカウント」を登録すると、家族ごとに「プロファイル」を5つまで設定でき、家族それぞれで気になる番組をフォローすることなどが可能に。また、プロファイルによってデバイス(機器)どうしの連携もできるようになる。

そして、NHKプラスに「ニュース」のメニューが新設される。連続テレビ小説や大河ドラマを見て、そのまま同じアプリでニュース記事や動画をチェック、こういった利用が可能となる。また、「ぴったり字幕」機能により、生放送でも番組内容と字幕がずれないようになる。

子育て中の人たちにおすすめなのが、NHKプラスのスマホ・タブレット用アプリに入っている子ども向けプレイリストやネット対応テレビ用アプリに搭載される「キッズモード」機能。どちらもEテレなどの子ども向け番組をまとめて見ることができる。
○アプリ「NHK ONE ニュース・防災」

ニュース速報に加え、地震・津波情報、気象警報などを画面で表示するほか、災害が起きたとき、いる場所や設定した地域に応じて、川の氾濫情報や避難の情報などをプッシュ通知で知らせる。マップ機能では、雨雲の様子、河川氾濫の状況や河川カメラの映像などをリアルタイムで提供。緊急報道のニュースも同時配信し、いつでもどこでも「安全・安心」を支える。

そして、緊急報道を含むニュース番組の同時配信がスタート。また、『おはよう日本』や『NHKニュース7』などのニュース番組でどのような内容を伝えたのか、項目ごとに番組が見られるようになる。ニュースの記事や動画は、主要なものから国内外各地のニュースまで、さまざまなジャンをきめ細かく深掘りして伝える。
○アプリ「NHK ONE for School」

NHKが制作する学校教育向け番組を多数配信(2000本以上)。学習のエッセンスをまとめた短い動画も掲載する。同アプリでは、キーワードのほか、学年・教科・番組から探すことができ、編集部おすすめの動画を紹介していたり、自分のお気に入りなどの動画をまとめる「プレイリスト」を作成することもできる。

(C)NHK
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