
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年8月号からの転載です。
来年、結成30周年を迎えるEGO-WRAPPIN’。音楽活動を続けられた理由は“互いの尊重”だと話す。
中納良恵さん(以下、中納):若い頃は野心や貪欲さがありすぎて、力が入りすぎていたんです。だからこそ強引なところもあったんですが、つねに森くんを尊重することは大事にしていました。森くんは私と対照的で、最初から肩の力が抜けていたんですよ。それがすごく居心地がよくて、安心できたからこそ続けられてきた気がします。
森雅樹さん(以下、森):よっちゃん(中納)という類稀なる才能は、惜しむことなくいろんなところに解放したほうがいいと思うんです。だからこそ、EGO-WRAPPIN’は家のような感じで存在し、僕はその主を任せてもらっている感覚で。それが僕の大きな自信にもなっていますし、僕にとっても大切な場所なので、今後もマイペースに続けていきたいですね。
そんなふたりの待望の新曲が、LPという形でリリースされる。
森:去年の4月にカリンバを買ったことをきっかけに、夏の日比谷野音で披露するダンスミュージックを作ろうと思い、この2曲が生まれました。
中納:カリンバって、子どもも大人も楽しめるすごい楽器ですよね。その音色やリズムに引っ張られて作った『AQUA ROBE』は、日常に寄せた、お風呂場で自分と向き合う時間を歌った幸せに満ちたサウナの歌になりました(笑)。『Treasures High』では、日々ワクワクしていたいという、純粋な気持ちを歌っていて。どちらも瞬間的なときめきや幸せが詰まっているので、楽しんでもらえたら嬉しいです。
この2曲も楽しめる日比谷野音でのライブは7月12日に開催される。
森:改修前の野音で、新曲2曲と、ライブの定番曲『サニーサイドメロディー』を演奏するのは今回が最後。ぜひみなさんで一緒に整いましょう!(笑)
取材・文=吉田可奈
えご・らっぴん●中納良恵(Vo、作詞作曲)と森雅樹(G、作曲)によるユニット。1996年に結成し、2000年に発表された『色彩のブルース』や02年にドラマ『私立探偵 濱マイク』の主題歌となった『くちばしにチェリー』が話題となり、その名は全国区へ。30年間にわたり音楽ファンに愛され続けている。

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